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テレビドラマ初回のみ“ふんわり”レビュー<2024年10月期>

※最終週は(〜10/27)は『民王R』『天狗の台所 Season2』『ウイングマン』『デスゲームで待ってる』を追加してフィニッシュ!
なぜか最終週は火曜放送ばかり(笑)
今クールは面白そうなドラマが多くてどれを観続けるか悩む!



前のクール2024夏ドラマはオリンピックなどでの中断等も多くてあまり最後まで完走したドラマがありませんでした…
その代わり過去の名作ドラマをたくさん観返して過去の名作ドラマランキング30を作成!(まだ途中だけど)
ドラマ好きの人も、そうでない人もひとつくらいは刺さる作品があるのではと思うのでよろしければ↓

ということで今クールもゆるーく個人的視点で1話だけをレビュー。
軽い気持ちお付き合いいただければ。
深夜ドラマに関しては明らかに自分がターゲットとされていないドラマが散見されるので、今年からプライム帯を中心にしております。
深夜帯も面白そうな作品は引き続き観たいと思います!

星の評価は
<★★★>次回楽しみ!
<★★☆>次回も観る!
<★☆☆>次回もまー観るかも!
<☆☆☆>次回以降観ない!
くらいの感じです。
ほぼ直接的なネタバレはないと思うのですが、
未見の方は念の為お気をつけください!

※TVerで観ているのでTVerにはないNHKやWOWOWプライム等のドラマは基本除外してます。
リンク先のTVer等は期限切れで見れなくなっている可能性もありますのでご了承ください。

※TVerリンクで画像が表示されない仕様になったので画像がそのままリンクになるようにしました。
画像をクリックするとTVerに飛びます。


【月曜日】

[プライム帯]

<☆☆☆>『モンスター』

『ゆりあ先生の赤い糸』 『A LIFE〜愛しき人〜』橋部敦子がメイン脚本、『罠の戦争』三宅喜重がメイン演出を務めるオリジナルのリーガルエンターテインメント。
今クール、ドラマのカンテレが誇る月10枠はこの橋部×三宅の僕シリーズ3部作のコンビに!
あまりに敷居が高くなりつつあるリーガルモノ。
個人的には正直良いところがほぼ見当たらなかった…
これはこのドラマだけの問題ではないのだけど、最近あまりに同じようなプロットの話が多すぎる。
「勝つためなら倫理観が壊れている主役の弁護士」「法廷での挑発的な態度を繰り返す」「意味もわからず謎の仕事させられるパートナー弁護士」「黒をも白にする」って…長谷川博己が主演ですか?
他にも「大学に行かずに司法試験合格」とか「謎の協力者ハッカー」とか、ほとんどが既視感ある設定ばかり。
「そんなにたまたま清掃のバイト募集してる?」とか「全然物的証拠がないことばかりじゃない?」とかコメディならいいんだけど、シリアス系のドラマにしては穴が多すぎる。
あと細かいところでコメディに逃げようとしていて、それが全然笑えないのも致命的。
ラストの引っくり返すような演出も、わかりやすいくらいに伏線をしつこく張っていたので驚くようなものではなかったのでは…
主演の趣里も悪くないんだけど、2クール前に本当に同じような役でとんでもない怪演をした長谷川博己の印象がまだまだ残っているから、どうしてもそこと比べてしまうと弱い。
企画自体はおそらくもっと前から始まっていたと思うので不運といえば不運だけど…
とりあえずもうリーガルモノは目新しい設定思いつくまで止めましょう!


<★★☆>『嘘解きレトリック』

都戸利津の同名コミックスが原作、『ガリレオ』シリーズ西谷弘がメイン演出、鈴木吉弘がプロデュースを務めるレトロ・ミステリー。
今クールの月9はミステリー!
レトロ・ミステリーということで昭和初期が舞台。
最近「日本のテレビキー局4局のコンテンツ製作費を合計してもNetflixの5分の1程度にしか満たない」というニュースになってましたが、今作でもその影響がモロに出てました。
こんなにも「あぁセットだなぁ」とドラマを観ながら思ったのも久しぶりなくらいセット感が強い。
まぁ昭和初期の街並みなのでセットにするしかないのですが、もう少しやり方があったんじゃないかと…
衣装とかもまぁ色々と…
NetflixとかDisney +とかで作ってたらまた違ったんだろうなと考えてしまった。
内容自体は1話完結+縦軸を追うストーリーで、本格派ミステリーというよりはヒューマンドラマに近い雰囲気。
「推理能力で嘘を見抜く男」と「特殊能力で嘘を見抜く女」を対比にしたバディは面白い!
程よくコメディもあり、ミステリー要素やヒューマンドラマ要素とのバランスも悪くない。
鈴鹿央士の軽薄な感じも、松本穂香の垢抜けない雰囲気も非常にマッチしていて良いキャスティング。
他には最初だけの登場だった若村麻由美の熱演にびっくりしてしまった。
そしてまたもや杉本哲太登場!
既に『スノードロップの初恋』に出演していて、多分『相棒』にも出てきます(笑)
謎解き界隈のチート能力である「嘘を見抜く能力」は古今東西いろいろなミステリー作品に出てくるので、既存の作品とどう差別化できるかが鍵になりそうです。
期待感あります!


[深夜帯]

<★★☆>『Qrosの女 スクープという名の狂気』

誉田哲也の小説『Qrosの女』が原作、『うちの弁護士は手がかかる』服部隆が脚本、『先生のおとりよせ』守屋健太郎がメイン演出を務めるゴシップエンターテインメント。
いきなりホテルのチェックイン時にクローク(スタッフ)が大声で客の部屋番号を読み上げるという意味不明な描写が出てきて「ん?」となったが、その後は順調に進んで行って一安心。
というかテンポ感がとても速くてあっという間に終わった。
とりあえず1話完結+“Qrosの女”とは何者なのかを縦軸に、「スクープとはいかにして撮られるのか」という裏側を見せていくストーリーで、普段あまり触れることのない内容なので興味深い。
さらに主人公の桐谷健太がたくさん意味不明な行動をとることを伏線にして、後からその行動にはどういう意味があったのかを見せていく。
ミステリーとかサスペンスで良く使われる手法で、これもまた興味を沸かせる要因になっている。
非常に面白いのだが、キャストで桐谷健太の相棒役の影山拓也(IMP.)の演技が重要な役どころだけに少し気になる…
ゴシップというテーマ的なモノとの相性もあってか、異常にアイドルとかインフルエンサーみたいな、演技を専門としない方々が出ているのでそこが今後どうなるか。
まぁしかしゴシップ紙の編集長役の岡部たかしは水を得た魚のように生き生きしていて、また無双を見せてくれそうな予感!


