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書店散歩のすすめ。

 書店を、歩くのが好きだ。
 特に何をするわけでもない。本を眺めて歩く。目的を持たなくてもいい。じっと本を見つめている。

 買うために書店に行くのではない。眺めるために行くのだ。では、本当に何も買わないのか、というとそうでもない。
 本を眺めている間、無意識の中に本の情報が蓄積される。そして、それらの情報がある沸点に到達した時、自身の中で「買うべき」本が、直感的に選択される。

 買いたいのではない。買わなければならないのだ。それが、今、自分が欲している本なのだ。
 意識の底にある、「求めている本」。それを見つける。そのためには書店の中をじっと歩き回る必要がある。本の森を散歩する必要があるのだ。
 もちろん、見つからない時だって当然ある。
 その時は、そういう日なのだ。何も気にせずに帰ればいい。次の機会をじっと待つ。
 自分の中で、何かしらの情念が発酵し、成熟する。それは自分でも知らない自分の感情なのだ。感情を育て、育てた感情をしっかりと掴みとる。
 
 書店散歩のすすめ。ぜひ、自分の知らない自分を見つけてほしい。
 

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