「谷戸がつくるホタルの住処」
ここは生田緑地
小高い山あり谷ありの
自然豊かな所
ここにはホタルの里がある
枡形山(ますがたやま)という
かつて頼朝に仕えた稲毛重成が
城を構えた枡形の頂上の麓には
山からの湧水流れる谷戸(やと)がある
ここに入った瞬間
身体に吸い込まれる
草と水
ここがホタルの住処
夏至に盛りを迎える
ホタルの今は
水中の幼虫が地へ這い上がり
土の中でサナギとなる
そのような営みが今
見えずに着々と
水辺の草にまぎれて鳴く
カエルと共に
見たい
ホタルの光
お互いの輝きを頼りに
出逢う夜に
いのちの限りを尽くして
不食の七日間
燃えつづける
いのちを繋ぐため
出逢うため
ホタルは密かに
土の中