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官僚制のユートピア / デヴィッド・グレーバー

残念ながら昨年亡くなってしまったデヴィッド・グレーバーの著書。彼の作品の中では読みやすいものとの事だったが読み切るのに2ヶ月近くを要した。とにかく内容が濃い。美味しいがアルコール度数が極端に高い酒のような本で、一気に読み進めることが困難であった。
マックスウェバーは民主主義をリーズナブルに運用する方法の答えは官僚制のだと説いている。19世紀に出したその見解が現代にミートしない部分を丁寧に論考していると本だと思う。右派が民営化を進める理由。しかし、民営化の裏で官僚的作業は大きく増える。中央銀行と右派の近さ。また右派と企業の近さ。ネオリベラリズムが吹き荒れる昨今どの国でも同じような状況にあることに驚かされる。リーマンショックで捕まった金融関係者はいない事。リーマンショックで金融機関が得た利益は、罰則金よりも大きい事。
官僚制の元、様々なノウハウを資格化し資格を得るために人は教室に通い、教室に通うためのお金を金融機関から借りる。そして資格を管理するための団体が運営される。デヴィッド・グレーバーが「ブルシットジョブ」名付けた仕事達である。
この様な話を皮切りに、様々な視点での論考が語られる。感想をまとめる事が困難なので、部分的に切り出して書いていこうと思う。

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