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守るべき者のために戦う、シリーズで最も愛を感じた『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』

【個人的な評価】

2021年日本公開映画で面白かった順位:6/201
   ストーリー:★★★★★
  キャラクター:★★★★★★★★★★
      映像:★★★★★★★★★★
      音楽:★★★★★
映画館で観るべき:★★★★★★★★★★

【以下の要素が気になれば観てもいいかも】

アクション
スパイ
007
ジェームズ・ボンド

【あらすじ】

スペクターとの戦いが終わり、マドレーヌ(レア・セドゥ)と幸せな日々を過ごすジェームズ・ボンド(ダニエル・クレイグ)。しかし、再び命を狙われるハメに。何とか敵を退けるも、マドレーヌの手引きでないかと疑い、関係を絶つ。

それから5年。ボンドは00エージェントを退き、ジャマイカで静かに暮らしていた。そこへ、CIAの旧友フィリックス・ライター(ジェフリー・ライト)が助けを求めてくる。誘拐された科学者のヴァルド・オブチェフ(デヴィッド・デンシック)を救出して欲しいと言うのだ。

ボンドはこれを承諾するが、任務は想像を遥かに超えた危険なものとなり、やがて、凶悪な最新技術を備えた謎の黒幕を追うことになる。

【感想】

『007』シリーズ第25作目。そして、ダニエル・クレイグ最後のジェームズ・ボンド。優秀の美を飾りました。。。今作はアクションよりもドラマ部分の方が印象深い作品でした。

<過去作とのつながりは?>

1962年に始めったこの映画シリーズ。基本的には1作品ごとに話が完結していく形ではありますが、ダニエル・クレイグがジェームズ・ボンドをやるようになってから、ストーリーが繋がるようになりました。なので、できることなら『カジノ・ロワイヤル』(2006)から観ておいた方がいいと思います。最低でも前作の『スペクター』(2015)は抑えておきたいですね。それほど、ストーリー上の繋がりが強いんですよ。だって、シリーズ初ですよ。
同じボンドガールが2作品に渡って登場するのは。これまでも、同じ役者が違う役で出ることはありましたけど。そして、そのボンドガールことマドレーヌとボンドの関係がものすごく大事になってきます。前作で彼女が語っていた過去も明らかになるし、ボンドが本当の愛を感じる話でもあるので。

<これまでの作品との大きく違った部分>

そのボンドのマドレーヌに対する愛が、これまでの作品とは違う部分かなって感じました。これまでのジェームズ・ボンドって女性を抱きまりはするものの、本気で好きになることってなかったんですよね。あくまでも任務だと。まあ、『女王陛下の007』(1969)では結婚しているんで、そこは愛があったとは思います。でも、ダニエル・クレイグになってから設定が一新されているので、過去の内容は引き継いでいません。

なので、イチから始まる形なんですが、そのダニエル・クレイグ版ジェームズ・ボンドは、女性を本気で愛することが印象的でした。『カジノ・ロワイヤル』(2006)でのヴェスパー(エヴァ・グリーン)もそうですし、今回のマドレーヌもそう。だから、単に任務を遂行するだけでなく、その裏では守るべき存在があるっていうのは大きいですね。ちなみに、ヴェスパーもマドレーヌも、初対面ではボンドのことを毛嫌いしていたのに、共に死線をくぐり抜けることで愛情が芽生えたっていうシチュエーションは共通していますね(笑)

そんなマドレーヌが、実はスペクターとつながっているんじゃないかっていう疑念があったから、ボンド的には辛いですよ。愛する人が自分の命を狙う敵なんじゃないかって。そういう愛を前面に出した作りになってるからこそ、終盤でボンドに訪れる悲劇はより一層の辛さを感じさせました。愛する人に触れることができないんですから。

ラストは泣きましたよ。このシリーズで涙したの初めてです。

<敵役サフィンの野望>

ボンドを悲劇に追いやった張本人が、今作の敵であるサフィンです。彼もまた壮大な野望を抱くキャラクターでした。ただ、これまでのように巨額の利益や世界征服といった私利私欲を追い求めるというより、“人類の淘汰"を目指していたところが印象的ですね。ナノテクノロジーにより、極小のマイクロチップを人体に入り込ませ、自由に殺すことができるという。特定の人だけを死に至らしめるといったことも可能になります。今までの敵の中で最も最先端の技術を使っていたんじゃないでしょうか。とはいえ、前作のブロフェルドの存在感が強かったってのもあって、彼と比べちゃうとサフィンはちょっと薄いかなっていう気はしましたけど。

<もうひとりのボンドガール、パロマの魅力>

他に今作の見どころと言えば、やっぱりド派手なアクションは外せませんね。冒頭のカーチェイスやキューバのパーティーでの戦闘、終盤の銃撃戦はさすがだと思います。特に、キューバで共闘したアナ・デ・アルマス演じる
パロマがあまりにも美しすぎて鼻血出る勢いでした。あんな美しいのに華麗な身のこなしで敵をボコボコにするっていう構図は、そのギャップにやられますね。あんなこぼれ落ちそうな服装なのに、一切こぼれ落ちないのが不思議なぐらいです(何が?w)。

<車もスーツも時計も酒もすべては彼のためにある>

それにしても、ジェームズ・ボンドの身につけているものは、相変わらずすべてがかっこよすぎですよ。。。彼が乗るだけで、(改造された)アストンマーティンに乗りたくなります。彼が着るだけで、トム・フォードのスーツを着たくなります。彼がつけるだけで、オメガの時計をつけたくなります。彼が飲むだけで、ウォッカ・マティーニを飲みたくなります。もはや彼の前ではそれらの広告は無に帰すといっても過言ではないでしょう(笑)

<その他>

尺は164分と過去作の中で最も長い作品となっていますが、シリーズを観てきた人なら、絶対観るべき映画です。世界が変わっていく中で、変わらないかっこよさをボンドは提示し続けています。今の若い子からしたら、時代遅れの古臭い感じがするかもしれません。高級車に乗って、高級スーツを着て、高級腕時計をして、酒を飲んで、女を抱くなんて、一昔前のかっこよさとも言えるでしょう。でもやっぱりかっこいいんです。僕もこの映画のために、過去26作品(番外編2作品含む)をすべて観ましたけど、ジェームズ・ボンドのかっこよさは同じ男でも憧れますね。

さて、次回作は、、、?エンドクレジットには、毎回差し込まれる"あの一文"があるので、首を長くして待っていましょう。

JAMES BOND WILL RETURN

https://www.007.com/no-time-to-die-jp/

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