日本のマ・ドンソク!顔面凶器の小沢仁志が還暦を物ともせずに見せつけるフルボッコ感がたまらない『BAD CITY』
【個人的な満足度】
2023年日本公開映画で面白かった順位:7/13
ストーリー:★★★★☆
キャラクター:★★★★★
映像:★★★☆☆
音楽:★★★☆☆
映画館で観たい:★★★★☆
【作品情報】
製作年:2022年
製作国:日本
配給:渋谷プロダクション
上映時間:117分
ジャンル:アクション、バイオレンス
元ネタなど:なし
【あらすじ】
ある夜、「犯罪都市」の異名を持つ開港市に縄張りを持つ桜田組の組長が死体となって発見された。それは、韓国マフィアの仕業であった。その韓国マフィアの幹部・金数義(山口祥行)が密談していたのは、巨大財閥である五条財閥の会長・五条亘(リリー・フランキー)。
五条が無罪となった判決には必ず裏があると踏んでいる検察庁検事長の平山健司(加藤雅也)は、公安0課の小泉香(壇蜜)を使い、秘密裏に特捜班を結成。メンバーは、熊本聡(勝矢)、西崎亮太(三元雅芸)、野原恵(坂ノ上茜)、そしてもう一人…ある事件を起こした罪で拘置所に勾留中の元強行犯警部・虎田誠(小沢仁志)である。
果たして、虎田たち特捜班は五条を検挙することができるのか?「真の悪の存在」や「裏切り者」は誰なのか?欲望が渦を巻くこの街で繰り広げられる、欲望の果てに見える景色とは―。
【感想】
いわゆるヤクザ系の映画なんですけど、邦画でここまでフルボッコな作品もなかなかめずらしいなと感じましたね。しかも、それをやってるのが還暦を迎えた小沢仁志っていう。それが一番すごいことです。
<日本にはこの男がいた……!>
僕の中で、こういうバイオレンスがメインの作品って、最近はもう全部韓国に持っていかれちゃってると思っていたんですよ。だって、向こうのアクションのキレやダメージを受けたときの痛々しさには敵わないなって思いますもん。さらに、こういうジャンルの映画において、韓国にはマ・ドンソクという最上級に濃い役者さんがいるじゃないですか。僕はあの方が大好きなのですが、そういうメチャクチャ濃いキャラクター性を発揮できる人、日本にいるのかなって思ってました。
でも、それがいたんですよ。日本には顔面凶器と呼ばれる男が。"Vシネマの帝王"、小 沢 仁 志!もちろん存在自体は知っていましたけど、僕はVシネマを観たことがないので全然きちんと認識できておらず。。。今回の彼は、見た目は完全にヤクザなのに、職業は刑事。腕っぷしが強く、背中で語る漢。
そして、意外と部下の面倒見もいいんです。って、ここまできてピンとくる人もいるかもしれませんが、『犯罪都市』(2017)のソクト刑事(マ・ドンソク)じゃないかって。見た目のフォルムも似てますし。『BAD CITY』というタイトルも、意訳すれば『犯罪都市』になるのではって思いますけど(笑)なので、僕はこの映画、日本版『犯罪都市』と捉えてもいいんじゃないかなって思いました。
<邦画のアクションもまだまだやれる!>
でもすごいのがさ、主人公の虎田を演じた小沢仁志さんはもう60歳ってところです。60歳なのに、すんげぇアクションするんですよ。別にご老体なんて言うつもりは毛頭ありません。ありませんけど、邦画でこの歳でガチアクションやらせるって、今まで観たことないなって。拡声器を逆手に持って、マンションの狭い通路で、ヤクザをフルボッコにするシーンとかメチャクチャかっこよかったですから!「うおおお!こりゃすげぇ!!」と。素早い身のこなしで敵の攻撃を避けつつ、重いパンチやケリを食らわせてゆく。さすが、監督を務めたのが園村健介さんだけありますね。邦画のアクションに革命を起こした『ベイビーわるきゅーれ』(2021)などでアクション監督を務めた方です。さらに、今回の映画では、製作総指揮を小沢仁志さんご本人が担っていますからね、どうすれば自分がかっこよく映るか、しっかり把握されているなって感じました。集団乱闘と個人戦のバランスもよかったですし、還暦を迎えてもここまでかっこいいアクションができるのかと感動したぐらいです。
<ほとばしる悪者感がたまらないリリー・フランキー>
この映画は小沢仁志さんの見せるアクションが最大の見どころですが、僕はリリー・フランキーさんの悪役っぷりも推したいです!自分では絶対に直接手を汚さない徹底ぶり。でも、邪魔者は確実に消していく。悪の極みですね。しかも、街の再開発に躍起になっているんですが、これが『デアデビル』(2015-2018)のウィルソン・フィスク(ヴィンセント・ドノフリオ)っぽい役まわりで、つい先日までそのドラマを観ていた身からしたら重なる部分がありました。
<そんなわけで>
とにかく小沢仁志さんのフルボッコ無双っぷりを楽しむ映画なのは間違いないです。これを観ると「自分はもう歳だから……」なんて言ってられなくなりますよ!そして、この方にはぜひマ・ドンソクと共演してほしいです、、、!日本と韓国の合作映画にして、韓国マフィアと日本のヤクザでぶっ潰し合う中で、日韓の誇る顔面凶器対決を観てみたいです(笑)