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アラゴルンの王たる器とサムの健気さに感激し、総力戦すぎる大軍勢バトルの"エンドゲーム"感に大興奮だった『ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還』

【個人的な満足度】

  ストーリー:★★★★★★★★★★
 キャラクター:★×20
     映像:★×20
     音楽:★★★★★★★★★★
映画館で観たい:★★★★★★★★★★

【作品情報】

   原題:The Lord of the Rings: The Return of the King
  製作年:2003年
  製作国:アメリカ
   配給:ワーナー・ブラザース映画
 上映時間:201分
 ジャンル:ファンタジー、アドベンチャー
元ネタなど:小説『指輪物語』(1954-1955)

【あらすじ】

邪悪な力を持つ指輪を滅びの山に捨てるべく旅を続けるフロド(イライジャ・ウッド)とサム(ショーン・アスティン)。しかし、同行するゴラム(アンディ・サーキス)の策略にはまり、仲を裂かれてしまう。

一方、ヘルム峡谷の戦いで思わぬ敗北を喫したサウロン軍は、総力を結集して人間の国ゴンドールを襲撃。ガンダルフ(イアン・マッケラン)やアラゴルン(ヴィゴ・モーテンセン)ら旅の仲間たちがこれに立ち向かう。

果たして、フロドたちの旅の行く末は……。

【感想】

『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズ第3作目。壮大な冒険の締めくくりにふさわしい、最高に面白い映画でした。。。この完結編はシリーズを通して一番好きな作品です。

<最後の最後まで面白い秀逸な作品>

映画公開20周年を記念して、期間限定で全三部作をIMAXで上映している今回の企画。最高すぎますよ。世代的には『ハリー・ポッター』シリーズと並んでファンタジー映画の二大巨頭だと思っています。リアルタイムで観ていた高校生のときと同じ感動と興奮を、大人になった今でも感じることができるなんて幸せですね。

今回の作品は201分とシリーズで一番の長尺です。でも、時間の長さなんてまったく気にならないほど面白いんです。滅びの山に向かうフロドとサムですが、邪魔をするゴラムのせいで最後までどうなるかヒヤヒヤしますし。大軍勢との戦いを控えるガンダルフたちの、敵との戦力差がありすぎる状況にソワソワしますし。最後の最後まで目が離せない構成が素晴らしいです。

<敵味方入り乱れる大乱戦シーンは映画史に残る迫力>

今回の作品で一番の見どころと言えば、やっぱり後半の大乱戦シーンですね。実は、『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019)を初めて観たとき、真っ先に思い浮かんだのがこのシーンなんですよ。おびただしい数のオークたちを前に、なんとか持ちこたえるガンダルフですが、次々に迫りくる敵の猛攻にピンチに陥ります。そこを、セオデン王(バーナード・ヒル)が大軍を引き連れて加勢にやってきて。さらに、アラゴルンたちもかつての亡霊を味方に引き入れて応援に駆けつけます。そのシーンがメチャクチャかっこよくてですね。。。味方のピンチに仲間を大勢引き連れてやってくる構図、しびれました。しかも、亡霊軍団は無敵なんですよ。こちらからの攻撃は当たらないけど、向こうからの攻撃は当たりますから。そもそも死んでるから、これ以上死ぬことはないっていうチートですよね(笑)

<シリーズを通して一番憧れるのはアラゴルン>

これはシリーズを通しての話になるんですが、この『ロード・オブ・ザ・リング』において、僕が好きなキャラクターが2人います。一番好きなのは、やっぱりアラゴルンですね。もともと由緒正しき家系の末裔っていうのはあるんですが、とにかく誠実かつ強い。前作でセオデン王が戦意を失ったときも、アラゴルンが兵士の士気を高める役割を果たしましたし、今回もリーダーとして先陣を切って前線で戦っていました。『キングダム』に出てくる名武将を思わせるんですが、そういう人にはみんな付いていきますよ。彼には腕っぷしの強さだけでなく、組織を動かす力もあります。アラゴルンみたいな上司が欲しいと本気で思いました(笑)

<実は一番活躍しているんじゃないかと思うサム>

もう一人はサムです。ぽっちゃりした体型から、おっとりした印象を持ってしまいますがとんでもない!実はこの映画で一番活躍しているんじゃないでしょうか。サムはとりわけ何かに優れた能力を持っているわけではありません。でも、常にフロドを気遣い、支える優しさと、彼のピンチには進んで体を張る勇敢さがありました。フロドのために一生懸命になれるところはとても好感が持てます。こういう後輩がいたらいいなと本気で思いました(笑)

ただ、正直、いまいちフロドとの関係性がわからないところがあります。サムって庭師なんですよね。で、フロドのことを「様」をつけて呼んでるんですけど、そんな身分に差があるのか、お客様っていう意味合いでそう呼んでいるのか、どっちなんでしょう。何にせよ、サムがいなかったら、今回の旅は完遂できなかったと思うので、彼の果たした役割は、ある意味ガンダルフやアラゴルンよりも大きかったんじゃないかなと思います。

<主人公が一番地味、、、?>

ふと思ったんですが、この映画シリーズ、主人公のフロドが一番地味だと思うのは僕だけでしょうか。この手の話って、最初は弱々しかった主人公が、旅を通じて強くなったり、大人になったり、そういう変化があるのが定石だと思います。でも、フロドはそこまで大きく変わってはいない気がするんですよ。そりゃあれだけの旅をしましたから、旅を始める前とは心境の変化があるとは思います。でも、映画ではそこまでは描かれていないんですよね。そもそも、旅のきっかけだってたまたま家に指輪があったから、それを滅びの山に持っていくてだけじゃないですか。何か特別な力が隠されていたり、能力があるわけでもありません。旅を通じて屈強な戦士になっていくわけでもないですし。本当に平凡な人物だったと思います。その平凡さゆえに、多くの観客が自分を重ねやすいというか、身近に感じやすいっていうのはあるしれませんけど。

とはいえ、フロドはまわりのサポートがすごいんですよね。みんな彼のために動いています。指輪という重圧を抱えることを率先して請け負ったその覚悟を認めたってことでしょうかね。結局、フロド自身の人間性はあまり変わらず、粛々と自分の使命をまっとうしようとしているだけなんですけど、まわりのフォローが凄まじく、彼がまわりに生かされているという状況が特徴的だなと感じました。

変化がないのは他のキャラクターも同じかもしれませんね。ガンダルフはずっとみんなを引っ張っていますし、アラゴルンやレゴラス(オーランド・ブルーム)も最初から強いまんま。ホビットの他の3人も何か大きく変わったっていう描写はなかったように思います。サムの献身的な姿勢だって、最初からあんな感じでしたしね。『ハリー・ポッター』シリーズの方が、各キャラクターの成長や変化が顕著な気がします。

<そんなわけで>

映画史に残るファンタジー超大作の完結編、最高に楽しめました。『アベンジャーズ/エンドゲーム』もきっと参考にしたんじゃないかなって思う後半の大乱戦は、ぜひIMAXで観てほしいです。。。


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