【火曜日】

[プライム帯]

<★★☆>『民王R』

前作から8年ぶりの続編。
しかし池井戸潤の原作だった前回から、今回は原作者に了承を得たオリジナルストーリー。
原作には『民王 シベリアの陰謀』という続編があるが、そちらの実写化ではなくオリジナルを選択。
脚本家も西荻弓絵からアニメ脚本で有名な加藤陽一ら複数名に、演出も木村ひさし本橋圭太から『こっち向いてよ向井くん』草野翔吾ら複数名へと変更に。
キャストも遠藤憲一の他、金田明夫/岸部一徳/峯村リエ/山内圭哉など一部のみ続投。
結果から言うと物語自体は面白いけど、前作からのファンにとってはパワーダウンかなと。
やはり物語の核だった息子の菅田将暉と秘書の高橋一生が抜けたのは大きい。
2人ともキャスティングするの大変だろうから仕方がないのか…
ゲスト出演とナレーションだけでも嬉しいけども。
そしてその2人の代わりが大橋和也あのでは流石に荷が重い…
あのちゃんは演技してる感が強すぎるし、大橋くんはバラエティに出てる時と変わらなすぎる。
遠藤憲一、金田明夫、山内圭哉あたりの老練な方々と一緒に出てると余計に目立ってしまう…
ストーリー的には現政権への大いなる批判をこの時期に放送できるのは最高のタイミング!
そして今回は国民全員が対象で毎週違う人と入れ替わるということで、全く先が読めない展開。
2話以降、身内以外と入れ替わるのはとんでもないことになりそうな予感。
もはや『民王』なのかはよくわからないけど、物語としては面白そうなので今後に期待!


<★★☆>『あのクズを殴ってやりたいんだ』

『リコカツ』 『嗤う淑女』泉澤陽子がメイン脚本、『Eye Love You』岡本伸吾がメイン演出を務めるオリジナルのボクシングラブコメディ。
音楽は最近の名作にこの人たちありのfox capture plan
TBSのラブストーリー枠である火10の今クールは奈緒&玉森裕太でボクシング!
さすがに連ドラの短い準備期間で奈緒にボクサー役は無理があるだろうと思ったんだけど、初回はタイトル通り「クズ男を殴るためにボクシングジムに通う」という内容だったので問題なかった。
しかし奈緒は本当にあらゆる役ができるなぁと感心してしまう。
シンプルなラブコメじゃなくて、最低男を殴る復讐劇的な要素もあるので、そういうのを求めていない人には合わないかなと。
途中、物理学で大学院まで行ったと話していた主人公がゲームセンターで物理を応用するシーンがあり、たぶんボクシングにもこの物理学要素が絡んでくると思う。
あとは家族の要素も入ってきてホームドラマ的な雰囲気にもなりそう。
このへんは完全なる私の予想ですが。
プロットが面白いので「ただのシンプルなラブストーリーには飽きたよ」という人にはちょうど良い感じがする。
ただ気になるのは最初に書いた通り、今後ボクシングのシーンが多くなってきた時にどのくらいのクオリティを保てるのか?
今クールはラブコメやラブストーリーはほぼ皆無で、貴重な存在になりそうなので期待!


<☆☆☆>『オクラ~迷宮入り事件捜査~』

『マルス-ゼロの革命-』 『3年A組-今から皆さんは、人質です-』武藤将吾が脚本、SPドラマ『高額当選しちゃいました』柳沢凌介がメイン演出を務めるオリジナルのヒューマンミステリーエンターテインメント。
フジテレビ火9枠が9年ぶりに復活した最初のドラマ。
「特命」「刑事の墓場」みたいなキーワードを放り込んで、杉下右京に反旗を翻す刑事役の反町隆史までは楽しくみていられた。
でも未解決事件を扱う特別な部署も、主人公がやらかして窓際に送られてくるのも、離婚した妻が同じ警察内にいて助けてくれるのも、嫌味だけど実は良いやつというエリート中村俊介も、全て既視感しかない。
不法に入手した証拠に証拠能力が無いのは、多少でも刑事ドラマ見てたら素人でも知ってと思う。
現代日本という法治国家が舞台なのに、犯罪者になら何をしても良いという無法者が主人公で、しかも何の処分もされないことに違和感。
『相棒』の良いところって違法な形で捜査をすると、何かしらの処分を受ける。(例外的に受けない場合もあるけど)
だからこそフィクションだけどそこに“重さ”が乗る。
でも今作にはそれがない。
武藤将吾お得意の学園モノなら「未成年だから」で多少ファンタジーに誤魔化せるけど、刑事モノでそれは難しい。
最後にひっくり返すのも武藤将吾の得意技だけど、今回はかなり読めていて不発!
パロディとかメタ的なシーンが多いのも何か逃げている雰囲気がして、あまり面白くない。
反町さん、この内容で『相棒』に勝負を挑むのは無謀では…


[深夜帯]

