冬、お味噌を作ろう
年始、寒さを感じて思い出す。
毎年恒例の味噌仕込みの季節がやってきたことを。
あの、悪戦苦闘の記憶が蘇る。
私の、楽し苦しい味噌づくり。
今年で五年目の味噌づくり。
最初は、そのころ入っていた生協で、味噌づくりセットが売られていたことからきっかけで始まり、その手仕事が続いている。
「味噌って…作れるのか…‼」
未知との遭遇、ドキドキしながら作った。
手作り味噌って面白い。
原材料や作り方を自分で選べるから。
味噌の原材料は、豆・塩・麹。
豆を選ぶだけでも、いわゆる大豆、黒豆、青大豆、在来種の珍しい大豆、または別の豆(ひよこ豆とか)と豊かなバリエーションがある。
そしてその栽培方法を見ると、慣行農法、有機栽培、無農薬栽培、自然栽培など、またまた選び幅がある。
自分や家族が毎日食べたい味噌を作ることができる安心感と、探求意欲を掻き立てられるバリエーションを選ぶ楽しみとで、年明けの寒い季節は味噌仕込みが恒例となっている。
仕込む前日に美味しい水に豆を浸すと、次の日の朝は、ぷっくりふっくらと膨らんだ豆豆たちがボウルの中にひしめいている。
それを、煮るか蒸すかお好みのやり方で柔らかくなるまで加熱する。
しばらくすると、豆特有の甘い香りが漂ってくる。
柔らかさを確認、よし。十分に柔らかい。
ここまでは、気持ちよく作業が捗る。
ここから、いよいよ、自分との闘いが始まる。
毎年恒例、豆潰しを止めたくなる自分との闘い。
豆は熱いうちじゃないと簡単に潰れないことは、毎年の経験で自ずとわかってきた。
できるだけ、熱々の状態で大量の豆を潰したい。
厚手のビニール袋に入れて踏み踏みする方法は速そうだけど、熱でプラスチックが微量でも溶けるのが嫌なのだ。
何てったって手作り味噌、原材料をこだわったから、作り方までこだわりたい、私の凝り性。
毎年密かに豆潰しの新兵器を導入しては、あまり大変さが軽減されず、結局ひたすら潰す作業が続いていく。
一年目はビニール袋に入れて。
これは熱いからプラスチック溶けるだろう、と却下。
二年目は、ボウルと擂り粉木。
想像に難くなく、泣きながら途方もなく続く豆潰し。
三年目は、石でできたすり鉢みたいな石臼。通称クロックヒン。
石の安定感と重さを利用して、あっという間に作業が終わるかと思ったら、真冬の寒い台所で冷え冷えとした石臼は、豆の温度を一気に冷やす。
そして、石臼に入る量が少ない。これまたエンドレス豆潰し。
4年目は義母からの贈り物、フードプロセッサー。ここで文明の利器、現る。
できるだけ家電を増やしたくないと思っていたけど、贈り物なので有難く活用。
しかし、フープロも容量が入るわけではないので、一気に大量、とはいかず、なかなか作業が捗らない。
そして五年目の今年は、ブレンダー!
一昨年、お友達が豆潰しにそれを使っているのを見て、目からウロコが落ちて以来、豆潰しの救世主だと慕っていた存在。
いよいよ我が家にお迎えして、いざ!
ボウルに豆を入れて、これで一気に豆潰し♪とワクワクしていたら、鈍い音を立てて、歯が回らない…。
湯気を立てる大量の豆を目の前にして、一気に士気が下がる。
これ、無理やん…
急遽、石臼クロックヒンを取り出し、ひたすらひたすら豆潰し。
これはコジコジ鑑賞会だな、とYouTubeでコジコジを見ながら。
落胆と、諦めと、コジコジで少し楽しみながらの豆潰し。
また今年も、潰し終わった後はぐったりだったぜ…
潰したあとは、
塩きり麹と潰した豆を混ぜ合わせ、
まとまったら丸めて、
念願の久松さんのカメ(今年の新入りさん)に投げ込み、
上から味噌を押さえて平らにして、
味噌仕込みは終了した。
豆潰しと比べると、一瞬!
ミンサーを買おうか、毎年本気で悩むのがこの時期。
もしくは、杵と臼?餅つきできるやつ…
とりあえず、今年もお疲れさまでした。
私の暮らしを応援してくださると嬉しいです。私の心地よいと思う世界に繋がるように循環させていきます。