詩 いたずら

食べ終わった給食の食器を両手で持ちながら
机と机の間を、あいつは歩いてきた
別にあいつに恨みがあるわけではない
かと言って好んでいるわけでもない
ただ偶然同じクラスになったあいつ
あいつが近づいてくると
足を出したらどうなるだろうかと
そんな思いが湧き上がってきた
あいつに気づいていないフリをして
ちょうどあいつが横にきた時
スッと足を出した
想像していたわけではないけど
あいつは思った通り無防備にこけた
ごめん、大丈夫?と
わざとらしく声をかけ
大丈夫という返答を聞いて
僕の気持ちは満たされた

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