<★★★>『天狗の台所 Season2』

続編モノなので基本的には前のシーズンを観ていないと厳しい…
と思ったのだが、なんと初めにシーズン1の振り返りをけっこうな時間を使ってやってくれていたのでそれで大体はわかるかも。
ちなみにBS-TBS・BS-TBS4Kの火曜ドラマ9枠。
前のシーズンから変わらず美しい風景と、瑞々しい食材、そして美味しそうな料理の素晴らしいハーモニー。
過不足ない演出で私たちを30分間、別の世界へ連れて行ってくれる。
特に好きなポイントが“音”の使い方。
昨今のドラマ(特に深夜)余計なナレーションや心の声が多いが、今作にはそれがほとんどない。
料理中だけでなく野菜を収穫している時や、歩いている時でさえ生活音を基調としてなるべく自然な音を聴かせるように考え尽くされている。
音楽を担当しているVaVa、そしてその音の中に融合してくる主題歌の折坂悠太と素晴らしい仕事をしています!
前シーズンでは“天狗”というキーワードを使って「自分とは何者なのか?」というテーマを描いていたが、今シーズンは「お金を稼ぐこと、お金の意味とは?」というテーマになりそう。
原作は読んでいないのだが、どうやら原作からは外れるお話みたい。
でも現代社会の大きな要素であるテーマなのでこれはこれで期待できるかな。
『無能の鷹』とダブルヘッダーだからか、塩野瑛久があまり出て来なそうな雰囲気なのが残念だけど。
今シーズンもまた天狗と美味しそうな料理に癒されたいと思います!


<★★☆>『ウイングマン』

桂正和の同名コミックスが原作、『真相は耳の中』山田能龍がメイン脚本、数々の特撮を作ってきた坂本浩一が演出を務めるヒーロー作品。
テレ東とDMMTVの共作で、原作の桂正和は総監修的な役割も務めたとのこと。
まさかの深夜ドラマで特撮ヒーローモノ!
しかも40年の時を超えてウイングマンの実写化!
最近、特撮って観てないけどそういえばこんな感じだったよなぁという感覚。
ノートに描いた設定によってヒーローになってしまうプロットは面白い。
長年に渡り特撮を撮り続けてきた坂本浩一が演出でスーツアクターもきちんと使っているので、戦闘シーンは良い。
大塚明夫関智一など声優陣も異常に豪華!
異次元世界の描き方とか、不良役の人明らかに高校生に見えないよーとか粗を探せばあるけど、そこまで気になるほどではないかな。
ただ初回がかなり中途半端なところで終わってしまったので、ちょっと評価しづらい。
あとこの深夜にこの内容のドラマを誰が観るのかは疑問。
原作はけっこうセクシーな描写があったのでこの深夜枠(&配信)に持ってきたのかと思ったのだけど、1話の感じだと正統派の特撮というイメージだったから、それなら朝とかにやった方がよかったのでは…
まぁわからない部分が多いので今後次第。


<☆☆☆>『その着せ替え人形は恋をする』

福田晋一の同名コミックスが原作、『瓜を破る〜一線を越えた、その先には』おかざきさとこがメイン脚本、映画『ハニーレモンソーダ』神徳幸治がメイン演出を務めるラブコメ。
累計1,100万部超えの超人気漫画の実写化。
もう最近炎上しまくっているのであまり言いたくないのですが…
私は原作を観たことはあるけどコアなファンではない。
そんな私から見てもこれは酷いので、ファンはそりゃ怒るよなという…
まずストーリー自体は当然おもしろい!
ただ原作はもっとコメディ描写が多いかな。
そして原作で大切にされているであろう部分がかなりおざなりにされているなぁと感じた。
あと「出演者は悪くないのに」的な意見も見ますが、主人公の演技もなかなかよろしくないと思います。
そもそも内容的に地上波で実写化するのはかなりハードル高いのはわかっていたはず。
とても人気のある作品だし、中途半端なことになったら燃えるって気づかなかったのだろうか…
今作に限らずですが、原作を扱うならその作品の大切な部分はリスペクトしましょう。
できないなら実写化なんて止めましょう。
2024年にみんなそのことを学んだはず。
とりあえず着せ恋はアニメがあるのでアニメ観ましょう!


<★★★>『スノードロップの初恋』

『雪女と蟹を食う』 『御社の乱れ正します!』まなべゆきこがメイン脚本、『わたしのお嫁くん』紙谷楓がメイン演出を務めるオリジナルのラブストーリー。
ある日モンベル着て死神と名乗る男がやってきて「グラタン食べたい」と言ってくるお話。
と書いていても全く意味不明なのですが、ファンタジー系のラブストーリー。
この死神と名乗る男にはデスノート系の特殊能力があってそれが物語に深く関わってくるという、ちゃんとファンタジー設定を活かした内容。
期待の若手・宮世琉弥&小野花梨が主演。
この2人の安定感が抜群で安心していていられる。
脇も今回は警察上層部じゃない杉本哲太猫背椿森田甘路など非常に厚いキャスティング。
深夜にしてはというと失礼だけど、非常に全体のクオリティが高く、ラストにフックもあって次回以降への期待も高い。
初回はほぼ完璧だったけどこれラブストーリーなんですよね…
ラブストーリー要素ほほぼ無い状態で完成されていたので、ここからラブ要素が加わってどうなるのかなー?


<★★☆>『3年C組は不倫してます。』

『グッド・ドクター』などのプロデューサーである藤野良太が企画、彼のコンテンツ会社storyboardの脚本家チーム伊藤忍&中村允俊&木江恭が脚本、『君となら恋をしてみても』松本花奈が演出を務めるオリジナルの学園不倫サスペンス。
「18歳成人の制度により親の同意なく高校生で結婚できる時代」の新しい不倫ドラマ。
しかもサスペンス仕立て。
さすがstoryboardという魅力的な企画。
30分枠なので初回ではあまりお話が進まず評価しづらいところではあるけど、過激なシーンや今後に繋がるクリフハンガーなど期待感は高い。
そしてなんといっても不倫ドラマのスペシャリスト・竹財輝之助が降臨!
あと前クールの最強不倫ドラマ『夫の家庭を壊すまで』で竹財さんと共演していた田中美久とも再共演。
さらにこの人は出てきただけで怪しい矢柴俊博や何かと話題になりがちの森香澄など要素盛りすぎです。
ただ1番気になったのは教師役の細田善彦があまりにムキムキすぎて話が入ってこない…
田中美久が主演のスピンオフではさらに過激なシーンもあるということで話題には事欠かないドラマになりそうです。


