太平記 第五巻 大塔宮大般若の櫃に入り替はる事 7

太平記 第五巻 大塔宮大般若の櫃に入り替はる事 7

吉成学人(よしなりがくじん)
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大塔宮は笠置山陥落の後、現在の奈良県の般若寺に潜伏します。
追手にみつからないために、ほとんど野宿のような生活をします。
しかし、とうとう潜伏先である般若寺に追手がやってきます。
逃げようにも追手が寺院内に侵入しており、逃げられません。
大塔宮は自害しようとしますが、助かる見込みがあるなら、と近くにあったお経を入れる櫃の中に入ります。
櫃は3つあり、1つはお経を半分取り出して蓋をしておらず、2つの櫃は蓋をしていました。
大塔宮は、お経を取り出した蓋のない櫃に入ります。
兵士たちが仏殿に入り、大塔宮が隠れていないかを探します。
やがて、3つの櫃をみつけます。2つの蓋をしている櫃が怪しいと考え、お経を取り出し、中をくまなく探します。しかし、宮が入っている蓋の開いている櫃は探りを入れずに、出ていってしまいます。
大塔宮は一旦、櫃から出て、蓋のしまった櫃に入り直します。
すると、案の定、兵士たちが再び戻り、蓋がない櫃に探りをいれます。
しかし、宮は居なかったので、今度こそ帰ってしまいます。
大塔宮は、神仏のご加護だと感謝し、涙で衣を潤したそうです。

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吉成学人(よしなりがくじん)
最近、熱いですね。