「薬師池椿歌 その三」
枯れ始め
なおも可憐な
一貴山(かずきやま)
鮮やかな
夏の思い出
秋の誉(あきのほまれ)
白鶴(はくつる)は
高潔さと
優しさと
島娘(しまむすめ)
こんがり焼けた
肌みせて
菊月(きくづき)と
早咲き願う
名をつけて
桃色に
時を止めるのか
不老庵(ふろうあん)
可愛らし
童の声(わらべのこえ)が
ここあそこ
南国の
らしさ満点
下総侘助(しもふさわびすけ)
お姫(ひめ)様
歩く姿は
百合(ゆり)の花
枯れ絞(しぼ)り
無類(むるい)の寂が
惹きつける
笑いじわ
たくさん溢れん
絞笑顔(しぼりえがお)