【水曜日】

[プライム帯]

<★★☆>『相棒』

続編モノなので基本的には前からのシーズンを観ていないと厳しい。
現役ドラマでは2番目に長い23シーズン目を迎えるテレ朝の巨大シリーズ!(No.1はもちろん24シーズンを誇る『科捜研の女』
今回はSPだけど時間が短かったので薄々感じていたのですが、1話完結ではなく次回に続くお話でした。
ついに配信限定のsideA/sideBで登場した人物が本編にも登場。
これはいよいよな雰囲気はします…
そして加藤清史郎が再登場!
加藤清史郎はシーズン11『BIRTHDAY』とシーズン16『少年A』で別の役で出演したいたのだけど、今回はシーズン16の役からの続きという設定。
しかも警察官になっていた!
劇中で亀山くん(寺脇康文)が言っていた「長くやっていると…」という言葉は私たち視聴者に向けられているようで、今後も過去のいろいろな出演者のカムバックは続きそう。
ぜひ初期亀山時代のゲストに再登場して欲しい。
あと気になったのはかなり初期から“トリオ・ザ・捜一”として出演していた芹沢さん(山中崇史)に退場フラグが…
ついに今シーズンで伊丹さん(川原和久)1人になってしまうのか注目。
内容的にはまぁいつも通り。
皆様もうここまで来たら幕引きまで付き合うよという感じじゃないでしょうか。
しかし日テレで2代目相棒は刑事、フジテレビで4代目相棒も刑事、実の娘は弁護士と今クールの水谷豊包囲網がすごい(笑)


<★★★>『全領域異常解決室』

『グレイトギフト』 映画『キングダム』シリーズ黒岩勉が脚本、『院内警察』石川淳一が演出を務めるオリジナルの本格ミステリードラマ。
連続ドラマで脚本も演出も1人で務めるのはなかなか珍しい。
個人的に今クールここまでで1番評価が難しいドラマ。
今回はミステリーなんだけど超常現象のお話です。
オカルトを扱った少年ジャンプ+の超人気コミックス『ダンダダン』がアニメ化されて話題を呼んでるけど、オカルトブームなのかな?
近年のドラマでは准教授・高槻彰良の推察怪異(超常現象)と超能力(絶対記憶能力と他人の嘘を見抜く能力)を巧みに組み合わせて面白かった!
フォーマットは1話完結+縦軸となるストーリーというミステリー/サスペンスモノではお決まりの形。
初回の「服や致死量の本人の血が残されているが死体だけが無い」という事件はシャーロック アントールドストーリーズで同じトリックがあったような…
「大和朝廷時代から存在する超常現象専門の機関」とか「光る人形UMA」とか「蛭児(ヒルコ)」だの「シャドーマン」だの、未知なるものへのワクワクが多いのは良い。
天才の雰囲気出しまくりの藤原竜也と小物感溢れる広瀬アリスは素晴らしい配役。
レギュラーの小日向文世/ユースケ・サンタマリア/成海璃子に加え、初回ゲストも吉村界人志田未来とかなり脇が固い印象。
キャスティングに力入れてるなぁ。
そして何と言っても出てきただけで怪しい3人衆の1人・迫田孝也がでてますからね!
とにかく怪しい奴が多いのもミステリーとしては良い。
私的にはもっと超常現象とかオカルトみたいな要素を全面に出して欲しかったのだけど、プライム帯のドラマとしてはこのくらいのバランスの方が良かったのかなとも思う。
不安なところもあるけど、そこは数々の謎と驚きを私たちに提供してきてくれた黒岩勉脚本なので期待感も込めて!
あと途中Sky株式会社とのコラボCMで藤原竜也が出てきた時が面白すぎた(笑)


[深夜帯]


【木曜日】

[プライム帯]

<★★☆>『わたしの宝物』

『あなたがしてくれなくても』のチームである市川貴幸が脚本、三橋利行がメイン演出、三竿玲子がプロデューサーを務めるオリジナルの大人の恋愛ドラマ。
普段私たちが見慣れている役とは逆の「献身的な松本若菜」×「ヤバイ奴な田中圭」という組み合わせ。
構図的には面白いけどやはり田中圭は良い人が滲み出すぎていて、ヤバイ奴にはあまり見えない。
そしてキャスティングでいうと松本若菜と同世代(2歳年下)の深澤辰哉は無理がある。
というかオリジナルなんだからもっと柔軟にできないのだろうか…
現状では物語的にも2つ年下である必要性は無いので、どうしてもこのキャスティングにしたかったのなら幼馴染とかで良かったような気がする。
内容的では私が松本若菜なら絶対別れるなと開始10分くらいで思う状況だったのだけど、周囲の人と話していたらけっこう共感を呼んでいた。
今の現実はこれらしい…
初回が前クール『顔に泥を塗る』と同じような展開なのだが、向こうが過剰で煽るようなジェットコースター演出が多かったのに対して、今作は細かいところまで丁寧に描かれている。
昨今の不倫ドラマと比べると刺激が足りないかもしれない。
ただラストに衝撃展開が待っていて、結局松本若菜は…みたいな楽しみが多そうな終わり方だった。
そもそも『あなたがしてくれなくても』もバンバン展開していくよいうよりは、じっとり・ねっとり系のドラマだったのでその路線なのかな。
私はどちらかというと不倫モノはバンバン展開して無茶苦茶やるのが好きなので、そこまで期待感は無いのだけど、お話自体は面白そうです。
そっち系が好きな人は大好きだと思います!


