笑いと涙が詰まった愛の物語と未来への伏線に今後の期待大だった『ソー:ラブ&サンダー』
【個人的な満足度】
2022年日本公開映画で面白かった順位:5/105
ストーリー:★★★★☆
キャラクター:★★★★★★★★★★
映像:★★★★★★★★★★
音楽:★★★★★
映画館で観たい:★★★★★★★★★★
【作品情報】
原題:Thor: Love and Thunder
製作年:2022年
製作国:アメリカ
配給:ウォルト・ディズニー・スタジオ・モーション・ピクチャーズ
上映時間:119分
ジャンル:スーパーヒーロー、アクション、コメディ、ラブストーリー
元ネタなど:マーベル・シネマティック・ユニバース
【あらすじ】
サノスとの最終決戦後、ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーの面々と共に宇宙へ旅立ったソー(クリス・ヘムズワース)。これまでの道のりで多くの大切な人々を失った彼は、いつしか戦いを避けるようになり、自分とは何者かを見つめ直す日々を送っていた。
そんなソーの前に、すべての神々を排除せんともくろむ最悪の敵、神殺しのゴア(クリスチャン・ベイル)が出現。ソーやアスガルドの新たな王となったヴァルキリー(テッサ・トンプソン)は、ゴアを相手に苦戦を強いられる。
そこへソーの元恋人ジェーン(ナタリー・ポートマン)が、ソーのコスチュームを身にまとい、選ばれた者しか振るうことができないムジョルニアを手に取り現れる。ジェーンに対していまだ未練を抱いていたソーは、浮き立つ気持ちを抑えながら、新たな「マイティ・ソー」となったジェーンとタッグを組み、ゴアに立ち向かうことになる。
【感想】
「マーベル・シネマティック・ユニバース」第29作目。『マイティ・ソー』シリーズ第4作目。スーパーヒーロー単体の名を冠した作品としては、MCU初の4作品目ですね。まさか、ソーになるとは思ってもみませんでした。アイアンマンかキャップの方が先かなあって思っていたので(笑)
<観ればわかる副題のまんまの中身>
正直、今回のサブタイトルの『ラブ&サンダー』からは中身がまったく見えてきませんでした。でも、いざフタを開けてみてわかったのが、これは笑いと涙が詰まった愛の物語だということ。なので、副題通りだなと(笑)さらに、今後のMCUの世界観を広げる重要なエピソードもあるので、なかなかにスペシャルな位置づけになりそうです。
<過去の『ソー』作品とはちょっと毛色が違う>
『マイティ・ソー』シリーズは、MCUの中でもコメディ要素が強いと言えます。それは今回も健在で、バカバカしいやり取りがとにかく笑えました。いい歳した大人たちが学生のように、ノリと勢いだけで後先考えずに突き進むスタイルはシンプルで楽しいですよ。序盤のジャン=クロード・ヴァン・ダムのオマージュを思わせるシーンなんかは最高でしたね。洋画好きにしか伝わらない気もしますが(笑)
とはいえ、これまでの『ソー』シリーズと比べると、ちょっと作品の方向性というか、雰囲気が違うなって思ったのも事実です。これまではソーのやや自分勝手なところや彼が大暴れするところなんかが面白いポイントでしたが、本作のメインはソーとジェーンのラブストーリーなんですよ。この2人の関係ってやや曖昧になってたから、これまでMCU作品を追ってきた身としては、そこがスッキリするのはうれしいです。
その分、けっこう静かなシーンも多く、ド派手なバトルで大暴れっていのを期待していた自分としては、少し物足りない部分がありましたね。もちろん、バトル自体はありますし、笑って泣ける展開に満足ではあるんですが、ただでさえMCU作品はファンからしたらハードルが上がりがちなので、それと比べると、、、っていう感じです。ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーとの絡みも思ったより少なかったですしね。けっこう好みが分かれそうかなと。
<実はたくさんある推しポイント>
そういうストーリー的なところでの物足りなさはありつつも、推したいポイントがたくさんあるのもこの映画の魅力。いくつか紹介させていただきます(もちろん、ネタバレはないです)。
まずはやっぱりジェーンですよ。ここにきてまさかナタリー・ポートマンがソー役をやるとは思いませんでした(本人もかもしれませんがw)。役作りのために筋肉もつけ、綺麗なブロンドヘアになったその姿があまりにも美しすぎて思わずため息が出てしまうほどでしたね。いやもう本当に美しかったです。。。ちなみに、第1作目の邦題を『マイティ・ソー』にしちゃったからわかりづらいんですけど、本作における"マイティ・ソー"と呼ばれる人物はジェーンであって、いつものソーはただの"ソー"です(笑)
次はそのソーです。『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019)では戦意を喪失しておデブちゃんになっていましたけど、戦いの日々の中でダイエットに成功、再びムッキムキになるんですが、この体がヤバすぎるんですよ。広背筋が発達しすぎて羽が生えているように見えますから。そりゃ彼の全裸姿を見て、神の星の女性たちも気絶しちゃいますよ(まあ彼女らが目に下ものは筋肉じゃないかもしれませんがw)。
で、その神の星も推しポイントなんですけど、ここにはいろんなSF映画から寄せ集めたんじゃないかってぐらいいろんな種族の神様がいます。ちょっとしか映らないキャラクターも多いんですが、その中で一押しだったのが小籠包の神様です。「なんで小籠包の神様なんかがいるんだよ」っていうツッコミはさておき、これだけ絵柄が他と違って浮きまくってるんですが、ものすごくキュートなんですよ。ぜひその目て観ていただきたいです。そういえば、『ワンピース』(1997-)に出てくるガイモンさんみたいなキャラクターもいたように見えたんですが、、、あれもオマージュでしょうか、、、?
そして極めつけは、今回のヴィランであるゴア(クリスチャン・ベイル)ですよ。「この人、本当に元バットマンか?」っていうぐらいの禍々しい姿。パッと見では肉弾戦向きではないように見受けられますが、ソーと互角以上に戦えているんで、もしかしたらサノスよりも強いんじゃないかと(笑)そんな彼の背景と結末が、今回の副題にも活きてくるので外せないキャラクターでした。
<そんなわけで>
ダブルソーによる愛と希望の物語、ぜひ映画館で観て欲しいです。この作品がMCUの世界をさらに広げることになるのは間違いないですよ。なぜなら、他のスーパーヒーローのようにソーの〇〇〇〇〇が現れましたし、ポストエンドクレジットでも新しい展開を予感させますから。本当にフェーズ4はどこまで広げるんでしょうかね。今後も楽しみです!