国家の闇と戦う弁護士が胸アツな『オフィシャル・シークレット』
【基本情報】
原題:Official Secrets
製作年:2019年
製作国:イギリス・アメリカ合作
配給:東北新社、STAR CHANNEL MOVIES
【個人的順位】
鑑賞した2020年日本公開映画ランキング:75/137
ストーリー:★★★★☆
キャラクター:★★★☆☆
映像:★★★☆☆
音楽:★★★☆☆
【あらすじ】
英国の諜報機関GCHQ(政府通信本部)で働くキャサリン・ガン(キーラ・ナイトレイ)は、ある日、米国の諜報機関NSA(国家安全保障局)から送られたメールを見て愕然とする。
英米がイラク侵攻を強行するため、国連安全保障理事会のメンバーに対するスパイ活動を指示するものだった。
戦争反対派のキャサリンはその内容に憤りを感じ、元同僚の友人を訪ね、マスコミにリークしたいと相談する。
2週間後、メールの内容が英国「オブザーバー」紙の一面を飾った。マーティン・ブライト記者(マット・スミス)の勇気ある告発記事だった。
GCHQではリークした犯人探しが始まり、職員一人一人への執拗な取り調べが繰り返された。
キャサリンは、自分の仕事仲間にまで尋問が及ぶ状況に耐えきれず、自らリークしたことを名乗り出る。
しかし、キャサリンの告発も虚しく、イラク侵攻は開始され、キャサリンは起訴される。
キャサリンを救おうと人権派弁護士ベン・エマーソン(レイフ・ファインズ)らが立ち上がった。
そして、裁判が始まる。果たして、キャサリンは有罪か、それとも無罪か。そこには驚きの結末が待っていた。
【感想】
実話に基づく映画で、歴史のお勉強系ではあるけれど、これは2003年に始まるイラク戦争を題材にしたものなので、割と最近の話になりますね。
国家の闇を暴露していくということで、『スノーデン』に似た雰囲気の映画です。あれが好きな人は面白いと感じるかもしれません。
実話系映画あるあるで淡々と進んでいくのですが、後半、キャサリンの夫が強制送還されるところからの展開がドラマチックで、普段あまりこの手のジャンルに惹かれない自分でもついつい引き込まれていきました。
相手は国家、巨大すぎる敵を前に成す術はないかと思われるのですが、ひとつだけ、キャサリンを守れる方法が存在するんですよね。
それは、彼女の行動が“やむなき事情”に該当するかどうか。これを証明できれば、彼女の無罪を勝ち取ることができるんです。
“やむなき事情”とは、命の危険にさらされること。戦争によって多くの命が失われるから条件はクリアしていることになると思いきや、この戦争自体は国家が認めたものだからそれに該当しないようで。。。
では、その戦争に違法性が認められれば、、、?
そもそもの前提を覆す話ですが、そこに気づき、前提から覆そうと奮闘する弁護士たちの姿はかっこいいです。僕も最近、裁判というものに触れる機会があって弁護士の姿を間近で見ていたので、この映画の弁護士たちもいつもより身近に感じました。