<★★☆>『ザ・トラベルナース』

続編モノなので基本的には前のシーズンを観ていないと厳しい。
今度の劇場版でラストを飾る『ドクターX〜外科医・大門未知子〜』に次ぐシリーズとしてテレ朝が画策している医療モノ。
脚本はもちろん同じ中園ミホ、ナレーターは遠藤憲一
「さすらいのナース」という謎の言葉が飛び交うオープニング。
ナースと言ってもNPという多少医療行為ができる看護師のお話。
前シーズンの「天乃総合メディカルセンター」から「西東京総合病院」に舞台を移すも、寺島しのぶ/安達祐実/野呂佳代がなぜかいる。
さらに寮母だった池谷のぶえはおにぎり屋に、事務長だった浅田美代子は「神原名医紹介所」ならぬ看護師紹介所を立ち上げるという怒涛の展開(笑)
そして1番驚いたのは刑事役ではなく汚職院長役の内藤剛志
中井貴一岡田将生の掛け合いはさらに磨きがかかっていて、2人の会話シーンだけで面白い。
特に間の取り方や表情管理など岡田将生の進化が止まらない。
ただこのシリーズの問題点は主役がナースである必要がないこと。
いくらNPとはいえナースがオペ室で医師に指示まで出すならもう主役は医師でいいじゃんという…
もっとナースじゃなければいけない仕掛けが欲しいところ。
ただ『ドクターX』と被らないようにしているだけとしか思えない…
とはいえ1話完結でかなりわかりやすい設定は継続みたいなのでサラッと楽しめそう。


[深夜帯]

<★☆☆>『デスゲームで待ってる』

劇団ヨーロッパ企画上田誠が原案、同じくヨーロッパ企画の諏訪雅が脚本、『焼いてるふたり~交際0日 結婚から恋をはじめよう~』北川瞳がメイン演出を務めるオリジナルの復讐劇。
ヨーロッパ企画(上田誠)が関わっているドラマはあまり良い印象がないのだけど今作も…
30分枠ということもあるけど、全体的に展開が遅くて1話でデスゲームのルール説明にいかないのはかなり致命的。
メインキャストと思われる半分もまだ出演無し。
これで2話も観たいと思う人がどれくらいいるのだろう…
20代一人暮らしの郵便受けに牛乳が届けられていたり、誤解してしまったからと若い女性が男性をカフェに誘ったりと、地味に「あり得ないだろ」という描写が多数。
ヨーロッパ企画なので芸人とアイドルがもりもりだったり、ラジオスター・三四郎がラジオパーソナリティーとして登場したり、かなりニッチな所を狙ってるのかな?
「構成作家の考えた罰ゲーム案がデスゲームになってしまう」という企画自体はおもしろいと思うのだけど…
ヨーロッパ企画は舞台とか映画だと面白いのに、ドラマになるとなんでこんなにダメなのか疑問。
もう少し全体的に時間をかけて準備できる企画の方が合っているのかなぁと思う。


<★★☆>『つづ井さん』

つづ井のエッセイコミック『まるごと 腐女子のつづ井さん』 『裸一貫! つづ井さん』が原作、『その「おこだわり」、私にもくれよ!!』竹村武司が脚本、『墜落JKと廃人教師』シリーズ高橋名月がメイン演出を務めるドラマ。
オタクの日常を30分の中で2話づつ描く。
わかる人にはわかるけど、わからない人には一生わからない世界。
部屋で2人である話でめっちゃ盛り上がっている後ろで、普通に別の友達が漫画読んでるとかリアル。
急にカメラ目線になったり、風呂キャンセル界隈の話が出たりと面白すぎる。
夜に友達と相撲取り始めるんだけど1階に住んでるの?という(笑)
すごく良いんだけどたまに出る謎の方言だけ凄く気になってしまう…
原作でそうなのかな?
何も考えずに30分ゆるーく観れるドラマも最近あまりないので、そんな気分の人にはおすすめです!


<★★☆>『オクトー ~感情捜査官 心野朱梨~Season2』

続編モノなので基本的には前からのシーズンを観ていないと厳しい。
“プルチックの感情の輪”を元に感情が色として見える刑事の物語。
この「他人の感情が色として見える」という特殊能力が、犯人と対峙する時に非常に大きな要素を秘めるというフォーマット自体は相変わらず面白い!
神奈川県警から警視庁に異動したり、いきなり床に大量の絵が並べられていたりと不自然なところは確かにある。
ただ感情が色として見える能力の新展開や、シーズン1で奇跡の復活を果たした飯豊まりえの姉役・松井玲奈の不審な行動など今後に繋がるフックも多数用意されていて期待感は高い!
新しいキャストも雑魚キャラ感がしっくりきている影山優佳や出てきたら絶対何かある浜野謙太などなど良い。
しかしやはりシーズン1から観ていないとわからないことがたくさんあるので、鑑賞のハードルは若干高いかも。
観たい人はぜひシーズン1を予習してからどうぞ!


【金曜日】

[プライム帯]

<★☆☆>『D&D 〜医者と刑事の捜査線〜』

『刑事7人』シリーズ 映画『デスノート Light up the NEW world』真野勝成がメイン脚本、『ボクの殺意が恋をした』星野和成がメイン演出を務めるオリジナルのヒューマンミステリードラマ。
2023年4月にリニューアルされた金曜20時のドラマ8が数字・評判ともに振るわず、わずか1年半で21時に時間変更となりドラマ9に。
これでキー局地上波から20時台のドラマ枠が消滅。
意外とありそうでなかった、日本のドラマ界の2大ジャンルである医療モノ×刑事モノという組み合わせ。
とりあえず院長代理になってすぐにMERしたり、アンナチュラルしたり大忙しの藤木直人
『ナースのお仕事』とか『ドクターX』とか何かと医師のイメージがある藤木直人と『京都地検の女』『駐在刑事』など刑事といえばの寺島進というコンビの安定感はある。
筒井道隆/大塚寧々/伊藤修子など脇も固い。
1話完結で特に縦軸的な要素もなさそうで気軽に観れるイメージもある。
ただ中途半端感は否めない。
医療モノや刑事モノは人気ジャンルでたくさんのドラマが作られていて視聴者の目も慣れているので、ただでさえ特色を出すのは難しい。
その中で60分に2つの要素を入れつつ、このドラマにしか無い“色”を出すのはほぼ不可能に近い。
個人的に上記に出した『TOKYO MER〜走る緊急救命室〜』や『アンナチュラル』はそのジャンルの中ではトップクオリティの作品だと思っているけど、それはやはり「救命救急」や「法医学」というジャンルを突き詰めたから。
人気ジャンルを掛け合わせるアイデアは面白いけど、そこからもう一つ踏み込んだ仕掛けが欲しかった。
非常にもったいない。


