The Kind of Worth Saving by Peter Swansonよむよむ
これは第2作『そしてミランダを殺す』の続編なので、絶対に邦訳が出ると思うので楽しみにしている。いや、これだけじゃなくて全部邦訳は出ると思うけど。出版社はハーパー・コリンズ。装幀はエルシー・ライオンズ(Elsie Lyons)。表紙に印刷されているレビューは作家のジリアン・マカリスターの「スマートで意外でクールでおもしろくて、考えさせられるし大満足な結末!最高!」となっている。献辞はデービッド・ハイフィルさん(またどなかわからない、と思っていたけど、第1作の後書きに編集担当の方と書いてあるのを見つけた)。エピグラフなし。
今回もリリー・キントナーが活躍するし、前回の後半に出てきた刑事、ヘンリー・キンボールがもう一人の主人公だ。二人とも…いやいやいやいや違うでしょ!っていう感じで突っ走りまくる。私は二人にものすごくつっこみたかった。いや…違うよって。もう一人の登場人物パムもよかったな。好きなシーンは、完全にクリスティ風味の詩をもとに推理する場面とリリーの変身(最高だった)。
今回は、複数のスワンソン作品の舞台であるケネウィックについて復習しておいて全く損はないと思うのでそのことを書くことにします。ケネウィック(メイン州の海岸にある架空の都市)のウィンドワード・リゾートが主要な舞台の一つでここは、前作Nine Livesの舞台でもあった。完全に呪われている。
第1作のミランダとテッド夫婦が滞在していたのはケネウィック・インは高級ホテルのようだったけど、ウィンドワード・リゾートはティーンエージャーからつまらないつまらないと言われるタイプのリゾートホテルみたいだ。アルバイトのジェシカがオーナーのことをフランクと呼んでいるのでたぶんこのフランクはNine Livesでリストに載っていたフランク・ホプキンスのことだろうと思う。誰でも自由に入れる図書室や、もちろんバーもついている。フランク・シナトラのカバー曲なんかが演奏されて、客に人気の『オールディーズの午後』なんというコンサートも開催されたりする、滞在型のリゾートだ。
ケネウィックは、『アリスの語らないことは』の舞台でもある。『アリスの語らないことは』では街の様子がこんな風に説明されている。この描写からいくと、ウィンドワード・リゾートはケネウィック港とケネウィック・ビーチのちょうど間ぐらいにあるのかなあ?と思った。
『アリスの語らないことは』の解説で吉野仁もこの場所に注目して、モデルとなっているだろう街について教えてくれている。
なるほど。なお、『アリスが語らないことは』の吉野仁の解説によるとスワンソンはニューイングランド地方を舞台にしたミステリ小説のトップ10リストも書いているとのことだったが、なかなか探せなかった。それで、オンラインの記事は今のうちに保存しておかないといつかアクセスできなくなってしまうのかもと焦る気持ちになる。自分の感想にもあとでリンクをつけておかなければ。
もう一度落ち着いて検索したら出てきた。このアメリカのCrimeReadsに寄稿している記事のことだと思う。ここにもおもしろい記事たくさんあるなあ。この記事の中で、スワンソンがニューイングランドがどんな所か説明しているので、引用します。
メーン州に全く行ったことがないけど、死ぬ前に言ってみたい。日本人の観光客として。