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愛着のタイプ別診断〜親との関係をよくしたい人のための「愛着理論」の説明書3〜
親との関係をよくしたい人のための「愛着理論」の説明書
本マガジンでは、【親との関係をよくしたい人のための愛着理論の説明書】と題して、愛着理論について、できるだけわかりやすく解説していく。
対象としては、以下のような人に向けて、愛着理論を紹介する記事を書いていく。
✔︎親との関係をよくしたい人
✔︎子育て中の人
親との関係がうまくいかない人にとって、愛着理論の考え方は役に立つことがあるかもしれない。
親との関係は子育てに影響を与えることがわかっているから、子育て中の人にも役に立つことがあるかもしれない。
親子間の愛着の形の一致率は約70%(van IJzendoorn, 1995)
自分と親との関係を、『愛着理論』というものさしを使って客観的に眺めることで、少し冷静になって親と自分を捉えることができるだろう。
そのことが、親との関係性に何らかの変化を生じさせるかもしれない。
少なくとも自分は、愛着理論を学んで、親との関係がよくなった気がしている。
是非、一緒に学びを深めていきましょう。
愛着のタイプ(Fonagy et al., 2010を一部改変)
愛着には4つのタイプがあることがストレンジシチュエーション法という実験観察法によって示されている。
ここでは、その4つの愛着のタイプについてひとつずつ取り上げて、特徴を示してみたいと思う。
自分のベースにはどのような愛着の形があるのか、今の自分の特徴を振り返りながら、そして子どもの頃の自分の特徴についても振り返りながら、眺めてほしい。
1 回避型
【回避型の子どもの特徴】
・親と離れても不安な様子を見せない。
・親に再会した時に嬉しそうにしない。
・親に対しても、見知らぬ人に対しても、同じような反応をする。
【回避型の愛着が形成されやすい親の関わり】
・何をしても反応してくれない親
・気持ちに寄り添ってくれない親
【回避型の愛着が形成されるプロセス】
子どもは養育者に対して、ピンチの時に泣いて助けを求める。ただ、それに親が反応してくれない場合、子どもは絶望することになる。結果、次第に自分の感情を抑えるようになり、親への期待をしなくなる。それは、落胆することを避け、絶望による自分へのダメージを少なくするという子どもなりの方略である。
【予想される育ち】
・自分の気持ちを抑え込むようになる。また、自分の気持ちに気付きにくくなる。
・受け身的で、指示待ち。良い子を演じるようになる。
・精神的なストレスを適切に表現できないため、問題行動で表したり、身体症状に表れたりする。
2 安定型
【安定型の子どもの特徴】
・親がそばにいるときには、積極的に周囲を探索する。
・見知らぬに対しては不安を示し、避ける。
・親がいなくなると不安を示す。
・親との再会によって安心し、再び探索を始める。
【安定型の愛着が形成されやすい親の関わり】
・自分の感情を適切にキャッチして、不安を取り除いてくれる親
【安定型の愛着が形成されるプロセス】
安心できる親に対して、適切に自分の感情を表現し、親にそれを受け取ってもらうというやりとりを通して、安定型の愛着が形成される。前回の記事の安定した愛着形成のプロセスで形成されるのが、この安定型の愛着と言える。
【予想される育ち】
・自分の感情を適切な人に、適切な形で表現できるようになる。
3 アンビバレント型
【アンビバレント型の子どもの特徴】
・限られた探索行動や遊びしかしない。
・親の注意を引くことばかりに囚われている。
・親と離れる際には、この世の終わりであるというくらい激しく泣き叫ぶ。
・親と再会しても落ち着くことが難しい。
【アンビバレント型の愛着が形成されやすい親の関わり】
・子どもが助けを求めてきたときに、自分の都合で気まぐれで反応する親(親の行動に一貫性がない)
・子どもを脅すような(見捨てることを示唆するような)言葉をかける親
【アンビバレント型の愛着が形成されるプロセス】
子どもは親に対して、ピンチの時に泣いて助けを求める。親がそれに自分の都合で気まぐれで反応する場合、子どもはなぜ今助けてもらえたのか、あるいはなぜ助けてもらえなかったのかがわからず、混乱することとなる。混乱し、また不安も解消されないため、過度にアピールして助けを求めるようになる。激しく泣いたり、親に媚びたりなど、極端に感情的になって親の注意を引こうとする方略を身につけるということである。
【将来的な育ち】
・とにかく他者の注意を引くことに心を囚われる。自分の課題に取り組むよりも、他者の関心を集めることに力を注ぐようになる。他者の称賛を過度に求め、依存的になる。
・感情的になることで周囲の注意を引くという方略を身につけているため、思考よりも感情に支配されるようになる。
・激しく求めないと応じてもらえないという経験を積んでいるため、自分を無条件で愛される存在として自覚できない。
4 無方向・無秩序型
【無方向・無秩序型の子どもの特徴】
・とにかく奇妙で、よくわからない行動をとる。背を見せながら親に近づいたり、変則的な姿勢を取ったりなどの行動を取る。
【無方向・無秩序型の愛着が形成されやすい親の関わり】
・虐待との関連が指摘されている。
・子どもが助けを求めてきたときに、暴力を振るわれたり、怯えさせられる。
【無方向・無秩序型の愛着が形成されるプロセス】
子どもは親に対して、ピンチの時に泣いて助けを求める。安心を求めて親に助けを求めたにも関わらず、暴力を振るわれたりなどして逆に恐怖を感じるという体験が繰り返されると、子どもは常に恐怖の状態に置かれ、安心を感じるという体験が得られないまま成長することとなる。
【将来的な育ち】
・愛着障害(脳の萎縮、睡眠障害、共感能力の欠如、非行等)につながる。
・解離性障害(記憶の一部が抜け落ちたり、感情が麻痺したり、重度になると多重人格になったり)につながる。
あなたの愛着の形は?
愛着のタイプを4つレビューした。
自分の愛着が、上の4つのうちのどれかにきれいに当てはまる人もいれば、複合的に絡まっている人もいるかもしれない。
愛着のタイプがわかったからといって、すぐに劇的に何かが変わるわけではないけれど、自分の性格や特徴に、親の関わりが影響を与え続けているということを意識するだけでも、変化のスタートラインに立っていると言える。
中には、親の関わりを想像することで、親への怒りが込み上げてきたり、親に落胆したりする人もいるかもしれない。
それでも、乳幼児期の親の関わりが、今の自分に影響を与えているということを意識することからすべてはスタートするのである。
そのことについて、次回詳しく書いてみたいと思う。
次回も是非、よろしくお願いします。
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