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パワポで過剰なまでにアニメーションを入れるかの如く、ギャグがくどすぎて笑うに笑えなかった『ブラックナイトパレード』

【個人的な満足度】

2022年日本公開映画で面白かった順位:187/196
  ストーリー:★★☆☆☆
 キャラクター:★★★☆☆
     映像:★★★☆☆
     音楽:★★★☆☆
映画館で観たい:★★☆☆☆

【作品情報】

  製作年:2022年
  製作国:日本
   配給:東宝
 上映時間:108分
 ジャンル:コメディ
元ネタなど:漫画『ブラックナイトパレード』(2016-)

【あらすじ】

コンビニ・ポーソン練間北口店で、3年間アルバイトをしている冴えない男・日野三春(吉沢亮)。世間がクリスマスムード一色で盛り上がる中、突如、黒いサンタ服を着た男に「内定だ!今日から正社員!よろしく頼む!」と、無理やり連れ去られてしまう。

目覚めるとそこはなんと北極!そして、三春が働くことになった会社は「サンタクロースハウス」!!!世界中から届く子供たちの手紙、山積みのプレゼント、さらに黒いサンタ服を着た大勢のブラックサンタたち。

悪い子を発見するためならハッキングもいとわない、北条志乃(橋本環奈)。DQNのチャラ男、田中皇帝(中川大志)。まったく笑わないイケメン料理長、古平鉄平(渡邊圭祐)。三春は強すぎる個性の同僚たちと共に、世界中の子供たちにプレゼントを配るという超激務の“ブラックサンタ”として働き始めるが、この会社にはある秘密があった―。

“赤い”サンタクロースは、もういない―。

クリスマス滅亡を目論む怪しい影。突如として訪れるクリスマス存続の危機!!三春たちはクリスマスの夜に、世界中の子どもたちへ幸せを届けることができるのか!?

【感想】

クリスマスってことで鑑賞しました。うーん、設定は面白かったですが、個人的にはあまり刺さりませんでしたね。。。(笑)

<漫画の内容には忠実かと>

原作漫画は並行して読んでいるので、まだ途中なんですが、映画の流れ自体はほぼ原作通りに進んでいると思います。とはいえ、かなりはしょられているので、映画しか観ない場合、その駆け足な展開と大雑把すぎる内容に、面白さがあまり伝わって来ないかもしれません。まあ、うまい具合に漫画の切り貼りができているって感じなんですけど、無理矢理辻褄を合わせた印象も拭えず、イマイチどういう方向にもっていきたいのかがわかりづらかったですね。

<「もういいよ」っていうほどのギャグ>

でも、僕がこの映画が刺さらなかったのは、ストーリーやキャラクターというよりも、過剰なギャグの演出が原因だと考えています。もちろん、それが福田雄一監督の持ち味でもあるんですが、顔芸にしろ効果音にしろ、とにかく使いすぎでやかましく感じてしまいました。同じことを何回も何回もやるもんだから、「もういいだろ」ってやや食傷気味で(笑)この監督の作品は、映画もドラマもけっこう観ていて、以前は好きだったんです。ただ、『今日から俺は!!劇場版』(2020)までは楽しめたんですけど、『新解釈・三國志』(2020)からあまり笑えなくなってしまって。。。笑いのツボって、一度外れるともう元には戻らなくないですか?涙のツボはあまり変わらないというか、むしろ歳と共にどんどん増えていくイメージですけど、笑いのツボはそうはいきません。後になって、「なんでこんなのに笑っていたんだ?」と思ってしまうぐらいには冷めてしまうときがあります。僕は以前、漫画の『ボボボーボ・ボーボボ』(2001-2007)で同じ経験をしました。高校生の頃はあんなに爆笑していたのに、ふとしたときからまったく笑えなくなってしまって。そんな感じで、今回の映画も笑えませんでしたね。

<実はコメディーだけじゃない>

福田雄一監督作品にしてはめずらしく、コメディーオンリーじゃないのは意外なポイントです。終盤にはちょっとしたアクションシーンと、謎を残す終わり方でしたから。アクションについては、吉沢亮さんも渡邊圭祐さんも共に仮面ライダー俳優だったりするので、ちょっとそれを思い出しましたね。そしてラスト。これはすごく続きが気になる形でした。というより、その謎を追っていくのがこの作品の醍醐味なんじゃないかなと思うんですけどね。赤いサンタの秘密や三春の父親についてなど。原作漫画をすべて2時間に収めるのは無理なので、物語の導入部分をギャグに振り切って映像化したとは思うんですけど、個人的には"残された謎"の方が気になりました。続編でもやらない限りは映像として観ることは叶わなそうですが。

<そんなわけで>

サンタクロースを題材にしている点で、この時期に合った映画ではあります。ですが、クリスマスに観たくなるかというと、あんまりそうは思いません。とにかくギャグがくどいので(笑)なので、やっぱりこの作品を楽しむなら漫画の方がいいですし、クリスマスに楽しむ映画なら、この前観た韓国映画の『ハッピーニューイヤー』(2021)を推したいです!


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