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【音楽バトン】待ってろよ世界!|音楽と文:内間輝|石垣島の奏で vol.10
お初にお目にかかります。内間輝(ひかる)と申します。
珍しい読みなのは私が生まれる29年前、出産直前に夫婦喧嘩を起こした両親が、漢字だけ決めていた候補の中から祖母に選ばせたのが原因です。愛する生産元への苦情はご遠慮願います。
前回の記事よりバトンをいただきました大道さんの妹さんと、2年前に結婚しまして、今年かわいいかわいい息子ちゃんも産まれ、幸せついでに腹囲も増し増しているところではございますが、私自身、振り返る機会として記事を書かせていただきます。
1995年、ビートたけしがバイク事故から復帰した年に石垣市新栄町に生まれました。
父は会社勤め、母は家業の刺身屋さんを手伝う共働き家庭の中で生まれた私は、兄弟3人の中でも一層頭が悪くも、明るく、前向きで、わかりやすい性格を持って育ちました。
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とはいえ音楽にあまり興味はなく、友達の話題に置いていかれないようにと、当時流行っていた湘南乃風の純恋歌を買ったことが私の初めてのCDでした。
中学に入り、自我とチ◯毛が芽生えたひかる少年は、2つ上の兄が嫌味なほど見せびらかしてきたギターに興味を持ちました。
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パワータイプ・テクニックタイプ・スピードタイプの
バランスの取れたきょうだい。
電気も通さずに掻き鳴らすエレキギターと、鏡の前で踊るようにポーズを決めながら弾く兄の背中を見て、音楽というものを知りました。
今でも思い出す当時の私の渦巻く感情は大きく3つありました。
(1)兄が弾くギターがうるさい。思春期が重なってイライラする。僕もギターを弾けたら、この音も楽しめるのかな。
(2)鼻持ちならない同級生がギターを弾ける自慢をしてきた。思春期が重なってイライラする。多分こいつより俺の方が上手いと思う。
(3)モテたい。思春期が重なってムラムラする。
1:2:7の割合で渦巻いたこの感情こそが、私が音楽を始めるスタートラインでした。
あの日から触り始めた父のフォークギター(今でも大事に弾いています)を見るたびに、ほとばしる熱いパトスを感じずにはいられません。
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今でも最高の音がします
ギターを弾き始めたひかる少年はやがて、自己が膨れ上がり、遂には人前に出たいと思い始めます。
忘れもしない2009年夏、米国初の黒人大統領バラク・オバマが誕生した年に、私は中学の発表会でバンド演奏をすることになります。
「何かしてみたい」「伝説を残したい」
その一心で私は、ライブ中にチ◯毛の歌を歌おうとしました。
※当時歌おうとした曲。平成初期メンの皆様〜見てる〜?
予選で惜しくも先生方より、「チ◯毛の歌を歌わなければライブに出してやる」という交渉をいただきました。
どうにかライブに出たかった私は当日、チ◯毛の歌を歌いませんでした。
誰の記憶にも残らない、つまらないライブが私の初舞台でした。
高校に入ると、さらに音楽に触れる機会が増えました。
中学にはなかった軽音楽部の存在、バンドをするのがかっこいいという風潮、前髪が斜めの先輩、モバゲーの「音楽好き集まれ!」というコミュニティ…
僕を取り巻く環境が音楽一色に変わったように感じ、ここでたくさんの音楽と出会いました。
ある日マイミクの先輩からアメリカ・シカゴのバンド「Fall out boy」を教えてもらってからが私の青春でした。
目まぐるしく変わるメロディ、歪んだギター、アルバムを出すごとに太ったり痩せたりするボーカル…
鼓膜にこびりつくあの音が、僕をスターに変えてくれたような感覚でした。
でも実際のところはイヤホンをしてウキウキチャリに乗る眉毛繋がりメガネ陰キャでした。
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この頃から今は無きTSUTAYAでCDを借りては聴き続ける日々、母親のTポイントカードはすごい速度で貯まっていきました。
TSUTAYAでの出会いで1番胸に残っているのは青森のバンド、「Mr.Freddie & the Mercury Devil」でした。
※めちゃくちゃ最高なんですがリリースが1枚しかなくて解散しちゃったのが残念です。
※ちなみにギターは「オリオン座の下で」で有名な「青森最後の詩人ひろやー」です。
大学に入り、自己は輪をかけて増長しました。
この頃にはモテたいという思いすら持ち合わせてはいませんでした。
中学から続けた音楽も、もはやモテないことがわかりました。
続けてきたことによりわかり始めてきました。モテるってかけ算だと思うんです。
普段かっこいい(モテ2)
×バンドしてる(モテ2)
=4
(=モテモテ)
ウキチャリ眉メ陰(-1 )
×バンドしてる(2)
=-2
(=ずっと机にキモい落書きしてるのにイベントになったら急にテンション高くギター弾くなこいつ、様子がおかしいぞ)
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確実にこれだという方程式を導き出した私は、もうモテることを諦めましたが、日に日に音楽は楽しくなる一方でした。
「もう誰に好かれなくてもいいから、好きなことしよう」と思った時には、もう誰にも好かれちゃいませんでした。
居直った私は「何が悪いんだ」というテンションで今まで僕を振ってきた女の子たちのことをガンガン曲にしていました。バンドマンの宿命ですよね。
さて、いつの間やら22歳、大学卒業後に就職した私は、思春期により膨れ上がった自己が社会に揉まれどんどん縮小しておりました。
バンドがしたいのに友達がいない、ウキチャリ眉メ陰はSNSで3つ前にコラムを寄稿されていたケンヤ・マルセイユさんと出会いました。
高校時代に一度だけライブで見たケンヤさんのCDがほしいというところでツイートしたところ、これまた高校時代の先生が繋げてくれました。大感謝。
CDを買いに行ったはずなのにいつの間にやらライブに出させてもらえることとなり、現在ではあの頃の憧れ「MIYARAZ」にも参加することができました!それもこれも全てツイッター(現X)のおかげです!やりィ!
