夢を持つすべての人に贈りたい!ディオールの株が爆上がりな友情と感謝の物語『ミセス・ハリス、パリへ行く』
【個人的な満足度】
2022年日本公開映画で面白かった順位:27/172
ストーリー:★★★★★★★★★★
キャラクター:★★★★★
映像:★★★★☆
音楽:★★★☆☆
映画館で観たい:★★★★★
【作品情報】
原題:Mrs Harris Goes to Paris
製作年:2022年
製作国:イギリス
配給:パルコ
上映時間:116分
ジャンル:ヒューマンドラマ
元ネタなど:小説『ミセス・ハリス、パリへ行く』(1958)
【あらすじ】
1950年代、第2次世界大戦後のロンドン。夫を戦争で亡くした家政婦ミセス・ハリス(レスリー・マンヴィル)は、勤め先でディオールのドレスに出会う。その美しさに魅せられた彼女は、フランスへドレスを買いに行くことを決意。
どうにか資金を集めてパリのディオール本店を訪れたものの、威圧的な支配人コルベール(イザベル・ユペール)に追い出されそうになってしまう。
しかし、夢を決してあきらめないハリスの姿は、出会った人々の心を動かし、とびきり素敵な奇跡を起こす。
【感想】
これは想像以上に面白い映画でした!!もうね、本当になんて素敵な物語なんだろうって!!夫を戦争で亡くし、ひとりで生きてきた女性が、1着のドレスと出会って外に飛び出し、人生に彩りが生まれるっていう流れが秀逸!!パルコっていい映画配給しますよね!!
<ファッションには人生を変える力がある>
ファッション好きな人は、人生一度ぐらい、メッチャ惚れる洋服に出会うことがあると思います。今回のハリスもまさにそれでした。家政婦として働く彼女が、勤め先で目にしたディオールのドレスに一目惚れ。お値段なんと500ポンド!今の日本円だと250万円~400万円ほどで、ハリスの年収の2倍ほどだそう。。。オートクチュールなので高いんですよね。
普通だったらそこであきらめてしまいそうなのですが、ハリスは躊躇するどころか、「何としてでも買う!」と決意して、500ポンド貯めちゃうんですよ。たかが服1着のために?ただの布だぜ?って。あまりファッションに興味がない人はそう思うかもしれません。だけど、本当に欲しい服ってがんばれちゃいますよね。それを手にしたときの喜びと、着ているときの高揚感って、すごく快感なので。僕もファッション好きなのでよくわかりました。
<夢をあきらめないハリスの姿に元気をもらえる!>
この映画で推したいポイントが2つありまして、そのひとつが夢をあきらめないハリスの姿です。なんとかお金を貯めて、彼女はパリのクリスチャン・ディオール本店に行きます。が、そこで威圧的な支配人のコルベールに追い返されそうになってしまうんですよ。一見、嫌な人に見えますけど、コルベールはコルベールでディオールの伝統を守ろうと思っているので、着る人を選びたいんですよね。彼女の立場で考えると、ビジネスとして至極当然のことではあるんですが、この映画ではもうハリスに感情移入しちゃってるんで、ただの嫌な人にしか映りませんでした(笑)ただ、嫌な人って彼女ぐらいで、他のディオールの社員はみんな親切でいい人たちなんですよ。ロンドンから500ポンドの現金を持って、はるばるやって来たハリスのためにドレスを作ってあげたいと。まあ、ハリスが"現金で"支払おうとしていたってのも大きいんですけどね(笑)
そうやって紆余曲折を経ながら、ハリスはオートクチュールのドレスを作ってもらうことになります。このハリスの夢に向かう姿勢に元気をもらえるんですよ。家政婦で決して裕福とは言えない生活を送る中で、ディオールのドレスを買うっていう夢を持って。ただの買い物じゃなくて夢だから、お金持ちしか相手にしないディオール本店でも、物怖じせずに「ちゃんとお金を持ってきたんだから売ってよ!」って主張できるんですよね。僕だったら、あんな場違いなところにいたら、「なんかすみません」って言って引き返しちゃいそうです(笑)
それでいて、ハリスってすごく優しくて親切で、無償の愛を与えるような包容力があるんですよ。それは年の功かもしれませんし、家政婦という仕事で培われたのかもしれません。まわりの人たちがハリスにいろいろ協力してあげるのも、そういう彼女の人柄と夢に対する姿勢に感化されたのかなって思いました。てっきり、ディオールの人ってみんな上から目線だと勝手に思ってしまっていたんですが、そうじゃなくてよかったです(笑)
ラストも素敵すぎる展開でね!!ハリスと関わった人たちの友情と感謝の連鎖がこうなるのかって、、、涙なしには観れませんでした。。。人にやさしく、自分に正直に生きているといいことあるのかなあって信じたくなりますね。そして、この映画を通じて、ディオールのことがものすごく好きになります(笑)
<ディオールの放つ美しいドレスの数々>
そして、この映画で推したいもうひとつのポイントが、物語を彩るディオールの美しいドレスたちです。クリスチャン・ディオールの全面協力によって、当時のデザインを再現したメゾンでのファッションショー!モデルの動作に至るまで当時を再現しているそうで、ものすごくこだわりようですよね。これは男性の自分でも見とれてしまうほどで、「ドレス欲しい!」って思ってしまうほど。公式のインスタに載っているのでぜひ観てみてください!
https://instagram.com/mrsharris_2022?igshid=YmMyMTA2M2Y=
<そんなわけで>
久しぶりに観るだけで元気がもらえる素敵な映画でした。ファッション好きだけでなく、明るい気持ちになりたい人にもオススメしたいです!人はいくつになっても夢を持てるし、それを叶えることができるという前向きなメッセージは、多くの人に希望を与えてくれることでしょう。