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読書感想文「三十の反撃」を読んで

本屋大賞が決まりましたね。さて、本屋大賞には翻訳小説部門があることをご存知ですか?日本語に訳された小説、いわゆる海外小説が当てはまります。

海外小説って登場人物や地名がカタカナで頭がごちゃごちゃになるから苦手なんだよな、っていうのもよく分かる!

そこで私はあえて、スポットライトの当たらない翻訳小説部門で1位となった作品の感想を書きたいと思いました。

今年の1位ようこそ、ヒュナム洞書店へは未読です。(絶対読むよ)ですので、2022年の一位だった三十の反撃の感想文の記事となります。


三十の反撃

タイトル:三十の反撃 
著者:ソン・ウォンピョン
訳:矢島暁子
出版社:祥伝社

著者について

ソン・ウォンピョンはソウル生まれ
•2020年 本屋大賞 翻訳小説部門アーモンド1位
•2023年 本屋大賞 翻訳小説部門プリズム 2位
本屋大賞で本作以外に2度も受賞しています。
ちなみにアーモンドもプリズムも素晴らしい作品。

あらすじ

30歳になったばかりの非正規社員のキム・ジヘ。ありきたりな自分の名前と平凡な人生にヘキヘキしている。いつかは大企業の正社員になりたい、と思っているのに行動が伴わない。ちょっと風変わりな同僚で同い年のギュオクと共に、社会へ小さな反撃をはじめることに。

あらすじをみたら、は、だから何?って言われそう。でも思わないで。本当によい小説だから。

未来のために自分に投資する主人公

主人公キム・ジヘは仕事のお給料の半分近くを、TOEIC塾に納めている。近い未来、大企業に正社員で入社するための自己投資。でも実際のところ、彼女は必死に勉強していない。

このままでいたくない、変わりたい、お金を稼ぎたいとか、願望は誰かしら持っているもの。私にもある。そんな想いを小説ではこう表現している。

塾は私にとって、一種の保険だった。私は今のままでとどまるつもりはないし、未来のために準備して、昨日の自分より良くなっていると思わせてくれる、心の保険。

三十の反撃より抜粋

心の保険という言葉にどきりとした。私も心の保険とやらにたくさんお金を使ってきた。
行動しているような、頑張っている気持ちにさせてくれる心の保険。

例えば、〇〇になるためのXXX術、毎月〇〇〇円稼ぐためのXXX法とか、買っただけで行動した気持ちになっていた。あれってまさしく私の心の保険だったと思う。

主人公のキム・ジヘや彼の同僚ギュオクの言葉にもいちいちドキリとさせられて、本は付箋だらけになりました!あ-引用してぜーんぶ教えたいぐらい。

もやもやしている時に読む小説かも

この小説はどんな時に読むのがおすすめ考えてみました。

30歳の女性が主人公だから、もちろん30代の女性にもおすすめ。でも自分の人生にもやもやしてる人なら、何歳でも楽しめると思います!

別の作品 アーモンドの読書感想文はブログに書いています。良かったら、のぞいてみてください。

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