<★★★>『ライオンの隠れ家』

『おっさんずラブ』シリーズ 『六本木クラス』徳尾浩司がメイン脚本、『さよならマエストロ~父と私のアパッシオナート~』坪井敏雄がメイン演出を務めるオリジナルのヒューマンサスペンス。
茨城の市役所に勤めていてとにかく優しい柳楽優弥自閉スペクトラム症坂東龍汰という兄弟、そこに突然現れる「ライオン」と名乗る子供(佐藤大空)という3人の物語。
変化に対応するのが苦手な自閉スペクトラムの弟との生活を壊したくないと思っている反面、何も変わらない日常に疑問を持つ主人公。
勝手に家に上がり込んできた子供に主導権を握られてしまうほどお人好し。
ただこの子供には理由があって、助けてあげたい想いと弟を守りたいと思う両面の気持ちが交差する。
しかもこの子供が実は他人ではないのではと気づいて…
という流れだけでもう面白そう!
ルールを崩されるのが苦手な自閉スペクトラムの青年を演じる坂東龍汰と、ある秘密を抱えながらやんちゃに家庭をかき乱す佐藤大空の化学反応がどうなるのか楽しみ。
一方、山梨サイドでも刑事の柿澤勇人や記者の桜井ユキ、建設会社社長の向井理が入り乱れる展開が。
こちらサイドがサスペンス要素に大きく絡んできそうで注目です。
さらに初回はほぼ出番がなかった岡山天音尾野真千子入山法子が控えているということで期待!
今クール前半戦では最も覇権ドラマに近い作品ではないかなぁ。
ただ徳尾浩司脚本は最後にわちゃーとなってしまうことが多いので、それが上手くまとまることを願う!


[深夜帯]

<★☆☆>『無能の鷹』

はんざき朝未の同名コミックスが原作、連続テレビ小説『おむすび』根本ノンジが脚本、『トリリオンゲーム』村尾嘉昭がメイン演出を務める脱力系お仕事コメディ。
私は原作のファンなので多少辛くはなってしまうかもしれないけど、この「なんか違うな」感は一体何なのだろうか…
まず菜々緒(鷹野)と塩野瑛久(鶸田)が入社2年目には流石に見えない問題は一旦置いておいて、2人の掛け合い(というか鷹野のボケと鶸田のツッコミ)が良さなのにそれが物足りない。
あと鷹野の発言に営業先や取引先の人々がことごとく勘違いをしていくのも弱い。
もっともっと相手がわけわかないことになるくらい勘違いしてカオスになりそうなところを、鶸田がフォローしてうまくいくという流れが欲しい。
お仕事モノとしての要素もあるけどそれもなんか薄い気がする。
そもそも漫画で1話とか2話で完結するひとつのお話を60分枠でやるのにも無理がある気がする。
無理やり話を広げて脱力系が売りなのに妙に振りかぶりすぎている感じがしてしまい、この物語の良さを消してしまっているような…
30分枠にするか、この枠でやりたいなら1回の中で2話入れる構成にするくらいの自由さが必要だった気がする。
ただ原作観て無い人は意外とすんなり受け入れられたかも。
そのくらいこのドラマ単体で見ると決して悪い出来ではなかったと思う。
井浦新がいるのでふと実は犯人なんじゃないかとか勝手に想像したり…
そういうお話じゃないんだけど(笑)


<★★★>『それぞれの孤独のグルメ』

もはや説明不要の大人気グルメドラマ!
今回はいつもと趣向を変えて、井の頭五郎(松重豊)以外にもエピソードごとにゲスト主人公を迎えるオムニバス形式。
シーズンモノだけどほぼ完全な1話完結なので今まで観たことなくても大丈夫。
初回は五郎さんが主役で荒川区町屋の名店・中華飯店一番へ!
そしてこのお店の大将役が爆笑問題の太田光というキャスティング。
太田さん町中華の大将役が異常に似合いすぎている。
松重さんと太田さんの心の中でのやりとりもまた良き。
このお店実は私も好きでたまに行くのだけど、劇中でもあった通り本当に全部美味しくておすすめ。
ただ孤独のグルメで取り上げられるお店はとんでもなく混むので落ち着いてから行ってみてください!
ドラマは次回から別の主人公になるのでどんな感じになるのか楽しみです!


<☆☆☆>『離婚弁護士 スパイダー~慰謝料争奪編~』

『サブスク不倫』国井桂がメイン脚本、『弁護士ソドム』及川拓郎がメイン演出を務めるオリジナルのリーガル・エンターテインメント。
そもそもこのテーマ(離婚に関する弁護)のドラマが多数存在していて差別化が難しい。
そして30分枠で1話完結なので物語に深みが全くない。
初回の「エリートモラハラ夫」という敵役もあまりに擦られすぎている上に、そこまで酷い描写がなくて感情移入しづらい。
弁護士に相談する時点でそこまで無茶しなくても親権も慰謝料も取れそうなケースのようにも感じた。
芸人が異常にたくさん出てきたり、音楽がやりすぎ感あるのもマイナス。
1話完結の中に縦軸になりそうな要素もあったけど、この少ない時間でしっかり扱えるのかも疑問。
離婚に関する訴訟がテーマなら、鈴木おさむ脚本『離婚しない男-サレ夫と悪嫁の騙し愛-』の方が同じ30分枠でも断然おもしろかった!
てか「慰謝料争奪編」ということはなんかシリーズ化するのか…


【土曜日】

[プライム帯]

