おっさんずラブとジェンダー意識
# おっさんずラブ
このハッシュタグがついた記事を片っ端から読んでいる。とてもハマった作品だったから、ということもあるが、セクシャリティに関する様々な価値観を垣間見たかったからだ。
その中で、とあるひとつの記事にとても唸らされた。
記事内の文章を引用させていただくと、
なんで、男が女のジェンダー背負ってドラマ作るわけ?男同士の意味ないじゃん!
というわけだ。
牧(林遣都)しかり、部長(吉田剛太郎)しかり。牧も部長も身の回りのことが何もできない春田(田中圭)のために、甲斐甲斐しく世話をする。その姿は、春田の母が家を出て行った後の母親変わりとも言えるものだったのではないだろうか。
今回、僕はこれでもかというピュアな恋愛にキュン死しそうなほど熱中してしまったため、そのような視点からこの作品を観ることがなかった。が、上の記事を読ませていただき、
確かに!!!
と、膝を打った。
牧も部長もいわゆる「女っぽさ」はなかったものの、春田に対する献身っぷりはまさしく「女というジェンダー」を身に纏っていたように思う。
上の記事には、
実際のゲイの人って、どんだけの人が、「女の人みたいに家事とかやって尽くしたい」とか思うのかな?
とも書かれていた。
個人的にはは全くそんなこと思わない。若い頃はそんなこともやってみようと思ったこともあったのだが、そもそも尽くしたい欲求などなかったことを知った。むしろ尽くしてくれよ、と。僕の場合、乙女な部分も同居しているので、何もやらないお姫様のような状態を望んでいるのだ(笑)。ちなみに、僕の知ってるゲイカップルで、片方が甲斐甲斐しく家事を行っている例もこれまで聞いたことはない。
となると、やはりこのドラマはそういう意味でもあり得ない設定だったのかもしれない。興醒めしてしまうかもしれないが。
いずれまた別記事にしようと思うのだが、ゲイカップルには「女役」「男役」などない(と僕は思っている)。
カミングアウトをするとよく聴かれるのがここなのだ。「男役なの?女役なの?どっちなの?」と。その問いの意味は質問するひとによって様々なのだが、生活全般を指して聴いてくるひともいれば、性生活を指して聴いてくるひともいる(F〇〇k!)。
だがいずれにせよ、それはナンセンスな問いかけだ。僕らはそんなものを意識して付き合うことなどないのだから。家事が得意な方が家事を行うこともあるだろうし、2人でルールをつくって家事を分担するカップルもあるだろう。いわゆる女っぽい方が家事をする、などという原則めいたものはない。ましてや性生活で受け身の方が家事をするなんてことは全くない(笑)。
そう考えると、男女のカップルは大変ですね、おつかれさまと思わずにはいられない。女は家事ができてなんぼ、男は稼いできてなんぼ。現代では、女性が一家の大黒柱を担ったり、主夫として子育てや家事をスマートに行うひとたちも増えてきているとは思うが、おそらく割合としては限りなくゼロに近いのではないだろうか。
ジェンダー規範ってホント・・・めんどくさいっすね!!
おっさんずラブから大分話はそれてしまったが、続編などがもしあるのであれば、春田の家事能力が上がり、牧の分まで弁当を作るなんてことも期待したい。
熱を出した牧に作ってあげた、あの、とろけるチーズのようなおかゆは・・・ありえない。