キャッチャーは筋トレしろ
昨今、野球界を賑わせている選手の”筋トレ”問題。2021年の沢村賞を獲得した山本由伸選手が全くウエイトトレーニングをしないことで有名になった。投手に関してのウエイトトレーニングに関しては「人による」が最も適した答えだろう。しかし、ことキャッチャーに関してウエイトトレーニングをしないということはありえない。
キャッチャーが筋トレをしなければならない理由は3つ。1つ目がキャッチャーのスキルが筋肉量と比例すること。2つ目が、キャッチャーというポジションは野球のなかで最も衝突の可能性が高いポジションだということ。そして3つ目が身長をカバーできるという点だ。
キャッチャーのスキルは筋肉量と比例する
キャッチャーのスキルとして挙げられるのがキャッチング、ブロッキング、送球、などである。キャッチャーは基本的に座った状態でプレーをしなければならない。それによってキャッチャーは他のポジションの選手よりも圧倒的な下半身の筋肉量が必要になる。座った状態から左右上下に細かく動いてプレーすることが求められるのだ。スクワットやランジ系の下半身強化のウエイトは必須である。また、セカンド送球もキャッチャーの大事なプレーである。キャッチャーは0.1秒でもセカンド送球のタイムを縮めようと必死なのだ。セカンド送球の速さは肩の強さだけではない。特に大事になるのが脚の運びだ。送球時に如何に脚の切り替えと運びを早くできるかで、セカンド送球のタイムに差が生じる。この”脚の運び”のタイムを縮めるためにやはり下半身のトレーニングをしなければならない。
衝突に備える
キャッチャーというポジションは野球の中で最も衝突の可能性が高いポジションである。現在コリジョンルールは適応されているものの、アクシデントによる走者との衝突や、故意による衝突も起こりうる。走者は走りながら勢いをつけてホームに向かって来るので止まりながら待ち構えるこちら側は分があるい。そんな時に必要になるのはシンプルな体の強さである。体の強度を鍛えるためには全身のウエイトトレーニングが必要になる。キャッチャーに求められる体はラグビー選手やアメフト選手のような当たり負けしない体である。具体的には身長ー95kgの体重が基準となる。
身長をカバーする
キャッチャーというポジションは野球の中で唯一身長が低いことがメリットとなるポジションである。他の野手、または投手は身長が高いほうが有利なことが多いが、ことキャッチャーに関しては違う。2020東京オリンピックに選出されたキャッチャーは二人。ソフトバンクホークスの甲斐 拓也選手と阪神タイガース梅野隆太郎選手である。
甲斐選手の身長が170cm(推定168cm) 体重が85kg。プロ野球の平均身長は180cmを超えることからも如何に甲斐選手の身長が低いかがわかる。しかし、甲斐選手は東京オリンピックで日本の正捕手として活躍し、金メダル獲得に大きく貢献した。
日本代表の二番手キャッチャーとして活躍した阪神タイガースの梅野選手の身長は173cm 体重が75kg。彼もまたプロ野球の平均身長よりは遥かに低い。
このように実質日本1、2のキャッチャーの平均身長は170.2cm。むしろ小さい方がキャッチャーにとっては有利とも言えるデータである。キャッチャーは細かい動き+小回りの聞く動きが求められるので小さい方が有利なのである。細い道を走るとき、トラックより軽自動車の方が走りやすいのと同じである。
身長が低い分、筋肉量と体重で補う必要がある。甲斐選手の場合は身長が168cmであるのに対し、体重が85kgあり、梅野選手も身長173cmに対し体重は75kgである。彼らはウエイトトレーニングによって筋肉量を上げ、同時に体重を上げる。それによって力強いプレーができるようになる。
このようにキャッチャーはウエイトトレーニングをしない理由が見つからない。ウエイトトレーニングのメリットは上記のようにいくつも挙げられるが、デメリットは見つからない。キャッチャーをしている選手は今日からでもウエイトトレーニングを始めるべきなのだ。
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