<★★★>『放課後カルテ』

日生マユの同名コミックスが原作、『個人差あります』ひかわかよが脚本、『最高の教師 1年後、私は生徒に■された』鈴木勇馬が演出を務める保健室ヒューマンドラマ。
医師なのにある事件から小学校の保健室に赴任することになった松下洸平
基本的にやる気が全くないが、医師としての経験から子供の些細な症状に気づき、そこから子供が置かれている状況などに波及させていくという構成。
1話につき2人くらいの子供がピックアップされていくのかな?
このドラマ実は私の中では期待感がそこまで高くなかったのですが、非常に良かった!
昨今の医療モノはかなり劇的な展開が多数用意されていてとても仰々しく描かれることが多いけど、そういう流れとは逆をいくお話。
細かい描写が非常に丁寧。
『個人差あります』でもそうだったけど、マイノリティに対して繊細に描くひかわかよの脚本はとても好感が持てる。
ただその凪状態が60分続くと観ている方は飽きてしまうので、そこに松下洸平が病院で勤務していた時の事件や彼を見つめる謎の転校生などの要素も足してある。
先生役の森川葵がうざすぎる(褒めてる)のと、流石に小学生がたくさん出てるので演技にバラツキがあるのは気になるけど。
どんな人が観ても面白いのではないかと思う良作!


<★★☆>『潜入兄妹 特殊詐欺特命捜査官』

占拠シリーズを手がけたプロデューサーの尾上貴洋、脚本の福田哲平、メイン演出の大谷太郎が再集結したオリジナルの潜入サスペンスドラマ。
占拠シリーズは(おそらく)あえて視聴者にツッコませてバズらせるという手法で大きな話題になっていて、今回もそれがあるか注目していたのだけど。
序盤で兄妹(竜星涼/八木莉可子)の父親と敵役の鳳凰が対峙するシーンで相当近距離で爆発したあたりから「これは…」と思っていたのだけど、意外とその後はおとなしかったような。
でも明らかに見つかるような場所でハッキングしてたり、敵役が完全にジャンプみたいな名前だったり、諸々チープなところはあるのでもっともっと私たちにツッコませて欲しい(笑)
捜査支援分析センターの志摩(ぐんぴぃ)のゲスト出演やエンドクレジットの犯人グループの隠し方とか次回予告がめちゃ適当だったり、占拠シリーズからの継承もファンには嬉しい。
キャスト的には最初に普通に良い人として出てくる及川光博は怪しいよねー。
次回へと続くクリフハンガーもあり、やっぱり期待してしまう私がいます。
そして気が早いけど2話では『新空港占拠』のあの人が登場するらしいですよ!


[深夜帯]

<☆☆☆>『バツコイ』

月子の同名コミックスが原作、『夫の家庭を壊すまで』岸本鮎佳がメイン脚本、『江戸前の旬』シリーズ小沼雄一がメイン演出を務める泥沼ラブコメ。
2024年の3月で一旦制作が止まっていた真夜中ドラマ枠が復活した最初の作品。
この枠はBSテレ東とテレビ大阪が交互に制作していて、テレビ大阪制作の場合に名作が多い。
そして今回はBSテレ東の順番。
ということでなかなか酷い内容でした…
まず自分は仕事ができると豪語している割に見知らぬ男と一夜を共にし仕事に遅刻するし、依頼人(最低な男だとしても)を殴るし、とても弁護士とは思えない主人公。
コメディだとしても酷いキャラクター造形。
男女の出会い方も非常に雑で、ドキドキも無いしリアリティも無い。
全体の半分くらいを登場人物が心の声で状況説明している。
漫画は表情とか細かい描写を表現するのが難しいから心の声や説明台詞を多用しているのであって、それをドラマで同じように演出するなら人間が演じてる意味が無い。
原作へのリスペクトを勘違いして、漫画のノリをそのままドラマにしたような作品。
各々で様々な事情を抱えているのだるけどこの内容はさすがに…


<★★☆>『バントマン』

『やさしい猫 健康で文化的な最低限度の生活矢島弘一がメイン脚本、『#コールドゲーム』千葉行利がメイン演出を務めるオリジナルのスポーツエンターテインメント。
東海テレビ制作ということで中日ドラゴンズの全面協力!
『プロ野球戦力外通告』 のドラマver.かと思ったらそこまで野球メインのお話じゃなかった(笑)
ドラゴンズ協力なので実際のユニフォームとか選手の名前とか使えるのは非常に良い!
主演の鈴木伸之も野球経験者なので見ていて動きが嘘っぽくならないのはプラス。
そしてイニングナイングループ社は完全に東北にチームを持つあの企業?
ただ全面協力してもらってる割には野球に関する雑な描写があったのは残念…
「会社の中で誰かを陰ながら支える集団」=“バントマン”みたいな設定は面白い!
いや女性もいるやろというツッコミもあるけど…
ただ前出の『プロ野球戦力外通告』観たことある人ならわかると思うのだけど、彼らが野球を諦めるというのは並大抵のことじゃないんですよ。
だからこそ鈴木伸之が普通の会社で、しかも自分が目立つのではなく誰かを支えるというポジションにどのようにたどり着くのか?
そこにどう落とし所を見つけるのかは非常に重要になってくると思う。
キャスト的には新人王役は『下剋上球児』のあの人(生田俊平)ですよね!
気づいた時軽く興奮してしまった。
他にもモロ師岡平原テツなどバイプレイヤーがいるのも心強い。
面白そうな要素は多いけど、同じくらい期待値が高いドラマが今クールはけっこう多いので観続けるかは当落選上な感じかなぁ。


【日曜日】

[プライム帯]

