統合失調症の芸術家①
日本が誇る天才アーティスト
草間彌生
草間彌生の自伝を読みました。
タイトルは
「無限の網」
わたしは、
草間彌生が統合失調症という病気を抱えてることを知りませんでした。
でも
そう言われると、
確かに彼女の作品はいかにもって感じです。
草間彌生の人生は強烈。
キャラクターも強烈。
恐れ入りました。
自伝の中でこのように述べてます。
私は子供の頃、
死ぬことばかりを考えていました。
父母の確執からくる精神的な不安のなかで相談する人もいませんでした。
母は私が生まれたことについて、
いつも後悔をしていて、
私はいつも精神的に追い込まれていたのです。
そのあげく、
幻覚などを見るようになり、
精神科医に相談していました。
子供の頃の母の思い出といえば、
朝から晩まで叱られ、殴りつけられたことばかり。
母からは
「4人も子供を産むと、1人ぐらいは
クズができるもんだ」
と
言われてました。
父親は養子で芸者遊びばかりしていて、
妾を持たない時期がなく、
いつもそのことが原因で母と喧嘩ばかりしていた。
草間彌生の家系は、
父子二代にわたり、
男が女遊びに明け暮れてました。
その陰でオンナはじっと耐えていた。
そのような環境で育った草間彌生は、
性的なことに嫌悪を持つようになりました。
人間の裸体、
とりわけ男の性器、女の性器に対する
激しい嫌悪と激しい執着をもつように
なる。
草間彌生は特に男の性器の形が嫌いで、
恐怖の対象だったのです。
だからこそ、
嫌いなもの、厭なもの、怖いものを
作ってつくって作っていって、
それを乗り越えていくことが、
彼女の芸術表現だったのです。
そうやって自分をクリエイトしてくことが、
草間彌生のいう
「サイコソマティック・アート」
自己療法らしいです。
セックスへの嫌悪感、恐怖感を治すために男根を作って作って、
何万もの男根の中に埋もれて恐怖を克服していく。
怖いもの恐怖のものをあえて山ほど作り出し、
その中にいて自分の心の傷を治していく。
少しずつ恐怖から脱していく。
自分にとって怖いフォルムを、
何千、何万と毎日作り出していく。
そのことで、
恐怖感が親近感へと変わっていく。
草間彌生、
やはり天才ですね。
彼女、
詩や小説も書いてますが、
それがまた強烈な詩ばかり。
天才と〇〇は紙一重
という言葉通りの人。
恐れ入りました。
彼女は
統合失調症という精神病あってこその天才なんです。
彼女に幻覚や幻聴が現れたのは、
わずか10歳の頃だったそうです。
統合失調症の発症は10代後半が多いらしいので、
かなり早い発症と言えます。
彼女が子供の頃、
家の近くにスミレ畑がありました。
ある日、
スミレの花々のなかに座っていると、
突然、
ひとつひとつのスミレがまるで人間のような個性を帯びた顔に見えてきて、
自分に向かって話しかける声が出て聞こえてきたそうです。
しかもその声はどんどん増え大きくなり
耳が痛くなるほど。
喋ることができるのは人間だけと思っていたのに、
スミレ達は自分に話しかけてくる。
草間彌生は心底驚いて、
恐怖で足が震えたそうです。
他にもいろんな不思議な体験をしたそう。
そんな時は、
いつも家に飛んで帰って、
見たものをスケッチブックに描いた。
そうした幻覚を描いた手帳を何冊もなん冊も持っていた。
それが、
彼女の絵の原点だったわけです。
現代だったら、
10歳でこのような幻覚や幻聴を子供が訴えたら、
間違いなく親は精神科に連れて行き、
幻覚や幻聴を消す抗精神薬を飲ますでしょう。
そしたら、
芸術家草間彌生は誕生してなかったわけです。
草間彌生は1929年生まれ。
当時は向精神薬はまだ登場してなかったのでしよう。
幸いでした。
また、
彼女の主治医の精神科医が優秀だったようです。
彼女は長野県松本市生まれ。
信州大学教授の精神科医に診てもらってました。
この精神科医が、
草間彌生のことを天才だ天才だ!
と
褒め称えました。
そして、
精神の安定のために家族から離れることを強く勧めました。
こうして
彼女は住みづらい窮屈な日本に見切りをつけて、
アメリカに渡り、
アメリカで芸術家としての才能を
花開かせるのです。
強烈すぎる!!
自伝を読むまでは、
男根アートが好きな彼女は、
てっきり性に奔放でセックス好きと思ってました。
逆なんですね。
まるっきりの逆。
性とセックスと男根が恐怖の対象。
恐怖の対象を作りまくりその中に埋もれることにより克服するという療法を自分で考え出した。
パニック障害や不安障害も、
その不安やパニックの対象や原因を避けるのでなく、
あえてそこに踏み入っていくべきなんでしょう。
抗不安薬飲んで誤魔化すのは最悪
これもまた微妙な作品。
今回の記事は18禁にするべきだったかしら?
ちなみに、
何故セックスや裸や性を隠さなくてはいけないのか?
ここにも草間彌生は果敢に斬り込んでます。
それはまた続きで、、、、
(笑)
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