「蝉の音」
死んだふりも
力ふり絞り
登る蝉
蝉が鳴きはじめて
もう十は過ぎてるだろう
今年初の
蝉と出会う
壁に激突して
落ちた
すぐさま駆けつけたが
もうそこにはいない
何処かにいないかと
辺りを見渡したら
ひっくり返る
蝉見つけた
もうそんな季節になるのかと
暑い日の続く日々に
ねぎらって蝉を返せば
生きていた
さらに可愛らしいことに
私の肌を登る
無垢な瞳と
見つめ合う
ゆっくりと登る姿は
死を予感した
もう長くはない
それでも健気に
ブウゥゥン
横切るバイクに
蝉も驚き飛び立った
あぁゴメンなさいね
羽ばたきは
セミファイナルの
音色して