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スプラッター全開!ハロウィンの夜に現れる不死身の殺人鬼を描く、40年以上続く老舗ホラー映画『ハロウィン KILLS』

【個人的な評価】

2021年日本公開映画で面白かった順位:174/231
   ストーリー:★★★☆☆
  キャラクター:★★★★☆
      映像:★★★★☆
      音楽:★★★☆☆
映画館で観るべき:★★★☆☆

【要素】

ホラー
スプラッター
ハロウィン

【元になった出来事や原作・過去作など】

・映画
 『ハロウィン』シリーズ(1978~)

【あらすじ】

40年におよぶローリー・ストロード(ジェイミー・リー・カーティス)と“ブギーマン”ことマイケル・マイヤーズ(ジェームズ・ジュード・コートニー)の因縁の戦いに決着がついたかに見えた。しかし、悪夢は終わってはいなかった。

ローリーの仕掛けたバーニングトラップから生還したマイケルは、過去を背負う街ハドンフィールドでさらなる凶行を重ねる。恐怖に立ち向かいブギーマンとの戦いを選ぶ者、その恐怖に耐えかね暴徒と化す者。

果たして、ハドンフィールドの運命は!?そして、物語はついにブギーマンの正体に迫り新たな展開を迎える―!!

【感想】

『ハロウィン』シリーズ第12作目。気持ちいいぐらいのスプラッター映画でした。この前の『キャンディマン』(2021)とは違って、ちゃんとスプラッター映画らしいスリルと恐怖を味わえます(笑)

<ホラー映画の金字塔>

ちょっと感想とはズレてしまいますが、このシリーズについてちょこっと書かせていただきますね。『ハロウィン』シリーズはハリウッドのホラー映画史を語る上では外せない作品です。なぜなら、1978年に第1作目が公開されたことで、後の『13日の金曜日』シリーズや『エルム街の悪夢』シリーズ、『チャイルド・プレイ』シリーズなどのスラッシャー映画(殺人鬼が集団を追いかけて刃物で殺す映画)に影響を与えたらしいので。なお、第1作目の『ハロウィン』(1978)は、30万ドルの製作費に対して、興行収入が全世界で7000万ドルだったそうです。夢がありますね~。その『ハロウィン』も『サイコ』(1960)の影響を受けているらしいので、こうやって恐怖のDNAは受け継がれていくんだなって感じですよね。ちなみに、『サイコ』でヒロインを演じたジャネット・リーと、『ハロウィン』シリーズでヒロインを演じているジェイミー・リー・カーティスは、実際に親子っていう不思議な縁もあるんですけど。

<シリーズの流れがちょっと複雑>

さて、このシリーズはいろいろ枝分かれしていて複雑なのだけど、1978年の第1作目の続編として、2018年から新たな三部作が公開。今回はその二作目に当たります。なので、『ハロウィンⅡ』(1981)からの設定は”なかったこと”になってます(笑)ハリウッド映画あるあるですね。ウィキペディアからの引用ですが、シリーズの繋がりを示したわかりやすい図があるので添付しておきます。

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今回の作品を楽しむには、1978年の第1作目と2018年の『ハロウィン』(タイトル同じなのでややこしいですが)を観ておけばいいということです。ただ、、、2018年のものはアマゾンで配信されているんですが、それ以外の作品が全然なくて。。。アマゾンには『ハロウィンⅡ』と『ハロウィンⅢ』(1982)のみなんですよ。他はTSUTAYAでレンタルするしかありません。僕は3軒ハシゴしました。。。渋谷と西日暮里と武蔵小山に行けば全部揃うんですが、『ハロウィン6 最後の戦い』だけがどこにもなくて。。。ヤフオクでプレミアついたものを落札するしか、今は方法がなさそうです。マーベル作品に出てるアントマン役のポール・ラッドが出てるので観たかったんですが(泣)何はともあれ、第1作目は音の使い方が秀逸なので、ぜひ観ていただきたいですけどね!

<変わった作品の方向性>

シリーズの概要を簡単に言ってしまうと、サイコパスな殺人鬼であるマイケル・マイヤーズから逃げ惑う話です。彼が執拗に追いかけているのは、妹のローリー・ストロード。正直、追いかける理由は劇中ではほぼ語られていません。枝分かれした別の作品で、マイケルの幼少期の家庭環境に起因することは明らかになっているんですが、第1作目から続く今回の流れでは触れられていないんですよね。あえて人格を持たせないことで、マイケルが黙々と人を殺しまくる恐怖をより引き立たせているんだと思います。

ただ、マイケルから逃げまくっていたのは、第1作目および昔のシリーズの話でして、2018年の前作からはマイケルと真っ向勝負を挑む話に変わっています。もはや『エイリアン』シリーズのリプリーや『ターミネーター』シリーズのサラ・コナーのように、ヒロインが戦う女戦士になってます。なので、ホラーとは言いつつも、そこまで怖くはないんですよね。まあ、いきなり出てきてちょっとびっくりしたり、惨殺シーンが多いっていう意味での怖さはありますけど。

<スプラッター要素が強くなった三部作>

今回の三部作に入ってから特に見せ方が変わりましたね~。これまでは「乳は出るけど血は出ない」っていうケースが多かったんですよ。ホラーあるあるの恐怖とエロが混在しているっていうやつです。ところが、前作からその逆になり、「乳は出ないけど血は出る」というスプラッター寄りになりました。ロブ・ゾンビ監督の方もスプラッター要素は強かったですが、乳は出てたんで(笑)今回の三部作はエロ要素は一切なく、殺人鬼との対決に焦点が置かれています。マイケルの殺し方がとにかく残忍ですよ。人を刺すときも、壁に頭を打ちつけるときも、最低5回は繰り返すんで。完全に息の根を止めにきているのが伝わってきますね。

<真の恐怖とは何か>

ストーリーの内容的なところでも、今回は"恐怖"が何なのかを掘り下げていたのも印象的なところです。確かにマイケルの存在自体は、この40年、ハドンフィールドの人々を震え上がらせていました。でも、本当に怖かったのは、彼そのものよりも、彼が植え付けた恐怖心なんですよね。それが集団心理となって、人々がパニックを引き起こし、何の罪もない人を追い詰めるシーンは、改めてホラーやスプラッターとは異なる"恐怖"を提示していたと感じました。

<40年ぶりのキャストの続投>

あと、今作で見どころなのは、1978年のキャストが一部続投していることです。ヒロインのジェイミー・リー・カーティスはもちろんのこと、当時子役だったカイル・リチャーズや看護師を演じたナンシー・スティーヴンス、保安官役のチャールズ・サイファーズまで。カイル・リチャーズって、ヒルトン姉妹の叔母なんですが、1作目のときはまだ8歳でした。それが今やすっかりアラフィフですけど。『スター・ウォーズ』シリーズもそうですが、ハリウッド映画の長く続くシリーズで、同じキャストを起用するのは好きです。感慨深さがありますね。作品の中で流れた時間分だけ、本人も歳を取ってるっていうのが。

<その他>

血がダメな人は観れないと思いますが、シリーズを通して観た人は今回の三部作は必見ですね。撃たれても焼かれても死なないマイケル・マイヤーズ。今作も衝撃のラストを迎えつつ、来年公開予定の続編にして三部作の完結編で、どう物語を締めくくるのか、今から楽しみです。


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