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凶悪な殺人鬼を捕まえるために仕掛けた罠、それがまさかの……って感じだけどシャマラン監督にしては現実的でドストレートな映画だなと思った『トラップ』

【個人的な満足度】

2024年日本公開映画で面白かった順位:84/125
  ストーリー:★★★★☆
 キャラクター:★★★★☆
     映像:★★★☆☆
     音楽:★★★☆☆
映画館で観たい:★★★☆☆

【作品情報】

   原題:Trap
  製作年:2024年
  製作国:アメリカ
   配給:ワーナー・ブラザース映画
 上映時間:105分
 ジャンル:サスペンス、スリラー
元ネタなど:なし
公式サイト:https://wwws.warnerbros.co.jp/trap/

【あらすじ】

※公式サイトより引用。
溺愛する娘ライリー(アリエル・ドノヒュー)のために、彼女が今夢中の世界的アーティスト、レディ・レイブン(サレカ・シャマラン)が出演するアリーナライブのプラチナチケットを手に入れたクーパー(ジョシュ・ハートネット)。父親と会場に到着したライリーは、最高の席に大感激。遂にライブが幕を開け、3万人の観客が熱狂に包まれる中、彼は異変に気付く。

異常な数の監視カメラ、会場内外に続々と集結する警察…普通ではない。口の軽いスタッフから「ここだけの秘密」を聞き出すクーパー。指名手配中の切り裂き魔についてタレコミがあり、警察がライブというトラップを仕組んだという。

だが、その世間を騒がす残虐な殺人鬼こそ——優しい父親にしか見えないクーパーだった!

【感想】

M・ナイト・シャマラン監督最新作。優しい父親が実は殺人鬼ってことで、そんな彼を逮捕するための壮大な"罠"が見どころの映画でした。てか、ジョシュ・ハートネットが主演を務めるのけっこう久しぶりなんじゃないですかね。気づいたらイケオジになっててうらやましい歳の取り方ですが(笑)

<シャマラン監督にしては珍しく現実的な話>

個人的な好みとして、シャマラン監督の映画ってけっこう当たり外れがあるんですよ。総じて、「設定は秀逸だけどオチまで観ると肩すかしを食らったような気分」になることがよくあるので(笑)そして、彼の映画はSFやファンタジーといったちょっと現実離れした世界観ものが多いですよね。だから、この映画を観るときも「夢落ち」、「二重人格」、「超能力者」、「死後の世界」などなど、あらゆる設定の可能性を探りながら、スクリーンを隈なく観てヒントを見逃さないようにしていました。が、全部杞憂でしたね(笑)そう、この映画はシャマラン監督にしては珍しくSFやファンタジーっぽい要素がなく、とても現実的な話だったんですよ。「実は○○だった」というのもあるにはありますが、すべてがひっくり返るような形ではなく、あくまでもサスペンススリラーの範疇に収まるもので、なんというか、あれこれ考えすぎた分あっさりした印象でした(笑)

<クーパーとかいうある意味超人な男>

クーパー(ジョシュ・ハートネット)が殺人鬼であることはすでにあらすじに明示されているので、これは誰が犯人かを究明する話ではなく、その犯人をどうやって捕まえるかってのが物語の主な目的になります。先にも書いたように、シャマラン監督なら「クーパーを犯人のように思わせて実は……」ってのもあるかなと警戒していましたが、普通に彼が犯人でした(笑)ライブ会場に殺人鬼が潜んでいるから尋常でない警備体制が敷かれており、さすがのクーパーも外へ出ることは不可能。そんな中で彼は娘に付き合うフリをしながら、会場内を事細かく観察し、呼吸するようにウソをつきながら外へ出ることを可能にしてしまいます。まあ、警備がザルすぎたり、話しかける相手がたまたま協力的だったりと都合のいい部分はあるにせよ、そこは彼の劇中のキャラとしての演技力や醸し出す雰囲気の賜物なんでしょうね。途中何度か危ういところもありましたが、絶妙な形でピンチを切り抜けてしまう手慣れ感に小気味よさを感じました。いやホント、ルパン三世かのようにうまーくスルスルって切り抜けるんですよ(笑)

<最後まで目が離せない展開>

クーパーの手慣れたやり方で会場からうまい具合に脱出する過程もスリリングで面白いんですけど、会場を出てからもまた見どころ満載です。世界的アーティストのレディ・レイブンを巻き込んでの怒涛の展開で、最後には物語の真相が明かされることもあって終始飽きずに観ることができます。クーパー自身の生い立ちというか過去にもサラッとではあるんですけど、観客があれこれ想像できる余地を残すぐらいには触れられていて、なんかその設定を使って続編も作れそうな感じなのも魅力的です。そうそう、レディ・レイブンを演じたサレカ・シャマランって、名前からわかる通り、シャマラン監督の長女なんですよ。父親と全然似ていなかったので、エンドクレジットで名前を観てびっくりしましたけど(笑)

<そんなわけで>

M・ナイト・シャマラン監督作品と聞いて思い浮かべる映画とは裏腹に、本作は奇をてらわずに現実的なドストレートのサスペンススリラーでしたが、ストーリーのテンポがよく、構成もわかりやすかったので面白かったです。牛丼を頼んだらちゃんと牛丼が出てきたっていうぐらい真っ当で逆に驚きましたが(笑)ジョシュ・ハートネット、サイコな役も似合いますね!

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