「50万の壁」
押し寄せるように波のように
眼差しは私をとらえる
すぐさま応えたい
それが仕事だから
ヒマなどなくても
ガラガラの商品を整え
接客の合間に商品を入れ込み
何食わぬ顔で元に戻る
やりたいことは
何一つやらせてもらえないから
てんてこ舞いになりながらも
やるべきことは進めていく
先代が超えたい
超えたいと
言いつづけた
50万の壁
わたしが超えてやろうかと
だんだん
だんだん
近づいて
行きそうで越えられなかった
その壁を
ようやくみんなで
越えました
ゲームみたいに
でも真剣に
バトルのように
お客と商品と戦った
越えた先は
なにもない
そんなもんだ
楽しいのは夢中のときだけ
頑張らないと
届かないところ
そこになにもなくとも
いいみたいだ