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名作日本テレビドラマ個人的オールタイムベスト30!(30〜21位編)

最近私のオールタイムベスト5に入る連ドラが2つもTVerで配信されていて、以前から「オールタイムベストもランキングやって欲しい」という声もあったのでここしかないと思い立ったのでやります!
本当は10位まででやろうと思ったのですが、あまりに候補が多すぎて30位を3回に分けてやることにしました。
長くて申し訳ないのですが、一応主要なストリーミングの情報も載せるので熱い夏に家で過ごすお供にしていただければと。
あとランキング作っていて思ったのですがかなりジャンルに偏りあります!
異常にミステリー/サスペンス系が多い…
趣味嗜好が非常に強く影響しているのでご了承ください。

※基本最新作品ではないのでネタバレの概念はないものとします。
但しドラマの根幹に関わるような(それを知るだけで物語の面白さが損なわれるような)ネタバレはできるだけ伏せるように頑張ります。
ご注意ください!

<ルール>

* オールタイムなのですが、2024年現在でもある程度視聴できる環境があるということなどを考慮していくうちに90年代以降に自然になりました。
* 最初深夜ドラマ(30分枠)も含めてやろうと思ったのですが、数が膨大になりすぎたのと深夜ドラマは独自路線をいくドラマが多いので今回は除外しました。
但し、夜帯に放送していたドラマでも30分を超える作品に関しては含めてます。

○ 2024年春ドラマ(7月までに放送終了)までが対象
○ 日本(民放のみ)で制作/放送されたものに限る( NHK/WOWOW/
ストリーミングなどは除く)
○ 連続ドラマに限る(単発や前後編などは除く)
○ シリーズモノはシリーズ全体ではなくどのシリーズかを基本指定する
○ 製作年/放送局/放送時間・話数/平均視聴率はWikipediaに記載されてる情報から抜粋

※ 現在(2024/8/23)観ることができる主要なストリーミング(見放題)を記号で記載しますが、当方調べであり日々変わっていくのもののため確実ではありませんのでご了承ください。
【各種ストリーミング記号:Netflix=N、A=Amazon Prime Video、U-NEXT=N、Hulu=H、FOD=F、TELASA=T】
※ 広告や忖度など一切無しのランキングです。


No.30 『最愛』

2021年/TBS系/54分×10話/平均8.7%
【ストリーミング:N・U】

今やTBSの名作ドラマ製造チームである脚本・奥寺佐渡子/演出・塚原あゆ子/プロデューサー・新井順子による個人的最高傑作!
ジャンル的には1話完結ではなく縦軸を追っていくミステリー/サスペンス。
過去の事件と現在起こっている2つの事件が交差する中でやはり家族の物語を描くのは、このチームが『夜行観覧車』 『Nのために』 『リバース』湊かなえ作品の実写化を手掛けていたことによるものが大きい。
イメージとしては「湊かなえ作品をオリジナルで作りたい」という感じ。
初回から非常に強烈なフックがあり、毎回何かしらの衝撃展開を作っているのも印象的。
ラストの結末は確かに賛否あると思う。
でも「現実には法律やルールでは割り切れないことがある」というメッセージこそが湊かなえ…じゃなくて新井順子を始めとする製作チームの語りたかったテーマなのではないかと。
キャストでは岡山天音酒向芳の怪演が記憶に残り、高橋文哉が見つかった作品。
そしてやはり3番手として輝く男・井浦新
あとは名作にはやはり宇多田ヒカルの曲がついて回ります。
最終回の後に『君に夢中』の歌詞を読み返すとまた彼の想いが描かれているようで…


No.29 『あなたの番です』

2019年/日本テレビ系/55分×20話/平均9.25%
【ストリーミング:H】

秋元康の企画/原案により日本中に一大考察ブームを巻き起こしたミステリードラマ!
おそらくこのドラマをきっかけに、リアルタイム視聴→SNSでの考察合戦という流れが生まれた気がする。
それだけではなくドラマ好きの友達と会うと毎週のように考察をし合っていて、ネットでもリアルでも盛り上がるという凄い状況だった。
2クール20話でクールごとに「第1章」「第2章・反撃編」と分けられていたが基本的には地続きの物語。
1話完結ではなく縦軸となる1つの事件を半年もかけて追うという近年では珍しい作りで、地上波とは思えないくらいとにかく人が次々と死んでいくのが衝撃。
このタイプのミステリー考察系として大切な「犯人が序盤から登場している」「登場人物(容疑者)がたくさんいる」という要素もしっかり抑えていて、ラストの真犯人は若干「いやいや!」感はあったけどこれだけ盛り上がるとみんなが納得する展開というのもなかなか難しいので許容範囲かなと。
個人的には最終回よりも第1章のラストである10話の方が衝撃展開だったけど…
ちなみに映画版もあるのですが同じ俳優・登場人物によるパラレルワールドの世界が舞台です。


