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「いや、絶対生きていけないだろ」としか思えない足の生えた貝にツッコミどころしかなかった『マルセル 靴をはいた小さな貝』
【個人的な満足度】
2023年日本公開映画で面白かった順位:89/100
ストーリー:★★★☆☆
キャラクター:★★★☆☆
映像:★★★★☆
音楽:★★★☆☆
映画館で観たい:★★★☆☆
【作品情報】
原題:Marcel the Shell with Shoes On
製作年:2021年
製作国:アメリカ
配給:アスミック・エース
上映時間:90分
ジャンル:ストップモーション・アニメーション、モキュメンタリー
元ネタなど:同名の短編作品(2010-2014)
【あらすじ】
体長2.5センチ。名前はマルセル。おしゃべりで好奇心あふれる貝。祖母のコニーと一軒家でふたり暮らし。
ある日、家に越してきた映像作家のディーンと出会い、初めて人間の世界を知ることに。離れ離れの家族を見つけるため、YouTubeに動画をアップしたところ、SNS上で瞬く間にバズり、一躍全米の人気者になるのだが……!?
【感想】
予告で観たときに気になったんですよ。実写×ストップモーション・アニメーションってことで。しかも、メチャクチャいろんな賞を獲っている上に、あのA24が北米での配給権を獲得したというからさらに期待が高まっていたんですが、いざ観てみると、個人的には「うーん?」って感じでしたね(笑)マルセルはかわいかったんですが。
<か、貝、、、?!>
この映画は、監督であるディーン・フライシャー・キャンプが、劇中の映像作家役としても登場しており、フィクションでありながらもドキュメンタリーのように見せかけたモキュメンタリー手法で作られています。主人公は貝なのに目と足があり、人間の言葉を話すマルセルという謎の生物。謎の生物っていうか貝なんですけど(笑)でも、貝なのに陸上で生きていけるという謎設定なんですよ。もうここはそういうものだと受け入れるしかありません。現在、マルセルは祖母と2人暮らしですが、もともとは巨大コミュニティを築くほどたくさんの個体が存在していた。そう、貝だらけだったわけです(笑)
<ドキュメンタリーらしく淡々とした展開>
構成としてはドキュメンタリーなんでね、マルセルの日常や今の心境などをインタビューで掘り下げていく形です。まあ、淡々としてるっちゃしてますよ。これが自分の興味ある人物に対するインタビューなら聞いていて面白いんですが、ただの貝ですからね。。。(笑)みんながよく知っているキャラクターとか空想上の生き物とかならまだしも、ただの貝ですからね。。。(笑)
そんなんだから、いろいろ細かいところが気になっちゃうんですよ。まず、アメリカの広い一軒家に、体長2.5cmの貝が2匹。テニスボールの中に入って転がりながら移動したり、電動ミキサーと庭の木を紐でくくりつけて、回転させることで枝を揺らして果実を落としたりと、なかなか知恵を使った生活をしているんですが、「物理的に無理じゃない?」って(笑)マルセルって足はあるけど手はないからさ、そもそもどうやってそんな仕掛けを作ったのかなって。ネズミぐらいの大きさならまだわかりますが、あんな小さくて軽い貝にはいろいろ無理があるんじゃないか。。。
<かわいさに癒されはする>
とはいえ、その小さな体で一生懸命に生きる姿や、祖母との平和なやり取りは単純にかわいいです。レコードの上を歩いたり、車酔いでゲロ吐いちゃうところとなんかはキュートです。あの高い声も『グレムリン』シリーズのギズモを彷彿とさせるものがあります。そして、それを実現させた実写とストップモーションを融合させた映像はすごいとは思いました。
<そんなわけで>
とにかくキャラクターに癒される映画ではあると思います。ただ、内容は淡々としていて個人的にはあんまり。。。観る人を選ぶ作品かもしれません。。。とりあえずかわいいキャラクターを観たい人ならぜひ(笑)