新聞記者時代に鬱を経験した私の「ゆるライティング」術
私は新卒で新聞記者として2年間働いていました。
記者を目指した理由はとても単純で、「書くこと」と「人の話を聞くこと」が好きだったからです。
大学時代に自己分析をする中で、「これこそ自分にとっての天職かもしれない」とまで思い、深く考えずにその道を選びました。
…浅はかでした。1年目の冬に私は鬱を発症し、数ヶ月間の休職を余儀なくされます。その後、復帰はしたものの、結果的に2年で退職することに。
その後のキャリアはこんな感じです。
気づけばライター歴は5年目。
では、なぜ一度は病んだ原因ともいえる「書くこと」を、今も続けることができているのでしょうか。
この記事では、私自身の経験をもとにした、無理なくライター業を続ける方法を「ゆるライティング」術としてご紹介します。
◾️この記事はこんな人におすすめです。
・ライターを目指している人、始めた人
・ライターとして無理なく長く働き続けたいと思っている人
・ライティングに苦しさを感じたことがある人
・書くことが好きなはずなのに、なんか上手くいかないと感じている人
◾️本記事は一部有料です。
有料部分で紹介する「ゆるライティング」は、ライティングのテクニックも含みますが、どちらかというと心構えや考え方の解説が中心です。記事購入の際はあらかじめご承知おきください。
新聞社の過酷な執筆環境
新聞社での執筆環境は、言ってしまえばスパルタというか、体育会系のノリが色濃くありました。たぶん、ちょっとブラック。
毎日毎日、翌朝の朝刊に間に合わせるために「今日中に書き上げなければならない」という日々が続きます。
いつ何時起こるか分からない事件・事故。また急な報道発表があれば、たとえ夕方や夜でも現場へ駆けつけ(または電話で取材を行い)、その日の深夜の締切までに原稿を仕上げる必要がありました。
もちろん、数百文字の原稿であろうが数千字の原稿であろうが、締切は変わらず。どんなに量が多くてもとにかく「気合いで乗り切る」しかありません。
記者歴の長い先輩たちは「アドレナリンを出せばなんとかなる」とよく話していましたが、実際にそれで乗り越えている様子を目の当たりにし、驚いたものです。
しかし入稿までの時間がないからといって、クオリティを下げることは許されません。
新聞には当然、信頼されるメディアとしての責務とプライドがある。取材が不十分だったり事実確認に怪しい部分があれば、何度でも追加取材や確認を行います。それは深夜であろうと早朝であろうと、変わりませんでした。
さらに新聞社にとって、ミスは絶対に許されないものです。
今でも思い出すと辛いのですが、一度だけ固有名詞を間違えたまま、気づかず発刊してしまったことがありました。その際は、一日中反省文を書かされる始末。さらにその反省文にもデスクの厳しいチェックが入り、徹底的に直さなければいけませんでした。
このエピソードを通じて「やばい会社だ」と言いたいわけではありません。むしろ、こうした厳しい姿勢は、「誤字脱字すらも致命的な信用問題に直結しかねない」という強い意識の表れだと思っています。
新聞記者時代の3大プレッシャー
そんなこんなで、新聞記者時代には、次のようなプレッシャーが常について回りました。
・短い納期
・取材を尽くしたという、高いクオリティへの要求
・絶対に間違えてはいけない重圧
これらが積み重なり、私には耐えきれなくなってしまいました。
鬱からの回復。ライターとしての再出発
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