認知的フュージョン・脱フュージョンで負のスパイラルを抜ける!
負のスパイラルから抜けられないとき
・自分自身の考えで苦しみ悩んでいる
・ネガティブな考えが頭から離れない
思い当たる人は、思考と現実を混同してしまう認知的フュージョンを表現しているかもしれません(嶋, 柳原, 川井, & 熊野., 2014)。
認知的フュージョンとは?
自分の考えと現実を混同し、現実よりも自分の考えが極端になるプロセスのことを言います。
例えば、
・自分は何をやっても上手くいかない
⇒上手くいっていることには目が向いていない
・自分はダメだ。こんな自分がやっても失敗するだろう
⇒未来のことまで決めつけ
このようなネガティブな思考を持っている場合にその思考が現実と結びついてしまい、どんな時でも「わたしはダメだ」と考え、行動してしまいます。
これを続けていると新しい選択をする気が起きません。
これを続けいるとさらに負のループから抜け出せなくなってしまいます。
状況を解決するために脱フュージョンしていきましょう。
脱フュージョンとは?
自分の考えと現実を区別し、現実と自分の考えをバランス良くしていく方法です。
この認知的フュージョンを解消していく方法には2つの手順があります。
①認知的フュージョンをチェック
まずは、自分がネガティブな考えに陥っている認知的フュージョンを確認します。具体的には、負のスパイラルに入っていると感じる状況の思考や行動をチェックし自分の認知的フュージョンを確認します。
たとえば?
例:恋人にある日突然一方的に振られてしまい「好きになってもまた裏切られる」と思うと新しい恋愛ができないでいる。
認知的フュージョンを確認し、脱フュージョンのワークを行うため現在の問題となる状況を思考、行動と分けて分析してみます。
<思考>
「自分なんか相手にされない」
<行動>
そっけない態度で接する
これでは、恋愛のきっかけを自分で無くしていますよね?ここで脱フュージョンが必要になります。
②脱フュージョン
自分の思考に支配されている状況から抜け出す過程です。思考を客観視するための言葉を用いて、思考と現実を分けていきます。
思考を客観視するための言葉
思考の語尾に「~と考えた」とつけてみる
「自分なんか相手にされない」という考えが頭をよぎったときに、「私なんか相手にされない・・・と考えた」と語尾に「~と考えた」とつけてみます。ナレーションのように自分自身の思考にくっつけます。
そうすることにより、
・自分なんか相手にされないと考えている自分
・そっけない態度をとっている自分
に気づくことができます。
認知的フュージョン・脱フュージョンのメリット
・思考に飲み込まれていたことに気づく
・思考から離れて現実を見ることができる
・現実的な行動を取ることができる
自分の極端な考えに飲み込まれたまま行動を取っている場合には認知的フュージョンを確認してみましょう!そして脱フュージョンして現実的な行動を目指しましょう!
しかし、
「とは言ってもできません。簡単にできたら苦労しません!」←これカウンセリングでもよく言われることです。そう、簡単ではないんです。だってその考えのもとにはそう考えるしかなかった歴史があるからです。
でも無駄かもしれないけど、とにかくやってみよう!とやってみた人がこれまでと違う思考の回路を作っていくことができるんです。
違う思考、違う行動を選択していくことが負のスパイラルを抜け出すことにつながります。
思考に飲みこまれ続けることもとてもつらいことです。自分の極端な思考に気づいたら、本当は、どのように行動していきたいかに目を向けて、そのためにできることを始めてみましょう!
まずは、「~と考えた」です。
参考文献
嶋大樹, 川井智理, 柳原茉美佳, 大内佑子, 齋藤順一, 岩田彩香, ... & 熊野宏昭. (2017). Acceptance Process Questionnaire の作成および信頼性と妥当性の検討. 行動療法研究, 43(1), 1-13.
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