<★★★>『海に眠るダイヤモンド』

今クールの日曜劇場は絶好調な映画『ラストマイル』チームの野木亜紀子が脚本、塚原あゆ子がメイン演出、新井順子がプロデューサーを務めるオリジナルのヒューマンラブエンターテインメント。
連続ドラマでは『アンナチュラル』『MIU404』に引き続き3度目の最強チーム集結!
今クール放送前の期待値が最も高かったドラマがさらにそれを超えてくる素晴らしい初回!
予算の掛け方、キャストの豪華さ、ストーリーの緻密さ、全体に漂うワクワク感などちょっと他作品とはレベルが違うかも…
日曜劇場の看板がそうさせるのか、それとも最強チームがそうさせるのか。
実際には無い端島(軍艦島)の街並みを予算と時間をあまりかけずに再現するために特殊な撮影とCGの使い方をしているらしいと事前に聞いていたのだが、そこに本当に街があるかのような再現性は圧巻!
実際に端島に行ったことがある人はさらに驚くと思う。
月9のセットのチープさもこれを観た後だとさらに際立ってしまうかも。
内容的には2018年の東京と1955年の端島を行き来する物語で、2018年はサスペンス、1955年はヒューマンドラマの如く展開していく。
若干、朝ドラ感あり。
初回にしてラストに起こる小さな2つの奇跡と、そこに行くまでに丁寧に紡がれていくストーリーもまた秀逸。
ほぼ完璧な80分間。
キャストもいきなり無双状態の宮本信子はやはり素晴らしいし、1話は少しの出演だったけどみんな大好き杉咲花がかわい過ぎました。
長崎なのでさだまさしの登場や宝塚の話で映美くららが出てきたり、小ネタも満載です。
メインテーマは職業差別や地域差別との戦いで、踏みつかられた尊厳を取り戻すお話になりそう。
個人的に映画の『ラストマイル』があまりハマらなかったのだけど、やはりこのチームはしっかり時間をかけて作り込める連ドラだなーとしみじみ思いました。
今クールの覇権ドラマが予定通りにやってきた!


<★★☆>『マイダイアリー』

NHK夜ドラ『わたしの一番最悪なともだち』 『それでも愛を誓いますか?』兵藤るりが脚本、映画『人生に詰んだ元アイドルは、赤の他人のおっさんと住む選択をした』穐山茉由がメイン演出を務めるオリジナルのヒューマンドラマ。
これまでは有名脚本家が1人でオリジナル脚本を担当する枠だった朝日放送制作の日10、今回は若き期待の脚本家である兵藤るりが担当することに!
編成の関係で放送時間も15分繰り下げ。
構成が少し凝っていて、現在から毎回大学時代に回想的に戻って物語が展開していくらしい。
ある大学3年生5人の群像劇。
序盤は毎回5人のうちの1人のメイン回があって後半はラストに向けてストーリーが動いていくという、いわゆる連ドラの定番の流れ。
登場人物の心模様や状況を短いエピソードや小道具などを使って、とても丁寧に作り込まれた物語。
なんだけど、とても凪。非常に凪。
ミニシアターで映画観てるような感覚…
映画館のポップコーンとか合唱するまでの流れの作り方とか、本当にわかる人にはわかるけど、わからない人には全然わからない感覚。
大半の人にとってはあまりに何も起こらなすぎて毎週60分枠で観るのは厳しいかも。
若手No.1の演技力だと個人的に思っている清原果耶は素晴らしいし、主人公の友達といえばの見上愛コメディリリーフ的役割の望月歩も良い。
「ただのラクガキでも誰かには届いている」みたいなメッセージも素敵だし、全体的に良い出来だと思う。
しかしやはり日曜の夜にこれを観たいと思う人が今の日本にどのくらいいるのかは疑問。
日10枠は開始以来、プライム帯ドラマ最低視聴率の常連なのでもう視聴率諦めたかな?
まぁ今の時代リアルタイム視聴率以外の戦い方もあると思うので、そっちに振り切っても面白そうだけど。


<★☆☆>『若草物語―恋する姉妹と恋せぬ私―』

ルイーザ・メイ・オルコット『若草物語』が原案、『紅さすライフ』松島瑠璃子が脚本、『リバーサルオーケストラ』猪股隆一がメイン演出を務める社会派シスターフッドコメディー。
原案とはいえ「若草物語」の名前が付いているお話を観ていて思ったのは「えっこれ本当に若草物語?」という。
現代の日本に作り替えていて、四女(畑芽育)が絵描き→デザイナーに変更していたりするのは理解できるんだけど、三女(長濱ねる)の扱いがあまりに違いすぎて戸惑った…
そういうミステリー要素は話題になるし、インパクトが大きいから手を出したくなるのはわかるけどあまりに安易すぎるような。
それなら若草物語とか関係なく普通に「令和に生きる四姉妹」の物語としてドラマにすればよかったような。
しかし主役の次女(堀田真由)の物語はかなりテレビ業界の核心をついているように感じた。
昨今は脚本家と原作者の問題もあり非常に注目のテーマでもある。
大御所脚本家役の生瀬勝久のいう「テレビはマスに届ける」「マイノリティの自分を主語にするな」はとてもよくわかる。
人生は人それぞれの生き方だけど、何かを方向付けする(してしまう)のがドラマというものなので、実は多様性みたいなものとは相性が悪い。
そこを主人公がどう向き合って、どのように乗り越えていくのかは非常に興味がある。
ただそれが主題になっていくのかはわからないけど。
あと初回だけだと春ドラマの『9ボーダー』に内容がけっこう似ていたのもノイズではあった。(畑芽育は両方で末っ子役。)
気にはなるけどそこまで優先順位は高くない、他に面白そうなドラマがなければ観続けるという感じかなぁ。


ランキング形式まとめ

<★★★>
『海に眠るダイヤモンド』『全領域異常解決室』『ライオンの隠れ家』『放課後カルテ』
『天狗の台所 Season2』『スノードロップの初恋』『それぞれの孤独のグルメ』

<★★☆>
『民王R』『相棒』『ザ・トラベルナース』『わたしの宝物』『マイダイアリー』『嘘解きレトリック』『あのクズを殴ってやりたいんだ』『潜入兄妹 特殊詐欺特命捜査官』
『ウイングマン』『Qrosの女 スクープという名の狂気』『つづ井さん』『バントマン』『3年C組は不倫してます。』『オクトー ~感情捜査官 心野朱梨~Season2』

<★☆☆>
『D&D 〜医者と刑事の捜査線〜』『若草物語―恋する姉妹と恋せぬ私―』
『デスゲームで待ってる』『無能の鷹』

<☆☆☆>
『モンスター』『オクラ~迷宮入り事件捜査~』
『バツコイ』『その着せ替え人形は恋をする』『離婚弁護士 スパイダー~慰謝料争奪編~』


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