地球に帰れなくなる絶体絶命のピンチを凄まじいリアルさで描いた『アポロ13』
【個人的な評価】
「午前十時の映画祭12」で面白かった順位:2/7
ストーリー:★★★★☆
キャラクター:★★★★☆
映像:★★★★☆
音楽:★★★★☆
映画館で観るべき:★★★★★
【ジャンル】
伝記
パニック
宇宙
【元になった出来事や原作・過去作など】
・ノンフィクション
ジム・ラヴェル"Lost Moon"(1994)
【あらすじ】
アポロ14号に搭乗予定だった宇宙飛行士ジム・ラヴェル(トム・ハンクス)は、急遽13号の船長として、フレッド・ヘイズ(ビル・パクストン)とジャック・スワイガート(ケヴィン・ベーコン)とチームを組むことになった。
1970年4月11日、アポロ13号は月に向かって飛び立ったが、軌道途中で酸素タンクが突如爆発。絶望的な状況下、ヒューストン管制センターでは飛行主任ジーン・クランツ(エド・ハリス)を中心に必死の救出作戦が展開されていくが―。
【感想】
「午前十時の映画祭12」にて。1995年のアメリカ映画。僕が小学生のとき、母親が学校の保護者会か何かで先生に薦められたという記憶があるんですけど、実際に観たのは今回が初めてです(笑)
<リアルさを追求した圧巻の映像>
この映画で一番すごいなと思うのが、リアルな映像の数々です。1995年という時代は、VFXの技術もまだそこまですごかったわけではないはず。それにも関わらず、ロケットの発射シーンや宇宙の光景、船内での無重力状態など、今から27年前の映像とは思えないほどでした。特に目を引くのが無重力のシーンですね。これ、どうやって撮影したのか調べたんですが、どうやら実際に航空機を使ったようで。しかも、1回のフライトで約25秒間しか続かないので、撮影のために600回近く飛行したとか。うーん、考えただけで吐きそう。。。(笑)
<スリルよりも恐怖>
先に書いたリアルな映像がもたらすのは、何も視覚的な興奮だけではありません。アポロ13号はトラブルの連続に見舞われますが、その様子はスリリングというより恐怖でしかありません。管制室の言う通り、ジャックが液体酸素タンクの攪拌スイッチを入れた途端に爆発し、酸素が流出。優雅な宇宙の旅が一瞬にして生きるか死ぬかのサバイバルへと変貌します。流出している酸素を止めるためには、燃料電池の反応バルブを閉じるしかないのですが、そうなると月面着陸は不可能に。月に降り立つことだけを目的にがんばってきた搭乗員たちですが、人命を第一に考え、無事に地球に帰還することだけを考えるようになります。
そこで、無駄なエネルギーを使わないためにも船内の電力をほぼ落とし、月の周りを1周した勢いを利用して地球に帰還する「自由帰還軌道」を採用します。窓から見える月面を眺める船員たちの何とも言えない表情は印象的でした。このトラブルさえなければ、自分たちがそこに降り立つはずだったのに。歴史的瞬間に立ち会えるはずだったのに。
電力を落としているから船内の温度も1℃と極めて低く、ズレた軌道を修正するにもコンピューターが使えないため、手動で行わなければならないというハードミッション。他にも不安要素がたくさんある中で、イチかバチかでの大気圏突入。本当によく無事に生還できましたよね。。。ラストの大団円は感動的でした。。。
<まだご存命のジム・ラヴェル>
伝記映画を観ると、まるで今そこで事態が起こっているように感じるので、実在した登場人物たちの年齢がつかみづらいのですが、ジムを始めとした搭乗員たちは、大体1920年代~30年代の生まれで、僕の祖父母と同世代になります。まあ僕の祖父母はもう亡くなってしまいましたが、ジムはまだご存命だとか。さらに、演じたキャストたちも30代後半ぐらいで、今の自分と同じぐらいの年齢なんですよね。そう考えるといろいろ感慨深かったです。
<そんなわけで>
宇宙を舞台とした映画が好きな人ならハマる内容だと思います。リアルさを追求し、絶体絶命な状況を命がけで乗り超える過程は見ごたえありでした。