人間をやめたがる心
私は人間関係というものが苦手だ。
コミュ障とか、そういうことではないと思うのだけれど、誰かと急に気まずなくなって疎遠になることが昔からよくある。
小中の頃は、単なる思春期の恥ずかしいとか、嫉妬とか、そういうもんだろうと思って気にしていなかったけど、大学生にもなってまたこういうことが起こるなんて思っていなかった。
過去に覚えている記憶は、中学のとき。
学年でもトップ5には入るような秀才な男の子がいた。
その子は勉強ができることをしっかり自覚しているタイプで、ちょっとナルシストなところがあったため、周りの女の子からは好かれていなかった。
私は賢い男の子が好きだったし、そういうちょっとナルシストだけどたまに見せる優しいところが好きだったので、お気に入りの男の子だった。
だから同じ学級委員にも立候補して、委員会で2人で話す時間が私の楽しみだった。
なのにある日から急に、話しかけてくれなくなった。
振り返っていつもこっそり英単語の答えを教えてくれてたじゃないか。
委員会で一緒にポスターを仲良く描いたじゃないか。
漫画を貸す約束だって帰り道にしたじゃないか。
なんで?どうして?私、あなたのこと好きになりかけてたのに。
私から話しかけても、素っ気ない。
私、何かしたっけ…。
その後卒業式まで話しかけられることなく、その子はトップの進学校に進学し、私はThe平均の高校に進んだ。
私は結構この件で傷ついたので、これからは自分の言動には気をつけようと思ってビクビク生きてきた。もう人間関係でギグシャクしたくない。
そう思っていたら大学の女の子からも同じことが起こった。私は特にその子がお気に入りという訳ではなかったけれど、やっぱりさ、嫌いな人にさえも好かれたいから、傷ついた。
その子が他の友達に「大好き!」とかそういう言葉を投げかけるのを聞く度に、イライラした。
一体私が何をしたんだよ。教えてよ。分からないよ。こうしてつぶやくしか私にはできない。
私って、おかしいのかな。分からくなってきた。これだから人間は嫌なんだ。急に人を好きになったり嫌いになったり。なんなんだよ。みんな人間やめちまえよ。
でも私がカブトムシになったとしても同じこと起きてるかな。カブトムシの苦労がメスの争奪戦だとしたら、私たち人間の苦労は間違いなく、人間関係だな。
まあ、いちばんは気にしないこと。それは知ってる。相談してもしょうがない。答えは決まってるんだから。だからここでね。
ちなみに中学に男の子とは同窓会に再会して、「今どこにいるの?」だけ聞いておいた。深い話は、ビビリだからできなかった。
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