世界で最初のRPGを実写化したら、本物のパーティーバトルってこんなにも攻守入り乱れるのかと興奮した『ダンジョンズ&ドラゴンズ/アウトローたちの誇り』
【個人的な満足度】
2023年日本公開映画で面白かった順位:12/48
ストーリー:★★★★★
キャラクター:★★★★★
映像:★★★★★★★★★★
音楽:★★★☆☆
映画館で観たい:★★★★★
【作品情報】
原題:Dungeons & Dragons: Honor Among Thieves
製作年:2023年
製作国:アメリカ
配給:東和ピクチャーズ
上映時間:134分
ジャンル:ファンタジー、アドベンチャー、アクション
元ネタなど:テーブルトークRPG『ダンジョンズ&ドラゴンズ』(1974-)
映画『ダンジョン&ドラゴン』(2001)
【あらすじ】
様々な種族、モンスターが生息する世界、フォーゴトン・レルム。盗賊のエドガン(クリス・パイン)と相棒である戦士のホルガ(ミシェル・ロドリゲス)は、ある目的のために旅に出る。これまでにもいろんな修羅場をくぐり抜けてきた彼らだったが、今回の冒険は一筋縄ではいきそうにない。
そこで、魔法使いのサイモン(ジャスティス・スミス)と変身能力を持つドルイドのドリック(ソフィア・リリス)を仲間に引き入れ、全世界を脅かす巨大な悪の陰謀と対峙することになる…。
【感想】
『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズと『ハリー・ポッター』シリーズを足して2で割ったような、剣と魔法の中世ファンタジーの世界観の映画でした。元ネタは世界で最初のロールプレイングゲームと言われる『ダンジョンズ&ドラゴンズ』というテーブルトークRPGです(ちなみに僕は遊んだことありません)。で、2001年に『ダンジョン&ドラゴン』として映画化されていて、本作はそのリブートとなります。
【意外と日本での扱いが少ない?!】
このスケールの映画にしては珍しくパンフレットの制作もなく、IMAXで観たんですけど、席もけっこう空いてました。まあ、こういうオーソドックスなファンタジー映画ってコケてるものも多いので、そこまで宣伝に力を入れなかったのかもしれません。現に、最初にこれを実写化した2001年版も観たんですけど、正直面白くはなかったですね(笑)ストーリーもキャラクターも薄っぺらく感じてしまいましたし、CGも拙かったですから。CGは時代的なものも理由にできるんですけど、この1年後に『ロード・オブ・ザ・リング』が公開されていることを踏まえると、単に時代だけのせいとは言い切れない気もしますけど。そのせいか興収的にも失敗でしたね。なので、今回の映画もあんまり期待してなかったんですが、意外にも面白かったんですよ、これ!RPG好きな人にはぜひオススメしたいでうすね。ちなみに、2001年版とは設定もキャラクターもまったく異なるので、それを観ていなくても問題ありません。
<ファンタジー映画は映像が大事>
やっぱり、映像技術の進化は大きいかなって思います。いかにフィンタジーな世界観を現実のように見せるかってのは、この手の映画のひとつのポイントだと思うんですけど、かつていろんなRPGに親しんだ身からしたら、目の前に広がるこの幻想的な光景はそれだけでワクワクするものでした。
さらに、魔法使いのサイモンや敵のソフィーナ(デイジー・ヘッド)の放つ攻撃の数々。火や水だけでなく、時や重力も操るんですが、そのリアリティあるエフェクトには安定のかっこよさがありました。
<王道だけど泣かせてくる展開も>
言い方は厳しくなりますが、ストーリー的には特に新鮮味のない王道路線ではあります。ですが、終盤のパーティーで総力を上げての攻守入り乱れるド派手バトルはガチで興奮しますよ!ゲームのようにターン制で戦うわけじゃないからね、魔法使いとか後方支援なんてやってる場合じゃないよって(笑)実際のバトルってああいう乱戦状態になるんだなっていうのがよくわかります。しかも、ラストのオチがこれまた内容に似合わず感動的で、子供(特に娘)がいる身からしたら、ちょっと涙出ちゃうぐらいには感動しました。
<そんなわけで>
何度も言ってますが、本当に“意外と”面白い映画だったので、RPGが好きな人にはオススメしたいですね!こんなにRPGが流行ってる日本でも、なかなか実写でそういう映画は作られませんから。ただ、エンディングだけ日本の歌に変えてしまうのは個人的にはあまり好きではないです。曲調は映画に合っているとは思いますが、そこは本国のオリジナルのまま流してほしいなって思います(エンディングソングのファンの方いたらごめんなさい)。