「タマスダレと枯れたヒガンバナ」
紅いヒガンバナの下に咲く
白い花
なぜかどこでも一緒に
お互いに近くに
色あせてく紅い花をよそに
次々と咲きつづけるその花は
太陽を全身で浴びて
白く輝きをはね返してた
知らないその花の名は
タマスダレ
白い珠の美しさと
まっすぐに群生する緑のすだれ草
しかし先に頭をよぎったのは
南京玉すだれ
大道芸人のおじさんが唄いながら
柳のようにすだれをあやつる姿
似ても似つかないそのふたつ
かたや咲いたばかりのみずみずしい花
かたや初老の鍛錬された熟練芸
それはタマスダレと枯れたヒガンバナのよう
タマスダレも同じヒガンバナ科
球根で同じにようにふえていく
似て非なるふたつは
「たますだれ」でつながった