No.28 『オレンジデイズ』

2004年/TBS系/54分×11話/平均17.4%
【ストリーミング:N・U・H・F】

『ビューティフルライフ』のチームである脚本・北川悦吏子、演出・生野慈朗土井裕泰、プロデューサー・植田博樹が再集結したドラマ。
ジャンル的には青春ラブストーリーでこれ日曜劇場なんですよ。
日曜劇場でラブストーリー!
TBSは火10をラブストーリー枠にしてから他の枠でラブストーリーをやることはほとんど無くなった。
ビューティフルライフと同じく障害を抱える女性とそれと向き合う男性の物語なんだけど、今作の設定は大学4年生。
大学4年生ってその時間にしか味わえない独特の高揚感があると思っていて、それをまさに真空パックにして詰め込んだのがこのお話。
大学4年生を楽しめた人も、楽しめなかった人も、これからそこに突入する人も、全ての人におすすめしたい青春がそこにある!
キャストは聴覚障害の主人公を演じる柴咲コウはキャリアハイなんだけど、さらに男性3人組(妻夫木聡/成宮寛貴(平宮博重)/永山瑛太)が良い!
シンプルにかっこいいのもあるが、三者三様のキャラクターがそれぞれ非常にマッチしている!
あとは個人的に北川悦吏子作品の中で台詞が1番良いと思う。


No.27 『金田一少年の事件簿』(シーズン1・2)

1995年・1996年/日本テレビ系/54分×8話・54分×9話/平均23.9%・22.4%
【ストリーミング:無】

いわゆる「堂本金田一」と言われるシリーズでシーズン1も2も特に大差なく良く良いのでふたつとも合わせて!
やはり堂本剛&ともさかりえのコンビが至高です。
堂本金田一は2つのシーズン以外にも2つのSPドラマと1つの映画があるのだけれど、DVDなどのソフト除いてほぼ観ることができないのが難点。(映画だけは各ストリーミングで観れる可能性あります!)
ジャンル的には1話完結のミステリーで、あの日本ドラマ界の革命家・堤幸彦を一躍有名にした作品。
ちなみにこれから先のランキングでも堤幸彦作品はたくさん出てきますので悪しからず。
堤幸彦によるそれまでのドラマでは珍しかったオールロケ・手持ちカメラ・多様なアングル・効果音などの変革が全てプラスに働いたのがこのシリーズ。
みなさんおそらく一度は観たことがある、金田一の種明かし前にそれぞれの容疑者が効果音と共にアップになって切り替わっていくシーンはまさに革命。
あとはおそらく探偵役に犯人がわかった時に決め台詞を言わせるのもここら辺から主流になっている気がする。(今作の決め台詞はもちろん原作からそのまま使っているのだけど。)
1話完結で程よい謎解きとコメディが融合していて見やすいのもポイント高い。
但し、バラバラ死体や首だけ死体などけっこう過激描写もあるのでご注意を!
金田一シリーズの新作が放送されるタイミングで過去作がTVer配信される可能性が高いので、近所にレンタル店が無い方はそれまでお待ちください。


No.26 『俺の話は長い』

2019年/日本テレビ系/54分×10話(※20話)/平均8.4%
【ストリーミング:無】

ヒューマンドラマの名手・金子茂樹脚本のドラマ。
しかしこれもストリーミングが無いなんてHulu(日テレ)しっかりして欲しい。(旧ジャニーズの権利関係が厳しいからなのか…)
1時間の枠なのに1話が「30分2本立て」という変則の構成。
じゃあ最初から30分枠でやれよというツッコミは一旦やめておいて。
ジャンル的にはコメディ×ホームドラマ。
まずこのメインとなる家族が素晴らしくて主演が生田斗真、母親・原田美枝子、姉・小池栄子、姉の夫・安田顕、姉の娘・清原果耶
全員主役でもいける超豪華家族。
このメンツが繰り広げる何気ない家庭の会話劇がとにかく面白い!
これだけでも観る価値あり。
ちなみに個人的にはコメディエンヌ・小池栄子の地位をこの作品が確立したと思う。
金子茂樹×小池栄子(×演出・中島悟)のホームコメディは2023年『コタツがない家』へと繋がっていく。
あとはある事がきっかけでニートになった生田斗真がどう再生していくかというラストがとても好きだった。
これこそが金子茂樹脚本の真骨頂!


