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呼吸するようにウソをつけるスキルは対人関係においてメチャクチャ役に立つと思った『ヒットマン』

【個人的な満足度】

2024年日本公開映画で面白かった順位:101/115
  ストーリー:★★★★☆
 キャラクター:★★★★☆
     映像:★★★☆☆
     音楽:★★★☆☆
映画館で観たい:★★★☆☆

【作品情報】

   原題:Hit Man
  製作年:2024年
  製作国:アメリカ
   配給:KADOKAWA
 上映時間:115分
 ジャンル:クライム、コメディ
元ネタなど:潜入捜査官「ゲイリー・ジョンソン」(1947-2022)
公式サイト:https://hit-man-movie.jp/

【あらすじ】

※公式サイトより引用。
ニューオーリンズで2匹の猫と静かに暮らすゲイリー・ジョンソン(グレン・パウエル)は、大学で心理学と哲学を教える傍ら、地元警察に技術スタッフとして協力していた。

ある日、おとり捜査で殺し屋役となるはずの警官が職務停止となり、ゲイリーが急遽代わりを務めることに。これをきっかけに、殺人の依頼者を捕まえるためにさまざまな姿や人格に変身する才能を発揮し、有罪判決を勝ち取るための証拠を引き出し、次々と逮捕へ導いていく。

ところが、支配的な夫との生活に追い詰められた女性・マディソン(アドリア・アルホナ)が、夫の殺害を依頼してきたことで、ゲイリーはモラルに反する領域に足を踏み入れてしまう。セクシーな殺し屋ロンに扮して彼女に接触。事情を聞くうちに、逮捕するはずの相手に対し「この金で家を出て新しい人生を手に入れろ」と見逃してしまう……!

恋に落ちてしまったふたりは、やがてリスクの連鎖を引き起こしていくことに――。

【感想】

痛快なクライムコメディって感じでよくできたストーリーだなと感じました。特に終盤の怒涛の展開はスリルありましたし、主人公が心理学と哲学を教えている関係で、ちょいちょい過去の偉人の名言みたいなのが出てくるのもためになります(笑)

<巧みな話術で相手を罠にハメる敏腕捜査官の話>

この映画、実在した潜入捜査官のゲイリー・ジョンソンという人物が元になっています。彼は1990年頃から偽の殺し屋として警察に協力しはじめ、70人以上を逮捕に導いたスゴ腕潜入捜査官だそうですね。そのときのエピソードを軸にしてこの映画が作られているんですが、「本当にそんなにうまくいく?」っていうぐらい次々と殺人の依頼者を逮捕に導いていくんですよ。劇中では描かれていませんが、おそらく(偽の)殺し屋としては有名なんでしょうね。ちょいちょい殺人の依頼が入ってきますから。で、依頼者のことを調べてそれに合わせた服装や人格を設定し、うまく相手の話を聞き出して、依頼と共に手付金をいただきます。はい、これでアウトです。コメディタッチなのであんまり実感わきませんし、劇中で明言もされていませんが、殺人を人に依頼するのは「殺人罪の教唆」という罪になるようです。

そもそも依頼者は殺人を依頼する気まんまんですし、みんな普通の一般人で自分じゃ殺せない素人だから、ある種の不安や興奮もあって精神状態は不安定なんじゃないかと思うわけですよ。それは心理学と哲学を熟知しているゲイリーからすれば、とてもコントロールしやすいでしょうね。彼は多くを語らず、また明確なことも言いません。それっぽいことを話して、後は依頼者がいろいろ話してくれるのを待ちます。占い師とかデキる営業マンとか、そういう人たちにも通じるスキルを持っているんですよ。いやー、うらやましい限りですわ(笑)自分は知らない相手とはほとんど話せませんし、仲良くなると無駄に話してしまうから、こういうの絶対無理です(笑)

<終盤の怒涛の展開をお楽しみに>

全体的に面白くはあるんですが、正直、物語の前半はほとんどが依頼者からの依頼を捌くのがメインなので、あまり話が前に進まず、個人的にはちょっと退屈でしたね。面白くなるのは後半からです。ゲイリーはマディソンという依頼者に一目惚れしてしまい、彼女に依頼を再考するよう促します。まあ、依頼者ってほとんどが一時的な感情で依頼しているだけなので、やたらめったら逮捕するよりは、自分のしようとしていることを諭して考え直してもらった方が人道的であるとは思いますけど(笑)そこからマディソンとちょこちょこ連絡を取るようになり、親密な関係になっていくんですが、それに嫉妬したマディソンの夫がゲイリーとマディソンの殺害をなんとゲイリー本人だと知らずに依頼しようとして……っていう流れへと発展していきます。終盤はまさかすぎる展開で、どんでん返しっていうほどひっくり返りはしませんが、なかなかドラマチックで面白かったです。

<そんなわけで>

ウソをつきまくって犯罪者を逮捕していくことがメインの映画ですが、あの話術というか呼吸するようにウソをつけるスキルがうらやましいなと思いました。いや、ウソっていうと言葉が悪いので、役になりきるとか演技ということにしておきましょうか(笑)そういえば、今年に入ってグレン・パウエル主演の映画3本目でしたけど、今本当に引っ張りダコですよね~。

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