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ドストレートなSF超大作!まさにザック・スナイダー版『スター・ウォーズ』だった『REBEL MOON — パート1:炎の子』

【個人的な満足度】

2023年日本公開映画で面白かった順位:104/178
  ストーリー:★★★★☆
 キャラクター:★★★★☆
     映像:★★★★★★★★★★
     音楽:★★★☆☆
映画館で観たい:-(配信のみ)

【作品情報】

   原題:Rebel Moon: Part One - A Child of Fire
  製作年:2023年
  製作国:アメリカ
   配信:Netflix
 上映時間:127分
 ジャンル:SF、アクション
元ネタなど:なし

【あらすじ】

※映画.comより引用。
巨万の富と強大な軍事力を持つ帝国マザー・ワールドが支配する銀河。過去を捨てた女性コラ(ソフィア・ブテラ)は、宇宙の辺境にある小さな惑星の平穏な村でひそかに暮らしていた。

しかしある日突然、帝国の軍勢が村を襲撃。コラは村人たちを守るため、そして自身の過去と向き合い償うために立ち上がることを決意する。

宇宙へと旅立ったコラはさまざまな惑星を巡る中で、それぞれ贖罪や復讐を求める仲間たちと出会い、銀河の自由を勝ち取るべく壮絶な戦いに身を投じていく。

【感想】

『REBEL MOON』シリーズ第1作目。『ジャスティス・リーグ』(2017)のザック・スナイダー監督が構想に20年以上かけたと言われるSF超大作2部作の第1部です。これもまた昨日の『ブルービートル』(2023)同様、配信オンリーなのが非常にもったいないぐらい大スペクタクルな作品でした。

<とにかく映像はすごかった>

監督自ら『スター・ウォーズ』シリーズ(1977-)に影響を受けていると発言している通り、世界観はまんま『スター・ウォーズ』でした。広大な宇宙を舞台に、戦闘機が飛び交い、ブラスターで撃ち合い、銀河を牛耳る帝国に反旗を翻す主人公コラの話です。まあ、『スター・ウォーズ』だけじゃなく、他の映画や日本の漫画やゲームに影響を受けたようなシーンも多々あるので、既視感が強いと言えば強いんですけど(笑)とはいえ、それは悪い意味ではまったくなくて、変にこねくりまわしていないド直球のSF映画として安定した面白さにつながっています。特に映像の迫力は圧巻で、さすが1.6億ドルかけただけのことはあるなと思いました。これは映画館で、その中でもIMAXで観たかったなあ。ああいう壮大な光景を実写で描けるのはやっぱりハリウッドの十八番ですね。

<急ぎ足すぎるストーリー展開がややもったいない>

ただ、映画として面白かったかというと、それはまたちょっと別の話かなと思います(笑)今回は2部作の前半なので、導入部分という意味もあったのだとは思いますが、気になったのはストーリー展開の早さです。それは決してテンポがいいという意味ではなく、はしょりすぎて急ぎ足になっているという、どちらかと言えばあまりよくない意味です。ピンチや苦難といったことがほとんどないんですよ。特に今回のメインは共に戦う仲間集めなんですが、これがもう映画史上最もスムーズなんじゃないかってぐらい、みんなすぐに了承してくれて。いや、まあ実際はその方がいいんでしょうけど、映画としての面白さでいえば、そこでひと悶着ぐらいほしいところです。最終的にサクッと6人ぐらい集まっちゃうんですが、それぞれのキャラクター背景がほとんど語られないので、頭数だけ多くて薄っぺらいという印象なんですよね。この仲間集め自体は、もしかしたら物語全体の中であまり重要なイベントではなかったのかもしれませんが、ゆーても第1部はここがメインになってくるので、そこがこうも急ぎ足な感じだとちょっともったいない気はしました。

<主人公の立ち位置が中途半端>

んでもって、監督が影響されてるというからどうしても比べちゃうんですけど、『スター・ウォーズ』のルーク・スカイウォーカーのように、旅を通じて成長していくような感じがしないんですよ、コラが。彼女は最初から強いので、それ自体はすごくかっこいいものの、伸びしろがなさそうというか、応援したくなるっていう感じではありませんでした。かといって、カリスマ性があるほど圧倒的に強いかというとそういうわけでもなく(笑)こういうとき、主人公以外が全員モブってぐらい主人公に圧倒的な強さがあれば、他のキャラクターの扱いが少なくても文句はないですし、逆に主人公がそこまで強くないなら、他のキャラクターの存在感も出した方がいいと思うんですが、そのどちらもこの映画にはなく、コラが中途半端に感じられてしまいました。個人的には、あのC-3POを思わせるジミーと呼ばれているアンドロイドが気になるんですけど、序盤で疾走して今回はほぼ出番なかったですからね。。。『パート2』に期待していいのかどうか。。。

<そんなわけで>

壮大な世界観の割にはやや浅い印象の映画でしたね。多分、これ2部作じゃ足りないんじゃないですかね。3部作にしてもう少し話を散らすか、メインキャラクターを1人ぐらい減らした方が、急ぎ足にならなくてよかった気がします。来年の4月に配信予定の『パート2』、果たしてどうなるでしょうか。あの『ジャスティス・リーグ:ザック・スナイダーカット』(2021)で、ヒーロー全員に見せ場を作ってくれた監督ならやってくれると信じたいです、、、!!


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