No.25 『Quiz』

2000年/TBS系/54分×11話/平均8.4%
【ストリーミング:U】

『ケイゾク』の演出チームの今井夏木、プロデューサーの植田博樹による伝説的なミステリードラマ。
他にも演出チームに『ビューティフルライフ』生野慈朗『半沢直樹』福澤克雄、脚本チームにゴシップ #彼女が知りたい本当の○○関えり香真夏のメリークリスマス相内美生など豪華なスタッフ陣。
個人的には『ケイゾク』の核である演出・堤幸彦&脚本・西荻弓絵を除いたチームでどこまでミステリー/サスペンスを作れるかチャレンジした作品だと思う。(ちなみに堤幸彦はこのドラマの前の時間帯に同じTBSで『池袋ウエストゲートパーク』を作ってました。)
最初に「伝説的」と書いたのは面白さや衝撃度の割にあまり世間のベストドラマみたいな話の時に出てこない気がするので…
まず犯人がかなり衝撃的!
2024年現在だとまぁあるパターンだとは思うけど、放送された2000年にこれを地上波ドラマでやるのは凄い。
絶対苦情電話たくさん来たと思う。
『ケイゾク』のキャストがたくさん出演していて雰囲気抜群なんだけど、それにプラスして今からは想像できない主演・財前直見のブチ壊れっぷりが良い。
あとはここから刑事生活が始まったのだろうなという内藤剛志『TRICK』と違って一切笑いなしの生瀬勝久も素晴らしい!
結末を知らずにぜひ観てほしい名作ミステリー。


No.24 『3年A組-今から皆さんは、人質です-』

2019年/日本テレビ系/55分×10話/平均11.5%
【ストリーミング:H】

『花ざかりの君たちへ〜イケメン♂パラダイス〜』 『家族ゲーム』映画『クローズZERO』シリーズなど若者を描き続けてきた脚本家・武藤将吾の最高地点。
日本のドラマ界における一大ジャンルの学園モノに革命を起こした作品だと個人的には思っている。
『熱中時代』 『3年B組金八先生』以降、学園モノ(教師が主役)はある程度フォーマットが決まってしまった。
「落ちこぼれクラス→型破り先生登場→1人ずつ型破りな方法で生徒を救済→徐々にクラス全体の信任を得ていく→別れ(卒業)」と進行していくことは避けられず、そこそこ面白くてもワクワクドキドキ感は薄い。
反町隆史仲間由紀恵阿部寛と数多のスターが面白い作品と名キャラクターを生み出したけどそのフォーマットの域を出てはいなかった。
しかし今作は半年前に死んだクラスメイトの真相を追うというミステリー要素や、主演・菅田将暉と脚本・武藤将吾にゆかりのある特撮/アクション要素などを加えることでそれを打破。
教師の突然の立て篭もりと彼に秘密、教室という密室の中のほとんどの事が起きる緊張感、卒業式までの10日間を1日1話で進行する構成など視聴者を惹きつける仕掛けが満載。
まぁこれだけやれば飽きずに最終回までいけるでしょうという。(逆にこれだけやらないといけないのか…)
もちろん上記のフォーマットも残しつつで、菅田将暉の現代の若者に向けた熱い語りも毎回あり。
あとは生徒が本当に豪華でメインの永野芽郁&上白石萌歌をはじめ、今田美桜萩原利久川栄李奈片寄涼太(GENERATIONS from EXILE TRIBE)堀田真由森七菜神尾楓珠福原遥富田望生鈴木仁望月歩大原優乃横田真悠と今や主演級のキャストが大集結!
書いてリンク貼るだけでも大変(笑)
最終回の大長尺の菅田将暉語りが賛否を呼んでいたけど、個人的にはありでした。
これを超える学園モノはしばらく現れないかもなぁと思う…


