『ドラえもん』の最終回をベースに作られた少年少女のひと夏の大冒険に懐かしい気持ちで胸がいっぱいになる『ジュブナイル 4Kデジタルリマスター』
【個人的な満足度】
2024年日本公開映画で面白かった順位:73/129
ストーリー:★★★★☆
キャラクター:★★★★☆
映像:★★★★☆
音楽:★★★★☆
映画館で観たい:★★★★☆
【作品情報】
原題:-
製作年:2024年(オリジナル版は2000年)
製作国:日本
配給:東宝
上映時間:100分
ジャンル:SF
元ネタなど:『ドラえもん』の最終回にまつわる二次創作(1990年代の終わり頃)
公式サイト:https://eiga.com/movie/37052/
【あらすじ】
※映画.comより引用。
2000年、夏。小学生の祐介(遠藤雄弥)、岬(鈴木杏)、俊也(YŪKI)、秀隆(清水京太郎)は、森の中で小さなロボット「テトラ」と出会う。高度な知能を持つテトラがどこからやって来たのか疑問に思った彼らは、タイムマシンを研究する近所の天才物理学者・神崎(香取慎吾)の助けを借りてテトラの秘密を探る。
同じ頃、地球上空10万キロメートルに、謎のエイリアン「ボイド人」の巨大宇宙船団が現れ、地球の海を奪おうと目論んでいた。岬をボイド人にさらわれてしまった祐介は、テトラが作った戦闘型ロボット「ガンゲリオン」に乗り込み、ボイド人との戦いに身を投じていく。
【感想】
※以下、敬称略。
2000年の映画の4Kデジタルリマスター版にして、『ゴジラ-1.0』(2023)の山崎貴監督による映画監督デビュー作品。公開当時、高校生だった自分は子供向け映画だと思って観ていなかったんですが、またこうして映画館で観れる機会に恵まれてよかったです。子供を主人公にしたSF映画として面白かったし、何よりもラストのオチが泣けるんですよ。1週間限定公開なので、気になる方は早く映画館へGO!です。
<大人になった今観るからこそ感じる懐かしさ>
昔はちょいちょいあったと思うんですけど、最近は邦画の実写でこういうコッテコテのSF映画ってあんまり見かけない気がします。しかも子役メインの。だからか、初めて観たにも関わらずどこか懐かしさと共に、少年少女のひと夏の大冒険という設定に自分の中の子供心が刺激される感覚がありました。これは大人になった今だからこそ生まれる感情かもしれません。
<あの『ドラえもん』がベースのストーリー>
内容としてはタイムトラベルを主軸に宇宙人やらロボットやらが出てくる話で、映画(とりわけ洋画)が好きな人が作ったような世界観に心地よさを感じます。しかも、元ネタは1990年代の終わり頃から出始めた『ドラえもん』(1969-)の最終回にまつわる二次創作なんです。まあ、ドラえもんの最終回っていくつかあるらしいんですが、今回の映画は「ドラえもんの開発者はのび太だった」という話をベースにしています。なので、その話を知っていた自分は、この映画を最後まで観て真っ先にそのドラえもんの話が思い浮かびました(笑)いつかアニメで観たいなと思っていたエピソードだったので、こうして実写化されたことで感動的なラストに涙しましたね。。。そう、ラストがいいんですよ、この映画。あえて詳細は書きませんけど。正直、他の部分はシーンが唐突に変わったりして繋がりにやや粗さを感じる部分もあったんですが、ラストで全部挽回しました。
<当時としては最新鋭のVFXがインパクト大>
あと、この映画で推したいのはVFXのクオリティの高さです。さすがに今から24年も前の映画なので、現代と比べたらプレステ2のゲームに出てくるようなCG感が強いんですが、当時の邦画実写の中では相当インパクトが強かったのではないでしょうか。さすが、山崎貴監督が映像畑出身ということもあってか、VFXは見どころのひとつですね。
ちなみに、20年後の未来パートにおいて、本当に20年経った後に当時の子役たちを使って再撮影する話もあったそうなんですが、コロナの影響もあって実現しなかったそうです。いやー、観たかったなー。ガチで同一の役者を使って20年後のシーンを撮るなんてエモすぎですよね。ハリウッドならCGで何とかしそうですし、山崎監督なら何とかしちゃいそうですが、そこをあえて生身の人間でやるっていうところにロマンを感じます。てか、主人公の祐介を演じたのが遠藤雄弥と知ってびっくりしました。エンドクレジットで名前を観るまでまったく気づかず(笑)
<そんなわけで>
「少年時代にこういう体験をしてみたかった」という妄想をうまく映像化してくれた作品で個人的にはとても好きでした。大人も子供も楽しめる児童文学のような話なのでオススメです!声優の林原めぐみが特別出演しているのも貴重なところですよ(笑)