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たくさんの方の後押しもあり、お陰様で地元石垣でも音楽をできるようになったひかる青年には人生で最大級の出会いが待っておりました。
それが山内ツル子 m.g.o. yoshitoo!さんとの出会いです。
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バチクソ根暗でお馴染みの私は毎晩酒を飲みながらギターを弾いたり時に泣いたりして過ごしておりましたが、「山内ツル子」というBARに足繁く通い始めます。
変わった名前の理由はオーナーyoshitoo!さん。(現在は山内ツル子 m.g.o. yoshitoo!で活動されています)の大切なおばあちゃんの名前です。愛です。
仕事は大変だし音楽したいし生きること難しいな〜と毎晩思春期して泥酔する私に、音楽好きならまずやりなよ!と声をかけてくれ、さらにそのお店で働かせてくれました。
当時の私は何でも斜に構えて、ひねくれた卑怯者、ちびまるこちゃんで言うところの永沢くんでした。そんな私へyoshitoo!さんがまっすぐにこっちを見つめて、愛が大事だと教えてくれました。
声に出すとちょっと恥ずかしいようなその真っ直ぐな言葉が、私にとって何よりも衝撃的で、まるで初めてQUEENを聴いた時のように脳みそに雷を落としました。
山内ツル子で働き始めた私は、毎晩のように新しく出会うお客さんと話すと、今までの自分の視野の狭さにいつも驚きました。
ほんと、月並みな言葉で申し訳ないですが、人の数だけ人生があり、生き方があるってことにようやく気付けました。
24歳にしてそのことにようやく気付いた私は、改めて自分のしたいことをしてみようと思い、仕事を辞め新たなスタートを切ってみました。
まずは、働かせてもらってるこのお店で生計を立てるぞ!音楽するんだ!と転職した矢先、コロナにより結構厳しくなっちゃいました(ここはもう笑っていくしかない)
※これめっちゃ大事なんですけど、笑いながら働けば大抵のことは乗り越えられます。
そうこうしている間にコロナも落ち着き、働き始めた2019年から駆け抜けて丸4年、2023年2月で山内ツル子は閉店しました。
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山内ツル子とyoshitoo!さんが繋いでくれた縁により、前回コラムを寄稿されていたD.D.さんの妹さんと結婚もしまして、今年の4月には長男も生まれました。
現在はなかなか音楽出来ていないのですが、今年中にはライブ復帰して、またたくさん曲作って、ライブに自分の親まで呼んで、盛り上がった人生を歩むぞ〜と画策しております。
思えば人に繋いでもらって音楽やらせてもらってます。
兄のギターから始まった音楽ライフはまだまだこれからも続きます。
これからも仕事バリバリして、自分のお店やって、大好きな人たちと音楽して、妻と子をハッピーにする弾き語りオヤジとして頑張るぞ!待ってろよ世界!これからもよろしく!ということで記事を終えさせていただきます。
長い自分語りを見てくれた我慢強い皆様、どうもありがとうございました。
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つなぐバトン
次回のバトンはオーストラリアにいる八重山高校の同級生、大盛光一へお渡し!
この記事を書いた人
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内間 輝(うちま ひかる)
1995年、新栄町生まれ。
好きなものはハイボールとガストロの焼肉。
嫌いなものは生野菜。
アホだし足も臭いけど前向きで明るい。
高過ぎる自己肯定感で失敗したことが何度もある。
アコギ→うちまひかる
バンド→島しちぶ で活動してます
お気軽に呼んでください。よろしくお願いします。
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