世紀末疫病物語
おとぎ話です。
昔々あるところに、
いくつもの島が南北につながって
長い列をなしてる国がありました。
そこにはたくさんの人が住み、
平和で穏やかな毎日を送ってました。
ところが突然、怖い、怖い疫病が
流行り始めたのです。
新種の風邪です。
それは咳も出なければ、
くしゃみも出ない、
熱も出ない。
でもいったんかかると大変なんです。
眠れない、食欲はない、
仕事をする気にもなれない。
かかったら最後なかなか治りません。
この風邪は流行り始めると、
瞬く間に平和な国に広がりました。
お医者さんは言いました。
「風邪です。薬を飲めば治ります。
この薬を飲んでください。
ずっと飲み続けてください。
自分の判断でやめないでください」
それで国民は薬を飲みました。
ところが何ヶ月、何年経っても
治りません。
患者はお医者さんに尋ねました。
「本当にこの風邪薬で治るんですか?」
お医者さんは答えました。
「薬を飲めば治ります。
この薬を飲んでください。
ずっと飲み続けてください。
自分の判断でやめないでください」
また同じことを言いました。
風邪はちっとも治りません。
風邪薬は増えていきました。
そして
やっかいな症状が次から次へと出ました。
患者さんはお医者さんに
「何とかしてください」
と言いました。
そしたら、
その度にお薬は増えるか変わりました。
それでも治りません。
お薬は増える一方。
こうして、
この新種の風邪である疫病は
不治の病になりました。
症状もひどければ、薬も多い。
症状が重いのか、
風邪薬が多すぎるのか、
もう何が、どう悪いのか、
訳が分からなくなってしまいました。
この風邪は年毎に増え、
猛威を奮い続けました。
待合室は患者さんであふれました。
お医者さんは大忙し、
毎日毎日、
朝から晩まで風邪の患者さんをみて、
もう繁盛して、繁盛して、大変でした。
世紀末の疫病、
それはこの島国に居座り続け、
二度と去ることはなかったのです。
おしまい。。。
世紀末の疫病、新種の風邪は、
心の風邪と言われたうつ病でした。
以上は
とあるベテラン精神科医さんの著書からの抜粋です。
そのお医者様の言葉を紹介して
終わりにします。
すべてのみちは薬漬けへと至る
残念ながら、
これが今日の精神医学の現状。
おとぎ話じゃなくて、
怪談ですよね。
すべてのみちは薬漬けへと至る
名言ですね☠️
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