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"20世紀最高の俳優"が見せる深くて重い演技に釘付けになる『ゴッドファーザー』
【個人的な評価】
「午前十時の映画祭12」で面白かった順位:1/1👑
ストーリー:★★★★☆
キャラクター:★★★★★
映像:★★★☆☆
音楽:★★★★☆
映画館で観るべき:★★★★★
【ジャンル】
犯罪映画
マフィア映画
【元になった出来事や原作・過去作など】
・小説
マリオ・プーゾ『ゴッドファーザー』(1969)
【あらすじ】
1945年、ニューヨーク。ヴィトー・コルレオーネ(マーロン・ブランド)の邸では、娘コニー(タリア・シャイア)の盛大な結婚式が開かれていた。ヴィトーには他に3人の息子がおり、三男マイケル(アル・パチーノ)は婚約者ケイ(ダイアン・キートン)と列席していた。
華やかな式の裏側で、ヴィトーは友人たちからの訴えに耳を傾けていた。助けを求められれば親身になって問題を解決するのがヴィトーの信条であり、「ゴッドファーザー」(名付け親)としての義務だった―。
【感想】
これまでnoteには新作映画の感想しか上げてきませんでしたが、せっかくなので「午前十時の映画祭12」で観た映画の感想も残しておこうと思います。トップバッターは『ゴッドファーザー』ですね。1972年のアメリカ映画です。マフィア映画の金字塔とも言える作品でしょう。
<マーロン・ブランドの圧倒的存在感>
これはもうぜひ観て欲しい映画のひとつですね。上映時間177分と3時間近い尺な上に、淡々とした進みではあるんですが、まったく飽きずに観られます。それは何と言ってもマーロン・ブランドの演技力の賜物ですよ。決して多くを語りませんが、あの重厚感と威圧感を地でいけるのは、"20世紀最高の俳優"と称された彼だからできることなんじゃないかと。口の中に綿を詰めて、独特のしゃがれ声を表現するほどのこだわりようはさすがです。セリフは覚えて来ない人だったようなので、撮影中はカンペが用意されていたらしいですけど(笑)彼のトラブルメーカーエピソードはwikipediaなんかを見ればわかると思います。
<マフィアの交渉術>
この映画、一応アクション映画とジャンル分けしているサイトとかもあるんですけど、ドンパチやったりカーチェイスやったりっていうシーンはほとんどありません。それよりも、彼らの生き様や交渉といった部分に焦点が当てられていますね。なので、サスペンスの方が近いかもしれません。中でも、ヴィトーとマイケルのコミュニケーションの取り方は、できることならマネしたいぐらいです。彼らに共通しているのは、自分からはほとんど明確なことは言わず、相手に言わせるんですよ。そうさせるために、「わかってるよな?」という暗黙の了解や、断れない空気をいかに作り出すかの演出が秀逸でした。僕なんか沈黙が怖くて、ついついしゃべりすぎてしまうときもあるんですが、彼らはわかってるんですよね。相手に言わせた方が得だと。まあ、常に命を張ってる状況に身を置いていれば、自然とそういうコミュニケーションの取り方が身につくのかもしれません。
<三男マイケルが一番怖い>
パッと見のインパクトから、ヴィトーが一番怖そうに見えますけど、個人的にはアル・パチーノが演じたマイケルの方が怖いと思いました。確かにヴィトーの威圧感はすごいんですけど、彼は年齢もあってか、どこか落ち着いた雰囲気ですし、義理堅さや慈悲深いところもあって、マフィアながらも常識はありそうに見えます。そのギャップがまた、彼を魅力的なキャラクターにしているんじゃないかなとも思いますけど。
一方で、マイケルは若さゆえか野心に溢れていて、自分の気に入らないことは徹底して排除する性格が垣間見えるんですよ。ラストとか特にそうですよね。最初はファミリーと距離を置いた人生を送っていたのに、中盤で初めて殺人を犯してから、どんどん闇の世界に入っちゃって。彼の方が手がつけられない感が強いなあと感じました。
<そんなわけで>
日本のヤクザ映画だと、「んだゴルァ!」って叫びまくるイメージが強いですが、このマフィア映画はそれとは正反対。静寂と恐怖を併せ持った彼らの生き様は非日常感に溢れています。そんな男たちの姿をぜひ映画館の大きなスクリーンで目に焼きつけてください!