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【十三機兵防衛圏】やっぱ今年No.1のゲームだったぜ:Day2

祝・十三機兵防衛圏クリア!

 十三機兵防衛圏、クリアしました。いや~良かった。余りにも良すぎて私は今……

ベーコンを焼いています。

※十三機兵防衛圏にベーコン要素はございません

※本文には”十三機兵防衛圏”の重大なネタバレを含みます。この感動は是非プレイして味わって欲しいので未プレイ、プレイ途中の方はブラウザバックを強く推奨します。


寝食を忘れて熱中した結果、気がつけば家にベーコンしかなくて仕方なくベーコンを焼いて食べています、美味い。でもこれは特別な日に食べようと思っていたのに。いや、待てよ?十三機兵防衛圏をクリアした日なんて人生でトップクラスの特別な日なんじゃないか?そうだ、そうに違いない、こんな特別な日は肉を食い、酒を飲み、みんなで感想を語り合って過ごそうじゃないか……


十三機兵・リム

 クリアまで一週間で、プレイ時間は約32時間。むしろたった32時間しかプレイしてないのか、と驚愕するほど濃いストーリーだったと思う。そもそもお盆休みの暇つぶしに買ったのにお盆になる頃にはクリアしていてどうすんの(クリアから記事を書くまでに1週間経っています)って感じだが、それだけこのゲームが手を休めることが出来ないくらい面白いゲームだった証拠でもあろう。
 本作はストーリーを楽しむ”追想編”と、ロボットを操作し敵と戦うRTSを楽しめる”崩壊編”があって、崩壊編もそこそこ時間をかけたのでストーリーを追った時間だけで言えばもっと短いかもしれない。正直に言えば崩壊編のRTSの出来は”並”といったところで、中盤を過ぎてからは楽しさよりも煩わしさが勝ってしまったかもしれない。けれどそこでゲームを投げるのではなく、自身の主義を曲げてでもなんとかクリアまで漕ぎつけたところにこのゲームの凄さはあった。ちなみに追想編を進めていくとストーリーにロックがかかり否応なく崩壊編のプレイを求められる。

この辺りまではハードでプレイしていた…が

 私は難易度を選べるゲームにおいてとりあえず選べる最高難度を選択するという主義(というか性格)がある、どうせ2週目とかリプレイとかしないんだから最初っから味わい尽くせる形でプレイしたいよね。もちろん場合によってノーマルに下げる、ノーマルで始めるときもある。しかし、イージーは選ばない、選びたくないという心の芯があった。今回私はそれをたやすく捨ててカジュアル(最低難易度)へと切り替えた、これは今後の私のゲームプレイスタイルに大きな変革をもたらす重要な選択だったかもしれない。すなわち、ゲームの最も面白い部分を享受するために、他の全てを切り捨ててもよいということだ。

 ではそんな”並”と切り捨てた崩壊編が不必要だったか、と聞かれれば「NO」と答えるしかないのが悩ましいところでもある。主人公たちの追体験という意味でも、あの世界の追体験という意味でも崩壊編がないことは考えられない。というか和泉十郎の追体験としては必須だ。むしろ崩壊編とは和泉十郎編だったのかもしれない。もちろん、ゲームシステムの都合上崩壊編のラストバトルがこのゲームで最後にプレイすることになるし、そこからエンディングに繋がっていくわけだが、それを抜きにしてもやっぱり崩壊編があってよかったと今は思う。

とんでもないSF

 とまあ、まず崩壊編の話をしてしまったが、やはり追想編がこの作品の軸であるのは間違いない。タイムスリップに巨大ロボット、13人の主人公たちと風呂敷を広げに広げ、そしてそんな期待を大きく上回るストーリーを展開してきた十三機兵防衛圏には拍手喝采しかないのだが、本当に最後の最後までプレイして、そしてその上で全体を振り返って、私はつい、こんな風に考えてしまう、つまるところ十三機兵防衛圏とは………

公式カップリングは1キャラに1キャラしかあてがえないという既成概念をぶち壊すための完璧なアンサー

なのではないだろうか、と。

 このゲームのストーリーのミソはいくつかある、本人が知らない本人の記録、明らかに描写が矛盾するシーン、本当に"とんでもない"タイムスリップの秘密、そしてこれらは私が感じた登場人物達への不信感のカラクリでもある。

まず、私がこの作品で非常に気に入っているポイント、それは出てくる人物人物が全員”怪しい”という点だ。(中略)そしてそれはプレイアブルな主人公たちも例外ではない。自分が操作しているはずの主人公に何度「お前は何を考えている?」「お前は何者だ?」と語り掛けたくなったことか。

前回記事より

 ゲームの序盤、私達は何人もの主人公の視点を乗り移り、圧倒的な情報量で先の展開や世界の謎について予測する、まるで神の如き存在だ。しかし、中盤になると噛み合わない情報が増えてくる。先程まで圧倒的な情報量を享受していたのに、今度はそれがネックになってくるのだ。すると自分の持っているどれかの情報が意図的な虚偽なんじゃないかと思えてしまう。そしてその虚偽の情報を流した黒幕が何処かにいるんじゃないかとも。しかし、不信感を抱きながらも主人公たちを信じたい思いもどこかにある。それはこのゲームが単なるテキストボックス形式ではなく、少なくはあるが主人公たちを自分で操作して動かした体験がきいているのだろう。そうすると自然とプレイアブルでないキャラクターに疑いの目が向いていく。そして彼らもまた主人公であることを知ったとき、私達はものの見事に術中にハマっていたと気づくのだ。

カップリング最高!

