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【ネタバレあり】壮大なSF映画ってだけじゃない。時空を超えた親子の愛があるからこそこんなにも面白いんだと思った『インターステラー』

【個人的な満足度】

2024年日本公開映画で面白かった順位:-(リバイバル上映のため対象外)
  ストーリー:★★★★★★★★★★
 キャラクター:★★★★★★★★★★
     映像:★★★★★★★★★★
     音楽:★★★★★★★★★★
映画館で観たい:★★★★★★★★★★

【作品情報】

   原題:Interstellar
  製作年:2014年
  製作国:アメリカ
   配給:ワーナー・ブラザース映画
 上映時間:169分
 ジャンル:SF
元ネタなど:なし
公式サイト:https://warnerbros.co.jp/c/news/2024/10/3973.html

【あらすじ】

※映画.comより引用。
近未来、地球規模の異常気象と飢饉によって人類滅亡の危機が迫っていた。

元宇宙飛行士のエンジニアで現在はトウモロコシ農場を営んでいるクーパー(マシュー・マコノヒー)は、NASAの要請に応じて人類の未来を懸けた前代未聞のミッション「ラザロ計画」に参加することになる。計画の内容は、土星付近に突然発生したワームホールを通り抜け、新しい惑星へと人類を移住させるというものだった。

家族と人類の未来を守るため、クーパーは少数精鋭のクルーとともに前人未到の地へと旅立つが……。

【感想】

※以下、ネタバレあり。
公開10周年記念のリバイバル上映。2024年12月26日(木)で上映終了なので、なんとか時間作って念願のIMAXレーザー/GTテクノロジーにて鑑賞。いやあ、泣いた。。。感無量ですわ。。。10年前も映画館で2回観ましたけど、自分に子供が生まれたこともあってかそのとき以上の感動を味わえました。自分の置かれた状況によって同じ映画でも違った見え方になるいい例ですね。

<開いた口が塞がらないほどの映像美>

この映画の見どころは2つあります。まずは圧倒的な映像美によって表現される壮大なSFの世界観。もうね、クーパー(マシュー・マコノヒー)のトウモロコシ畑からしてすごいんですよ。メチャクチャ広くて。しかも、この映画のためにわざわざイチから栽培したってんだからクリストファー・ノーラン監督のこだわりっぷりに脱帽です(笑)

とはいえ、この映画の真骨頂は宇宙のシーンです。これぞ映画館、いや、IMAXで観てこそだと思います。最初に降り立った水の惑星における山脈かのような巨大な津波には驚愕しますよ。映画館にいるのにアトラクションに乗っているかのような感覚になるほどの迫力でした。

マン博士(マット・デイモン)のいる氷の惑星も圧巻です。見渡す限りの雪と氷の世界はナショナルジオグラフィックかってぐらいの広大さ。ちなみに、ここにいるマン博士ってのが、孤独に苛まれて性格が歪んでしまった挙句に宇宙船のドッキングに失敗して死んじゃうですよね。。。マット・デイモンは『オデッセイ』(2015)でも火星に取り残される役で笑います(そっちは孤独に負けずにがんばるという本作とは180度違う役どころですけどw)。

でもやっぱり、一番インパクトが大きいのはクーパーがガルガンチュアに落ちるシーンですね。そもそもブラックホールの中で宇宙船から外に出ちゃうのも相当な死にたがり野郎だと思いますが、そのおかげで彼は無数の立方体が幾重にも折り重なった4次元超立方体「テサラクト」にたどり着くことができます。ここって当然到達不可な領域なので完全に想像の世界でしかないと思うんですけど、あの幾何学的な光景と時空を超えたクーパーと娘のマーフ(ジェシカ・チャステイン)のやり取りは秀逸でした。時間と空間を特定できない中で、クーパーがマーフのところに行けたのは、「彼ら」の導きなんでしょうね。なお、個人的には「彼ら」ってのは現代人には知覚できない存在、または科学的に解明できないものの、そういうのがいるといろいろ辻褄が合うような存在と捉えています。そういえば、量子データをモールス信号に変換して送っていましたが、一体どれほどの量になるのやら。。。(笑)

<時空を超えた親子の愛が心を打つ>

そういったSF要素が難解ながらもとても知的好奇心をくすぐるポイントなんですが、この映画がここまで面白いと感じるのは、父と娘の時空を超えた愛があるからだと思うんですよ。もともとクーパーが宇宙へ行くことになったとき、幼かったマーフ(マッケンジー・フォイ)は激しく抵抗しました。おそらく、母親がいない中で父親もいなくなることに耐えられなかったんでしょう。結局、仲直りできないままクーパーは出発してしまいます。

そこから土星に行くまで2年、さらに水の惑星で時間の流れが変わって23年もの年月が経ちます。その間、ビデオメッセージのやり取りはできないわけですから、家族はみんなクーパーが生きていることをあきらめていました。それを知って涙するクーパーが切なくて。。。生きているのに連絡することができないんですから。特に、ケンカ別れしたままのマーフには自分の生存を伝えたかったでしょう。でも、クーパーは娘の未来を守るために身を挺してブラックホール内の量子データを集め、マーフはマーフで未完成だった重力方程式の解明に乗り出します。お互い、いつか会えることを信じて。マーフが幼少期の幽霊の正体が父親だったと気づいたところなんかもう涙涙涙ですよ。ずっと父親が自分たちを救うためにメッセージを送ってくれていたんだってわかるので。

最後の2人の再会シーンも泣くしかないでしょ。ガルガンチュアに近づいたことでさらに52年もの時が過ぎ、実に70年~80年ぶりに父と娘が対面できたわけです。昔と変わらない姿のクーパーと年老いてベッドに横たわるマーフ。まわりでは多くの子供や孫たちが彼女を見守っていました。クーパーは体感的に2~3年ぐらいしか経っていない中で、久しぶりに目にした娘がおばあちゃんになっているってどんな気持ちなんでしょうね。そんな中でマーフが「だめよ。親が子供の死を看取るなんて」と言ってクーパーをアメリア(アン・ハサウェイ)のところへそっと送り出すところなんかもう涙がブワッて。。。

<そんなわけで>

SF超大作の形を取りながらも描いていたのは親子、特に父から娘への愛ってことで、興奮と感動が入り混じる最高の映画でした。子供ができるとまた見方が変わりますね。。。こんなに泣くとは思いませんでしたよ。。。これは映画館で観てこその作品なので、もしまた上映する機会があったら絶対に観ていただきたいです!

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