2大メジャー映画会社の合作!火事版『タイタニック』のようだったパニックムービー『タワーリング・インフェルノ』
【個人的な満足度】
「午前十時の映画祭13」で面白かった順位:5/10
ストーリー:★★★★★
キャラクター:★★★★★
映像:★★★★★
音楽:★★★☆☆
映画館で観たい:★★★★★
【作品情報】
原題:The Towering Inferno
製作年:1974年
製作国:アメリカ
配給:ワーナー・ブラザース映画=20世紀フォックス
上映時間:165分
ジャンル:パニック
元ネタなど:小説『ザ・タワー』(1973)
小説『ザ・グラス・インフェルノ』(1974)
【あらすじ】
サンフランシスコに地上550メートル、138階建の超高層ビル、グラスタワーが完成した。
最上階に300名の来賓を招いた落成式が始まる頃、81階にある物置室の配電盤のヒューズから火花が飛んだ。その小さな火は瞬く間に燃え広がり、巨大な炎となってビルを覆い尽くしていく。
取り残された数百人の生命を救うべく、消防隊長オハラハン(スティーヴ・マックイーン)とビルの設計者ロバーツ(ポール・ニューマン)は、決死の消火活動に挑む。
【感想】
「午前十時の映画祭13」にて。1974年のアメリカ映画。1970年代に起こった「パニック映画ブーム」の中でも最高傑作と評され、日本でも世界でも公開された年の興行収入ランキングで1位だったほどです。
<大手映画会社による合作>
この映画、まず作られた経緯がすごいんですよ。ワーナー・ブラザースと20世紀フォックスというアメリカの大手映画会社の合作で。現代においてはそういうのはめずらしくないですが、当時として画期的だったみたいですね。もともとは、それぞれの会社が別々の小説を映画化しようとしたたしいんでうすけど、あまりにも設定が似通っていたのと、製作費もかかりそうっていうことで、ひとつにまとめていっしょに作ることになったという経緯があります。そこで、主にワーナーの作品に出ていたスティーヴ・マックイーンと、主に20世紀フォックスの作品に出ていたポール・ニューマンの共演ですよ。まるで『ドラゴンボール』の孫悟空とベジータがフュージョンしたようなインパクトだったんじゃないでしょうか。
<極限状態に陥ったときの人間模様が見どころ>
で、内容はというと超高層ビルの火災に翻弄される人々を描いたパニック映画です。この前観た『バックドラフト』(1991)は消防士の生き様に焦点を当てたヒューマンドラマでしたが、本作はそういった要素はなく、逃げ惑う人々のカオスっぷりを描いています。そのためか、『タイタニック』(1997)(の後半)を思わせる要素が多かったように感じました。しょっぱならから、舞台となるグラスタワー内でボヤ騒ぎが起こるんですが、社長が「できたばかりのビルで火災なんて起きるわけない」って絶対の自信を持っているんですよ。それが結局は大火災に発展するわけですが、「タイタニック号が沈むわけない」と言っていたのに、結局沈没してしまったことを思い起こさせるんですよね。他にも、助かりたいがために他人を蹴落とすような人がいたり、人生最後かもわからない中で愛する人に気持ちを伝えたりと、極限状態に陥った人間模様が見どころです。まあ、パニック映画って大体そんな感じかもしれませんが(笑)
<衝撃的なラスト>
そしてこの映画、何と言ってもラストがけっこうびっくりな展開です。ネタバレになるので詳細は割愛しますが、必死の消火活動にも関わらず、もうこれ以上は無理だとなったときのまさかすぎる判断。「何人かは生き残れるかもしれない」という運任せな手段を採ることに心底驚きました。いや、火を消すことを第一に考えたときに、あれしか方法がないっていうのもわからなくはないですが、、、水に押し出されて135階から落ちた人とか悲惨すぎですよ。。。あの最後のやり方で亡くなった方への補償って誰がしてくれるんでしょうね。。。決断および実行した消防署か、火災の原因を作ったビル側か。何にせよ、市民の犠牲が多すぎるところが意外です。
<そんなわけで>
映画史に残るパニック映画として見逃せない作品です。ビルの設計者として最後まで消火活動に協力するロバーツを演じたポール・ニューマンも、常に冷静に目の前のトラブルに対処していくオハラハンを演じたスティーヴ・マックイーンもかっこよすぎです!
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