目覚めたら仮設トイレ?!しかもあと34分で爆発?!という設定がぶっ飛んでた『ホーリー・トイレット』
【個人的な満足度】
2023年日本公開映画で面白かった順位:33/37
ストーリー:★★★★☆
キャラクター:★★★☆☆
映像:★★★☆☆
音楽:★★★☆☆
映画館で観たい:★★★☆☆
【作品情報】
原題:Ach Du Scheisse!
製作年:2021年
製作国:ドイツ
配給:アルバトロス・フィルム
上映時間:90分
ジャンル:スリラー
元ネタなど:なし
【あらすじ】
頭部を負傷して意識を失った建築家フランク(トーマス・ニーハウス)が、リゾートホテルの建設現場で横倒しになった仮設トイレの中で目を覚ます。
記憶の一部が吹っ飛び、この異常な状況がのみ込めないフランクは、トイレのまわりに大量の解体用ダイナマイトが仕掛けられ、34分後の午後2時ジャストに爆破が行われることを知る。この非常事態を生き延びるには、誰かに助けを求めるか、もしくは自力で脱出しなくてはならない。
ところが、右腕に鉄筋が突き刺さって動けない上に、友人である市長ホルスト(ギデオン・ブルクハルト)の邪悪な思惑が明らかになり、時間だけが空しく過ぎていく。
刻一刻と爆発のリミットが迫る中、絶体絶命のフランクに打つ手はあるのか……。
【感想】
ぶっ飛んだ設定に惹かれて鑑賞しました。場所がトイレってことで、なかなかに汚くて痛々しかったです(笑)
<まさかのトイレが舞台>
限定された空間において、登場人物が極限状態に陥り、スリリングなストーリー展開を楽しむジャンルを"ソリッド・シチュエーション・スリラー"というらしいですね。言葉としては日本だけでしか使われていないっぽいですけど。有名なところだと、『キューブ』(1997)や『ソウ』(2004)なんかがありますね。これまでこの手の映画の舞台としては、エレベーターやプール、サウナなどいろんなシチュエーションがあったそうですけど、今回の舞台はタイトル通り、トイレなんですよ。しかも、工事現場にある仮設トイレ。
主人公のフランクは、目が覚めたら横倒しになった仮設トイレの中にいました。何でそうなったのかはまったくわかりません。起き上がろうにも右腕に鉄筋がぶっ刺さっており、身動きが取れない状況でした。しかも、そこは建造物の解体のために爆破されるエリア内で、あと34分以内に脱出しなければ自分も木端微塵になってしまうという絶体絶命のピンチです。
<スリルと笑いの脱出劇>
外から漏れ聞こえる友人ホルストのスピーチを頼りに状況を把握し、自分のスマホやトイレ内に落ちていたスーツケースを駆使して、何とか抜け出そうと抗うフランク。「もし自分もこうなったら……」という恐怖と、「そんな都合いい道具そうそうないだろ」、「そんなラッキーありえないだろ」というツッコミどこ満載な展開に対する笑いという、相反する2つの感情に駆られるのがこの映画のポイントですね。でも、建設現場にふさわしい小道具や話の流れのおかげで、不自然さはなく、むしろよく作られているなと思いました。まあ、トイレらしく「きったねぇwww」みたいなのはありますけど。
ただ、終盤は洋画らしいスプラッターと「なんでこのタイミングで?」と思うような夫婦愛の話になり、残り少ない尺に無理矢理いろいろ詰め込んだ感は否めませんね。そこがまたB級感あって嫌いじゃないんですが(笑)
<そんなわけで>
設定自体はぶっ飛んでいましたが、話の内容としては限定された空間からの脱出劇ってことで、オーソドックスなスリラーではありました。びっくりするようなオチとか、頭を使う謎解きみたいなのはなく、ひたすら身のまわりのものを手当たり次第使ってもがき続けるだけなので、小難しく考えずに観られるのはよかったですね。汚くて痛々しい90分を過ごしたいならぜひ劇場へ(笑)
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