シリーズを通して死闘を繰り広げていた二人が実は親友同士だったという過去と新次元のリアルCGに興奮しっぱなしだった『トランスフォーマー/ONE』
【個人的な満足度】
2024年日本公開映画で面白かった順位:7/105
ストーリー:★★★★★★★★★★
キャラクター:★★★★★★★★★★
映像:★×20
音楽:★★★★★
映画館で観たい:★★★★★★★★★★
【作品情報】
原題:Transformers One
製作年:2024年
製作国:アメリカ
配給:東和ピクチャーズ
上映時間:105分
ジャンル:CGアニメ、SF、アクション
元ネタなど:映画『トランスフォーマー』シリーズ(2007-)
公式サイト:https://tf-movie.jp
【あらすじ】
ロボット生命体トランスフォーマーが暮らすサイバトロン星の地下都市。変形能力を持たない労働ロボットのオプティマスプライム(オライオンパックス)とメガトロン(D-16)は固い友情で結ばれ、いつかヒーローになることを夢見ていた。
そんなある日、謎のSOSメッセージを発見した2人は仲間のバンブルビー(B-127)やエリータ-1とともに、侵入を禁止されている地上世界へ向かう。そこで恐ろしい陰謀の存在を知った彼らは、新たに授かった変形能力を使って危機に立ち向かうが、オプティマスプライムとメガトロンの正義感に少しずつ隔たりが生じ始める。
【感想】
『トランスフォーマー』シリーズ通算第8作目です。映画の中で正史として引き継いでいるのか、それとも話の繋がりはあまりないのかはちょっとわかりませんが、とにかく2007年の実写版1作目から数えて8作目です。若き日のオプティマスプライムとメガトロンを描いた作品で、親友同士だった2人がどうやって仲違いしていくのか、その過程がメチャクチャ面白い作品でした。
<最大の敵は最大の親友だった>
オプティマスプライムとメガトロンってずっと敵同士だったんですよ。それこそ、実写版1作目の『トランスフォーマー』からそうですし、その前からやっているアニメ版でもそうでした。なので、その関係性について特に疑問を持たなかったのですが、、、まさか若い頃は親友だったという設定があったとは。。。労働ロボットとして日々採掘作業に従事し、変わらない日々を仲良く過ごしていた2人。それが、ひょんなことからサイバトロン星の秘密に迫ることになり、その過程で2人のちょっとした価値観の違いから、修復不可能な溝が生まれてしまいました。
<純粋な人ほど闇落ちしやすい>
ネタバレを控えて詳細は割愛しますが、オライオンパックス(後のオプティマスプライム)とD-16(後のメガトロン)の関係性に亀裂が入るきっかけとなったのは、ある人の裏切りでした。オライオンパックスは楽観的ですが正義感が強く、裏切りにあった後もその人をどうこうしてやろうという気持ちよりも、むしろサイバトロン星の未来をどうするかを考えるタイプでした。
一方で、D-16は優しくて友達想いである反面、純粋で憧れの対象に傾倒しやすい性格です。他の作品でも見かけますが、純粋な性格であればあるほど闇堕ちしやすいですよね(笑)D-16は裏切られたことが相当ショックだったようで、「死をもって償え」という極端な考えを持っていました。だから、彼は裏切った相手を殺すことにこだわり、強大な力を持ってすればそれが可能であることを知り、さらに今後誰にも欺かれないように自らが指揮する立場に立ったんです。印象的だったのは彼が闇落ちする瞬間ですね。先の裏切り者との戦いの最中、親友だったオライオンパックスが地下深くに落ちてしまいそうになって、即座に手を握って引っ張り上げようとしたのですが、一瞬迷った挙句、その手を離すことを決意します。そのときに目が真っ赤に変わるんですが、まさにそれこそがD-16が完全に悪に染まった瞬間だったんだなあと。
<オプティマスプライムとメガトロンの誕生に感極まる>
結局、D-16はその悪に満ちた心と、サイバトロン星の初代トランスフォーマーのひとりであるメガトロナスプライムのコアを受け継ぎ、メガトロンへ進化します。対して、その正義感の強さを見込んで先人たちからサイバトロン星の未来を託されたオライオンパックスは、リーダーの証であるマトリクスを受け継ぎ、オプティマスプライムへと進化します。この進化するシーンがですね、メチャクチャ感極まって涙出ちゃったんですよ。「ああ、こうやってメガトロンに、こうやってオプティマスプライムになっていったのか」って。これで実写版は10年もこの2人の戦いが続きましたからね。その始まりを知れたことはシリーズを追っている身からしたら感慨深いったらないですよ。
<圧巻の映像美>
あとはやっぱり映像のクオリティがピカイチでした。この映画の公開が決まったとき、最初は「実写でやればいいのに」と思ったりもしましたが、ノンノン、この作品はCGアニメが正解でした。なぜなら、オライオンパックスとD-16の友情は、人間らしい表情があってこそでしたから。今までのような実写だとリアルすぎて表情わかんないですよ。だから、キャラクターの心情も理解づらいなって(笑)CGアニメだからと言って、変にコミカルすぎることもなく、サイバトロン星の金属感あふれる世界観はもちろんのこと、トランスフォームのシーンはリアルでしたし、冒頭のレースや終盤の大乱戦のシーンはリアルさを残しつつもアニメらしいテンポのよさもあってとても観やすかったです。実写でもCGアニメでも、相変わらずこのシリーズは映像がすごいですよ!
<そんなわけで>
死闘を繰り広げてきた敵同士の2人が、実はもともと唯一無二の親友だったっていう設定が本当に胸アツの映画でしたね。長年続いたシリーズだからこそ、前日譚がここまで印象深いものになるんだと思います。シリーズを追っている人はもちろんのこと、初めて観る人でも楽しめると思うのでオススメです!オプティマスプライムの声を演じたのはクリス・ヘムズワースですが、それまでの声優のピーター・カレンと似た声質だったのもよかったです。最後の“I am Optimus Prime”はもうシリーズを通しての名ゼリフですよね。ここの声はまさにピーター・カレンかと思った思ったほどです。この"I am ~"のところは、個人的には“I am Iron Man”より好きかもです(笑)
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