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原作のよさはどこへやら。コレジャナイ感が強すぎた『聖闘士星矢 The Beginning』

【個人的な満足度】

2023年日本公開映画で面白かった順位:49/64
  ストーリー:★★★☆☆
 キャラクター:★★★☆☆
     映像:★★★★★
     音楽:★★★☆☆
映画館で観たい:★★★☆☆

【作品情報】

   原題:Knights of the Zodiac
  製作年:2023年
  製作国:日本
   配給:東映
 上映時間:112分
 ジャンル:アクション
元ネタなど:漫画『聖闘士星矢』シリーズ(1985-)
      テレビアニメ『聖闘士星矢』シリーズ(1986-)

【あらすじ】

自らの身体に“小宇宙”という力が宿っていることを知らない若者、星矢(新田真剣佑)。地下格闘技でその日暮らしをしながら生き別れた姉を探していた彼は、ある日、闘いの最中にその“小宇宙”を発したことで謎の集団から狙われることに。彼らは強い“小宇宙”の持ち主と、シエナ(マディソン・アイズマン)と言う女性の命を狙っていた。

ペガサスの星のもとに生まれた星矢の使命は“知恵”と“戦い”の女神アテナの生まれ変わりであるシエナを守り、世界を救うこと。自らの秘めた力に気づいたとき、彼はこの世界を救う“聖闘士”となる。

【感想】

週刊少年ジャンプで連載されていた『聖闘士星矢』初の実写映画ですね。いやー、あの世界観をほとんど無視した作りに、これは各レビューサイトの点数が低くても仕方ないなと思ってしまいました(笑)

<原作とは別物です>

僕は『聖闘士星矢』って微妙に世代じゃないんですよ。だから、当時は漫画もアニメも観ておらずでして。今回の映画のために全部観ようとは思ったんですけど、調べたら漫画もアニメも現在に至るまで続いていて数がメッチャ多いんですよね。なので、とりあえず原作漫画の13巻、「十二宮編」の最後まで漫画を読みました。

が、しかし!原作とは完全に別物になっているため、もはや原作を追う意味はありませんでした(笑)言い換えれば、原作を知らなくても問題ないっていうことにはなるんですけど。むしろ、知らない方がいいかもしれません(笑)この作品って、ギリシャ神話を題材にしたストーリーと星座をモチーフにしたキャラクターがウリだと思うんですけど、今回の映画ではその要素はどこへやらって感じだったんですよ。さすがにゼロではなかったものの、あのファンタジーな雰囲気は皆無でしたね。むしろ、体内にある"小宇宙"と呼ばれる不思議な力に着目したSFっぽい感じが強かったです。

それはそれでハリウッド映画らしくて、個人的には嫌いじゃないんですよ。嫌いじゃないんですけど、あのファンタジー感が強かった原作が、一気に現実っぽくなってしまったことへの違和感は残りましたね。しかも、SFっぽさが強くなっているにも関わらず、マリンとの修業は漫画っぽくて、うまく世界観が融合しきれていない印象も受けました。

<聖衣(クロス)のデザインがまったく違う>

聖衣(クロス)のデザインが原作と大きく違うのもこの映画の特徴ですね。もちろん制作側としては、デザインを変えてしまうことによるファンからの反対意見なんて百も承知です。ただ、やっぱり漫画と実写は違いますからね。これは実際に役者が体を動かすことも踏まえて、あえてヨーロッパの鎧風のデザインにしたらしいんですけど。もちろん、事情はメッチャ理解できます。できますが、あの聖衣(クロス)も『聖闘士星矢』のアイコンみたいなところはあるので、ここもまたコレジャナイ感を強くしている要因なんじゃないかなとは思いました。変身シーンは体の部位ごとにパーツが装着されていく形でかっこよかったんですけどね~。個人的には、ヨーロッパの鎧風でもいいんですけど、キャラクターによる差をもう少し出してほしかったです。今回はペガサスとフェニックスしか出てきませんが、2人の聖衣(クロス)の色味がほぼ同じだから、身にまとったオーラの色の違いでしか判別できませんでしたから(笑)

<アクションはさすがのハリウッド>

世界観はそんな感じなんですけど、アクションや映像はすごいです。VFX全開の超絶バトルはやっぱり圧倒されますよ。特に、ペガサスとフェニックスの戦いはド派手すぎて興奮モノです!でも、終盤のシーンは完全に『X-MEN:ファイナル ディシジョン』(2006)および『X-MEN:ダーク・フェニックス』(2019)じゃないかと思いましたけどね(笑)あの力の暴走っぷり。ジーン・グレイかって。ファムケ・ヤンセン出てますけど(笑)

<そんなわけで>

日本が誇る漫画のハリウッド実写版ってことですが、かつての『ドラゴンボール EVOLUTION』(2009)並みに別物だと思いました(笑)作品のテイストも変わっちゃってるので、漫画アニメに慣れ親しんだ人には向かないかもしれません。唯一、新田真剣佑さんの肉体がバッキバキだったのは推せます(笑)


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