 この頃にはもう出てくる登場人物全員の魅力にどっぷりと浸かっているが、そうなると気になるのが登場人物たちのカップリングだ。このストーリーの最終的な目的を考えればカップリングは切っても切り離せない、が人によっては推しの二人がくっつかなくてガックリきた人もいるのではないだろうか。私も十郎と五百里がくっつくと思ってた、いやくっついたのか?ストーリー上、公式でガチガチにカップリングを固めなければならない、しかし固めてしまうとプレイヤーの落胆を生んでしまうかもしれない。そんな中でこの作品は今回のカップリングは可能性のひとつでしかないことを明確に示している。この作品は最後に運命すら嘲ってみせたのだ。私が散々頭を悩ませたストーリーもたまたまや偶然の産物であると。でもそれでいいじゃないか、現実だってそんなもんだ。タイムスリップや巨大ロボやなんやかんや、全然現実的でないこのゲームにおいて最後の最後に出てきた絶妙な現実味が、もしかして本当に起こりうる出来事なのかもしれないとそういった不思議な気持ちを抱かせるのだ。

 結局ここまで思うのもキャラクターが魅力的だったからに尽きるだろう。個人的に一番お気に入りの主人公は南だ。明朗快活だけどオカルトマニア、そしてブルマ。プレイ中ほとんどブルマだったのでたまに学生服で登場するとスカートがロングスカートに錯覚するそのキャラクター性も好きだが、ストーリー上でも頻繁にタイムトラベルをしてくれるのでストーリーの違和感を私に気づかせてくれる存在だった(あくまで私のプレイ順では)。あと崩壊編でも大活躍してくれた、だいたい私はG3の面々を愛用していた気がする。ちなみに南編をプレイしていた時の違和感にBJを宇宙人の宇宙服だと認識していたという点がある。最初は南のオカルトチックな側面として捉えていたのだが、そもそもどう見ても機械的構造体であるダイモスを”怪獣”と呼称していることからも、1985年においてはロボットという概念の捉え方が現在とは異なるように思える、どう見てもエクスカベーターではないか。というわけで1985年の日本について調べてみたらNTTが”ショルダーフォン”を発売したり、任天堂が”スーパーマリオブラザーズ”を発売した年だった。でもドラえもんの連載開始は1968年らしい、おかしい。
 13人の主人公はどれも違う形で好きだけれど、郷戸に関しては単純に影が薄かった(というか解決編の便利な語り部にされていた)なあと思った。ただ私の中で郷戸のあだ名が”ロリコンCEO”になってからは評価はうなぎのぼりだったが。ちなみに最終的に東雲とくっついたという理解でいいのだろうか、いいんだろうなあ。個人的に東雲は幸せになって欲しい度トップだ、彼女はつらい思いをし過ぎてる。いいのか?ロリコンCEOで。
 ベストカップルは網口と鷹宮。正直自分の子供の名前に親友から取った名前を付けるのはどうなの?と思ったがよく考えれば全然問題なかった。いやでも兄弟の名前が似すぎてると呼ぶときに苦労するぞ、お母さん。
 網口は結構上位に入る好きなキャラなんだけど実は序盤は柴君と混同していた、柴君も嫌がるだろうなあ。個人的にはストーリー上で何故か勘違いや気づき損ねが頻発したキャラで、特に因幡の正体は本当に直前になるまで気づかなかった。イナバ言うとるやろがい。なんなら見た目がちょっと似てるから東雲だと思ってたよ、ごめんね。
 意外度で言えば緒方と如月だろうか。最初気づいたときはええ?そこ!?と思わず声に出たし、今になってもいったいどこで両想いになったのかよく分からん。分からんけどどのキャラもほとんど一目ぼれだしいいか。恋の形は人それぞれだよ、比治山君。というか後のことを考えればあの15人は惹かれあうようにコントロールされててもおかしくないか。あれ?でもそれだとおかしいな比治山君。
 主人公以外で言うと沖野…はなんか恵まれすぎてないか?しかし天才の情報はDNAに含まれているのかな、ずるいな。そういえばDコードを持ってるのは15人って説明があったけど主人公13人+沖野+玉緒でいいんだよね。途中まで15人目が全然分からなくて美和子黒幕説まで想像してたわ。違ったね。玉緒もちょーっと影が薄かったね。同じ立場の沖野とは雲泥の差だ。というかその覚えてる影も玉緒のものじゃないのか……なんて不憫なんだ。

 色々書いてきたけど結局のところ私は十三機兵防衛圏に出てくるキャラがみんな好きだったし、だからこそ全員に幸せになってほしいと思っていた。今回私が見た物語は幸せに終わった。さらにその上でまた別の違った幸せの形が提示されたことが嬉しかったのかもしれない。カップリングの"無限の可能性"は即ち幸せの"無限の可能性"であるのだ。

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