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【古民家リノベ㉚】左官道具まみれの家で漆喰を手で塗る。
2018年~約4年かけて家族中心にDIYの超超超延長をして、なんとか
「こさえた」築150年越え古民家の改装記録を、イロイロ寄り道しながら
だらだらとここに書き残していこう!というシリーズです。
分かりやすく各場所ごとに出来上がりまでを一気に載せちゃえ!ってなりつつありますが、今回は「しっくい塗り工程」をまとめてみました。
この古民家改装は、何もかもが初めて尽くし。
その中でも今まで一度もやったことが無かった事が「漆喰(しっくい)を塗る」作業だった。
漆喰。それまでは聞いた事はあるような無いような。
今ではホームセンターにも便利に塗れる漆喰キットなどが売られているが、なにせお高い。しかも我が家は広範囲にわたって使うので、いちいちそのお高いのを買っていたら破産だ(漆喰破産)
という訳で、
自分でこねて作るところからやらなくてはならないが、比較的お手頃な粉状のものを購入。
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この漆喰の粉に水を適量いれてかくはん機(ミキサー)で混ぜていく。
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ミキサーは中古で購入したが、細かな物品はいつもながらありあわせの道具なので、いやにバケツが小さかったり、よく分からないタライがあったり、ブルーシートがくしゃくしゃだったり(それはどうにかできないか?)
よく分からない体制で母がかくはんしてたり(それはどうにかしろ)はお許し願いたい。
あと、写真には写っていないが、かくはんする時に漆喰が飛んだりするため、凄く遠巻きに猫が眺めていた(いらぬ情報提供)
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素人らしくきちんとやらない方がしっくりくる
左官さんや内装業者さんのように漆喰を綺麗に塗ったり、美しい模様にしたりは憧れる。
しかし、しょせん行き当たりばったりの素人な私たちがそれを見よう見まねで出来る訳がない。そんな事が出来てしまったら、職人さんたちのプライドもズタボロリである。
職人さんたちを傷つけちゃったらどうしよう、、、、
しかし、そんな心配も無用。
本職左官職人さんだったこの家のおじいちゃんが、山のように残していった左官道具を「今こそ活躍の場が!!」と意気込んで使い始めたはいいものの、ものの数分で夢破れる。
「コテぜんぜん使いこなせねえ・・・」
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真似しようと思えば上手くいかない事でガッカリしたり、イライラしたり。
そりゃそうだ。、修業期間ゼロ秒なんだから。
今から弟子入りするか?毎度おなじみYouTube先生に教わるか??
いや、そんな時間はない。あるけどない。
だったら始めから滅茶苦茶やっちゃえ!!という事で、、、、
もはやコテも使わず、手で塗りたくる作戦に。これが仕上がると意外と良い感じに(個人の意見です)
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漆喰で塗装する場所は壁や天井と、結構広範囲。何日にも、何回にも分けて行った。
手で塗る事に味を占めた我々は
「ここも塗っちゃえ」
「ペンキ塗る予定だったけど、いい感じだからここも漆喰しちゃえ」
と無計画に塗りまくった。
何かが起こりそうな予感しかしないが・・・・。
漆喰フィーバー来る
とにかくコテを放り投げて(投げてはいないです:おじいさんに釈明)
手で塗りたくる作戦にハマった我々。
漆喰をかくはんする作業は結構めんど、、、、大変だが、混ぜ混ぜしてしまえばあとはフィーバータイム。
石膏ボードを貼っただけの未完成の壁が、漆喰を塗るだけでなんだかそれらしく見えてしまうのだから、まあ不思議。
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下から見上げた中二階の天井がカラフルなので、下の壁はシンプルな白い漆喰があっていると思った。そこら中ペンキだらけも飽きるしね。
そんな訳で、茅葺スペースの広い壁は漆喰で統一。
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ちょっとやらかしたカモ☆彡
これは、改装中にうすうす感じていたが、漆喰の塗り方&塗る場所をもう少し考えるべきだった。
ちゃんと調べればどこにでも注意書きはしてあるにもかかわらず、この頃は「早く作らなくちゃ!!」が先走って、漆喰を塗るときも、先述の通り本来塗る予定ではない場所まで「ええい!塗っちゃえ!!」と塗りたくっていた。
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その結果、塗った場所によっては乾いてくると白い漆喰が茶色かったり黄色みを帯びてきたり、おかしな様子に。
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これは本来木材等に漆喰を塗る際は下地を塗ればよいところをそのまま塗った為に「灰汁(あく)」が出てきてしまったのから。
そんな灰汁に悩まされつつ土壇場で考えた解決策が、もう一度上から漆喰塗って隠しちゃえ!なんならペンキ塗っちゃえ!という左官職人さんに引っ叩かれそうな解決策。
もちろん全く解決にはなっていない。下地を塗る工程をした方がよっぽど手間もコストもかからなかったのに。でもまあ、隠れたは隠れたから良しとした(はい?)
漆喰のやっちまった!は実はまだ続く(それ見た事か)
改装から時を経て、しばらくしたら、柱に塗った漆喰が浮いてヒビが入っているのを発見。灰汁の時のように直ぐではなくて、まさかの時差攻撃を受けたのだ!
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改装当時、色はとりあえず保てた(?)ものの、暮らしていくうちに、石膏ボードに塗った漆喰は問題ないのだが、ベニヤ板やまさかの柱、木材等に塗りたくった漆喰はしばらくしたら中に空洞みたいになってる場所が出てきて(浮いている)下手に触るとポロっと剥がれてしまったり、なんてこったな状態に。
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正解はない。あるけどない。
改装から3年の年月を経て、漆喰を塗る場所によっては、灰汁だけでなく、吸着に関しても下地は必須だと実感。ひどく実感。
とはいえ、剥がれたら剥がれたで「また塗るか(下地もね)」もしくは「この機会に違う装飾にしてみるか」「なんなら古板や違う板を貼ってもいいし」と言った具合に、対応しているので、今のところそれほど困ってもいないから、まあ勝負は五分五分である(漆喰とのね)
これはこれで最終的には正解だったし。正解にした。
セルフビルドは反省と妥協とあきらめと「えいや!」の繰り返しだ。
もちろん創造の楽しみも必要。
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