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「薬師池椿歌五十首 その四」

真ん中を
射抜けばいいの?
弓場絞(ゆばしぼり)

弓場絞

はらはらと
散り咲くのか
寒椿(かんつばき)

寒椿


隠(かく)れんぼ
すぐ見つかるね
磯(いそ)目立ち

隠れ磯

山茶花と
見紛うあなたは
立寒椿(たちかんつばき)

立寒椿

参平(さんぺい)さん
愛した椿(つばき)
今ここに

参平椿

情熱の
獅子舞赤く
燃え揚がる

荒獅子(あらじし)

黄金の塔(こがねのとう)
椿の中に
太陽が 

黄金の塔 (正しくはおうごんのとう)


白妙の
綿帽子から
見え隠れ

白侘助

枝垂(しだ)れ揺れ
上から失礼
君だけは

枝垂れ白藪椿

遠くから
太郎冠者(たろうかんじゃ)は
見守って

太郎冠者

〈おまけ一句〉

君の名を
求めて止まない
好きだから

たぶん中将白(ちゅうじょうはく)

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