【古民家リノベ㉑】40オンナ、大工さんの弟子になる。
思えば、伏線はたびたびあった。
まだまだ何からやっていいものか分からず、古民家の片づけをしながら家の前に納屋から出てきた、左官道具やら農作業道具を並べて呑気に遊んでいた頃(遊んでいた訳ではないが、まあ遊んでたか)
たまたま道に通りかかった、近所の大工さんが
「何してるのかと思って~」と言った感じで、見に来て
まだまだ使うかも分からない道具の説明をしてくれた。
またある時は、たまたま解体をしている時に、またしても
たまたま道を通りかかったその大工さんが
「何してるのかと思って~」と言った感じで見に来て
あらゆるところを無尽蔵に壊しつくしているところを見て
「これは大変だな・・・・」と連呼していった。
その後も、何かと大工さんはふらりと現れた。
たまたま、野菜を持ってきてくれたり
たまたま、うちの猫におやつを持ってきてくれたり
たまたま、回覧板を持ってきてくれたり
たまたま、ただ見に来ただけだったり
たまたま、見に来たり
たまたま、ガッツリ見に来たり・・・・
大工さんめっちゃ来る!!もう、たまたまレベルじゃない(笑)
だけど大工さんは遠慮してか必ず何かしら用事がある「てい」で現れる。
そうでない時もあるけど。
そして見に来るたびに、
「これは、大変だぞーーーー、いやーーー大変だぞ、、、、」と呪文のように呟いている。
その時は、大変大変て?まあ、大変だろうけれど、まるで自分の事のように気にしてくれているなあ、、、くらいに思った程度だった。
片づけが終わり、自力解体がほぼ終わり、正式に契約した大工さんの仕事が終わり、ついに私たちだけで「作る工程」に入った頃。
ついに「大工さん」は伏線を回収し始めた。
要するに、ついに見ていられなくなって、参加しだしたのだ。さりげなく、自然な成り行きで。
プロフェッショナル工具持参し、まっすぐ切るにはどうやって切るか、斜め切りはどうやって切るかなどの初歩的板の切り方から始まり、壁に板を貼る貼り方(下から貼っていく事も知らなかった我々だ)事細かに何度も何度も教えてくださった。
始めは、何気なくサンダルの軽装でフラリと来た大工さんも、次に来るときには現場ズック着用。何なら腰には大工七つ道具入れ(名称絶対違う)をぶら下げ、耳には鉛筆を指す「本気仕事バージョン」で現れた。
ちなみに、耳に鉛筆指すスタイルは現場あるある。これもちょっと趣味でDIYやってるくらいだと気が付かなかったが、いろいろ計ったりする事も多く、その時に必ずいるのが鉛筆。そして使った後そこら辺に置いておくとすぐになくなってしまうものリスト1位も鉛筆。
作業のたびに「鉛筆!鉛筆!」と探してるような時間が惜しい。
という訳で、耳。納得の耳の使い道。
道具の使い方から、耳の使い方まで教わった我々。(耳の事は特に聞いていない)ところで、大工さん、、、仕事は???といらぬ心配をしてしまうが(お前にされたくないわと言う心の声が聞こえるが:自分の)2020年はまさにコロナ禍真っ最中。現役バリバリとはいえ、大工仕事もやはり抑え気味になった年でもあった。
そんな頃、アタフタと「あわわ、、、、セルフビルドセルフビルド、、、、」と分けわからない横文字をただ使って右往左往している、我々を見かねて(なのかは分からないが(^_^;))本人曰く「遊びに」来てくれるようになったのだ。
板を大工さんに正確な長さに真っ直ぐに切ってもらい、ビス(釘)で止めていく。
貼りずらい、窓枠の場所や梁や柱が出ている場所、まっすぐでない場所はすかさず大工さんにヘルプミー!
台所の側の外壁なので換気扇を取りつける場所の細かい板の処置なんかもヘルプミー!
ついでに、猫の出入り口にしたい場所の口も難しいのでヘルプミー!
セルフビルドは虹の彼方へ・・・・
なんだったら、難しいところや高くて工具が使いにくい場所は大工さんがスイスイと仕上げて下さったので、むしろ私たちはお邪魔虫に。
ついに脚立まで持参し、本格的「現場感」満載。
近所の人たちもここまで来ると「やっとあそこの家改装してるんだね」感が出て来たはず(足掛け3年目)
そんなこんなで、雁木部分の壁がみるみる完成!!
大工さんに手伝ってもらい、、、、いやむしろ私たちが「手伝った」が正しすぎるが、お邪魔虫ながらも教えてもらいながら一緒に作業出来て、自分たちだけで「いいのかな?このやり方でいいのかな???」と不安いっぱいだった時期に比べると、異様な安心感&充実感。
ちょっとた大工さんの弟子(偽)になった我々。
いきなり特殊過ぎる状況、そして人が好過ぎる大工さんの登場、そして運がよすぎる我々、現場で遊びすぎる猫たち(関係ない)
誰のなんの参考にもならなそうな「特殊設定セルフビルド」が始まったのだった。いや、この際、セルフビルドと言う言い方は辞めようか。うん(;´・ω・)
【お・ま・け】
我が家の猫の一匹は、日ごろからご近所のこの大工さんの家に時々遊びに行ってはおやつを貰っていた(実は大工さんはお隣さん:お隣と言っても田舎なので道挟んで反対側の50mほど離れているが)
基本人見知りだが、大工さんには懐いていて、大工さんも猫が好きなので可愛がってくれている。だから家の改装にも興味を持ってくれたのか、、、、は分からないが、猫もちょっとしたキッカケを作ってくれたのは間違いなし。あまりに大工さんの家に通うので、ある日名前を聞いてきたくらい(笑)
さすがに呼びたくなるよねえ・・・・(=^・^=)