No.23 『エルピス-希望、あるいは災い-』

2022年/フジテレビ系/54分×10話/平均6.3%
【ストリーミング:N・A・U・H・F】

現代における名ドラマプロデューサーの1人である佐野亜裕美渾身の作品。
現役のドラマプロデューサーで1人と言われたら私はこの人を挙げるかもしれない、そのくらい彼女の作るドラマは素晴らしい。(こう言っているのでお分かりかと思いますがこの先も佐野亜裕美プロデュース作品出てきます!)
そしてなぜこの作品が「渾身」かと言うと、脚本家の渡辺あやと作ったこの企画のために彼女はTBSから左遷された後に退社、他局に持ち込みまくった末にカンテレ(フジテレビ系)に評価され放送まで漕ぎ着けるという経緯があるため。(ちなみにカンテレは盟友の坂元裕二に薦められたのがきっかけらしい!)
スキャンダルでエースの座から一気に地に落ちた女性アナウンサーがある冤罪事件の闇を追うという社会派のストーリー展開。
現代社会や司法、そして特にテレビ局を始めとするマスコミへの非常に強烈なアンチテーゼが込められていて、よくカンテレはこれOKしたなーというくらい衝撃的な内容。
上昇志向が強く這い上がるための材料として冤罪事件を追っていたが関係者に触れて徐々にその価値観が変わっていく長澤まさみと、全く上昇志向がなくなんとなく冤罪事件に関わることになるが徐々にそれを使命と感じて突き進む眞栄田郷敦のコントラストが絶妙。
そしてやはり岡部たかしの爆発力!
岡部たかし劇場と化している回が最高に良い!
最後のラーメン屋の3人は今でも目に焼き付いている。
簡単にサクッと観れるドラマではないのだけど、自分の道に迷った時に観たいドラマ。


No.22 『BORDER 警視庁捜査一課殺人犯捜査第4係』

2014年/テレビ朝日系/54分×9話/平均12.2%
【ストリーミング:U・T】

元々は『GO』『SP 警視庁警備部警護課第四係』シリーズなどの小説家・金城一紀によるメディアミックスプロジェクトの一環となる刑事ドラマ。
脚本は金城一紀、メイン演出は『相棒』シリーズ橋本一
1話完結+縦軸となるストーリー展開の両輪という刑事ドラマには良くあるパターンなんだけど、面白いには犯人探しや謎解き(ミステリーやサスペンス)をメインにしていないところ。
もちろん毎回犯人を探したり・謎を解いたりはするのだけど、メインテーマとして根源にあるのはタイトルの通り「人間のボーダーはどこにあるのか?」という問い。
様々なボーダー=境界線がある中で、最も物語の核心に近いのが「正義と悪」のボーダー。
非常に巧みなのが「弾丸が脳内にあるために死者と交信できる」という特殊能力が事件解決の助けとなる反面、それを知る自分こそが真相を突き止めなければいけないと暴走してしまう装置にもなっているところ。
清廉潔白だった1人の刑事が特別な能力を持ってしまい「自分こそが」と使命を背負い、法的なボーダー、倫理的なボーダーを犯しながら自分の正義だけを追いかけていく。
その主人公を演じる小栗旬は個人的にはキャリアハイの演技。(『リッチマン、プアウーマン』も良いけど)
そして彼を支えるチームが遠藤憲一青木崇高波瑠と豪華。
さらに裏のチームも古田新太野間口徹浜野謙太滝藤賢一と曲者揃いで最強です!
てかどんなメンバー(笑)
最終回の衝撃をぜひその目で見届けて欲しい。
ちなみにその後のSPドラマと波瑠が主演のスピンオフSPドラマ(前後編)あり。


No.21 『おっさんずラブ』(シーズン1)

2018年/テレビ朝日系/50分×7話/平均4.0%
【ストリーミング:A・U・T】

昨今のBLドラマブームの先駆者的な作品。
GP帯ではないが深夜でもない放送時間(23:15〜)に50分×7話という長尺でこのテーマを企画したことはやはり凄い。
プロデューサー・貴島彩理はこのシリーズの前段階に作った単発版の『おっさんずラブ』が初のプロデュース作品で放送時はまだ26歳だったという伝説がある。
このドラマの最大の魅力は田中圭吉田鋼太郎林遣都の三角関係。
ドジっ子すぎてあざとい田中圭、もはや恋する少女にしか見えない吉田鋼太郎、そしてツンデレ林遣都。
この3人のキャラクターの奥深さと、同じ場面になった時の化学反応の爆発力が桁違いに素晴らしい!
ラブコメなのに異常にコメディに力を入れていて、脇を固める眞島秀和伊藤修子金子大地あたりも非常に効いている。
あとはやはりBLを特別なものとして描いていないというか、当然ある恋の形のひとつとして描いていて、それが吉田鋼太郎の「乙女さ」に繋がっていく。
最初はおじさんの乙女に笑ってしまうんだけど、徐々に受け入れていって最後には応援している。
「多様性」とかいう使い勝手の良い言葉じゃなくて、この物語こそがみんながそれぞれ自分自身として生きていくことの強さとか儚さを体現している。
恋に悩んだ時に、パートナーとすれ違いを感じた時におすすめです。
ちなみにこのシーズン1の他に上記の単発版・映画版・シーズン2(-in the sky-)・シーズン3(-リターンズ-)があるのだけれど、同じ世界線のお話は映画版とシーズン3で、単発版とシーズン2はパラレルワールドのお話(田中圭と吉田鋼太郎のみ登場)なのでご注意ください!


次回、20〜11位編に続く↓







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