![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/74131883/rectangle_large_type_2_b3dc696716f428ce673cdf1d26ccf495.jpg?width=1200)
ぜひ母娘で観てもらいたい内容だけど、日本のアニメと韓国アイドルとハルクの要素が強烈だった『私ときどきレッサーパンダ』
【個人的な評価】
2022年日本公開映画で面白かった順位:12/41
ストーリー:★★★★☆
キャラクター:★★★★☆
映像:★★★★★
音楽:★★★★☆
映画館で観るべき:☆☆☆☆☆(配信での鑑賞)
【ジャンル】
3DCGアニメーション
ディズニー
ピクサー
コメディ
【原作・過去作、元になった出来事】
なし
【あらすじ】
舞台は2002年のカナダ・トロントのチャイナタウン。そこに暮らすメイは伝統を重んじる家庭に生まれ、両親を敬い、母親の期待に応えようと頑張る13歳の女の子。でも一方で、親には理解されないアイドルや流行りの音楽も大好き。恋をしたり、友達とハメを外して遊んだり、本当はやりたいことがたくさんある。
母親の前ではいつも“マジメで頑張り屋”のメイは、ある出来事をきっかけに本当の自分を見失い、感情をコントロールできなくなってしまう。悩み込んだまま眠りについたメイが翌朝に目を覚ますと…なんと、レッサーパンダになってしまった!
この突然の変身に隠された、メイも知らない驚きの〈秘密〉とは?一体どうすれば、メイは元の人間の姿に戻ることができるのか?ありのままの自分を受け入れてくれる友人。メイを愛しているのに、その思いがうまく伝わらずお互いの心がすれ違う母親。様々な人との関係を通してメイが見つけた、本当の自分とは――。
【感想】
ピクサー長編作品第25作目。少女の成長と母娘の関係性がテーマという点では王道ですが、世界観がこれまでのピクサー作品にはない独特な雰囲気でしたね。面白い作品でしたけど、個人的にはちょっと受け入れられない部分もありました(笑)
<親からのプレッシャーと本当の自分のせめぎ合い>
伝統を重んじる母親の前ではいつもいい子なメイ。でも、彼女の本心は別のところにあります。男の子や大爆音で聞く音楽、チャラい踊りが大好き。ただ、母親を喜ばせるためにそういう面は隠しているんですね。
こんな話は日本のドラマでもよく見みますよね。親の機嫌を窺って、自分の本心を隠してしまう子供。もちろん、親は子供のためを思って厳しくしてるんですけど。ついつい口うるさくなって、関係はギクシャクしちゃって。その点だけを見れば、特に母娘の関係にある人にはより共感できる話だと思いました。とても普遍的なテーマですね。
<異文化の要素を取り入れまくった設定>
この映画、いろいろチャレンジングだとは思いました。例えば、キャラクターの目。感情が高ぶったときにキラキラウルウルするんです。それがものすごく日本のアニメ、それも少女アニメっぽくて。
それもそのはず、本作の監督であるドミー・シーは、『美少女戦士セーラームーン』や『らんま1/2』を見て育ち、宮崎駿からも影響を受けているそうなんですよ。今回も、キャラクターの感情をより豊かにするため、日本のアニメのスタイルを取り入れたようで。日本人には親近感のある表現ではあるとは思いますけど、何かと多用しまくってたんで、ちょっと浮いて見えちゃいました。日本のキャラクターデザインならまだしも、ピクサーのキャラクターがやりすぎるとね、マッチしないかなって。
他には、メイが肌身離さず身に着けているのがたまごっちだったり。彼女が大好きなボーイズ・グループ"4★TOWN"が韓国アイドルっぽかったり。過去と現在の流行りを取り入れているのも本作の特徴です。ちょっと迎合しすぎているような印象もありましたけど。
<てゆーか、ハルクじゃね?>
感情が高ぶるとレッサーパンダに変身してしまうメイ。変身すると体は大きくなり、力も強くなります。心を落ち着け、平穏を取り戻すと元に戻る、、、あれ、こんな人どこかで見たような。。。マーベルのハルクを感じた人は少なくないかもしれません(笑)
<ちょっと気になる日本語表記>
ピクサー作品をよく見る人にはおなじみのポイント。それは、作中に出てくるテキストが一部日本語になっていること。字幕っていうことじゃなくて、看板とか名札とかの表記が日本語でデザインされているんですよね。例えばこんな感じで。
![画像1](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/74132335/picture_pc_5e26f2a29254cf37a6d75b9371b773ef.jpg?width=1200)
(『私ときどきレッサーパンダ』(2022)より引用)
これがけっこうな違和感で。特に洋画を字幕で観る人は余計にそう感じるかもしれませんね。だって、耳に入るのは英語なのに、目に映るのは日本語なんですから。舞台が日本とかならまだしも、これはバリバリのカナダですし。しかも、今回日本語表記のところがけっこう多いんですよ。普通に英語表記のままでいいんですけどね。。。けっこう作品の世界観を壊している気もします。。。
<そんなわけで>
いや、総じて楽しめる内容ではありますよ?尺が短い上にテンポよく進むので。でも、やっぱり個人的には気になるところも多かったのは事実ですね。日本のアニメ的な表現や日本語表記の多さがどうしても浮いて見えちゃったんで。ストーリー的なところでも、終盤のライブ会場のシーンなんかは「なんでそういう方向になるんだろうw」って感じで戸惑いましたし(笑)小さい子供とかにはハマりやすいんですかねー。母娘で観てもらうと、また違った感じ方があるかもしれませんが。