ウェディングプランナーとストーカーと殺人鬼による三つ巴のフルボッコB級ホラー映画『マッチング』
【個人的な満足度】
2024年日本公開映画で面白かった順位:19/19
ストーリー:★★★☆☆
キャラクター:★★★☆☆
映像:★★★☆☆
音楽:★★★☆☆
映画館で観たい:★★☆☆☆
【作品情報】
原題:-
製作年:2024年
製作国:日本
配給:KADOKAWA
上映時間:110分
ジャンル:ホラー、スリラー、サスペンス
元ネタなど:小説『マッチング』(2024)
【あらすじ】
※公式サイトより引用。
ウェディングプランナーとして仕事が充実している一方、恋愛に奥手な輪花(土屋太鳳)は、同僚の尚美(片山萌美)の後押しでマッチングアプリに登録をすることに。勇気を出して一歩踏み出し、デートに臨んだ輪花だったが、現れたのはプロフィールとは別人のように暗い男・吐夢(佐久間大介)だった。
その後も執拗にメッセージを繰り返し送る吐夢に恐怖を感じた輪花は、取引先でマッチングアプリ運営会社のプログラマー影山(金子ノブアキ)に助けを求めることに。しかし時を同じくして”アプリ婚”した夫婦が惨殺される事件が連続して発生。被害者たちが輪花の勤める結婚式場で式を挙げていることが判明するのだった―。
【感想】
※以下、敬称略。
原作小説は未読です。いまや出会いの常套手段にまで発展したマッチングアプリ。まさにブーム真っ只中のサービスをどのようにホラーとして描くのか興味があって鑑賞しました。結果、映画のライト層とヘビー層で評価が分かれるかもと感じる内容でしたね。
<流行りとエンタメ性をうまく掛け合わせた構成>
雰囲気としては『スマホを落としただけなのに』(2018)に近い感じがしました。身近なサービスを使って起こる殺人事件。二転三転するストーリーに予測不可能なスリルを感じます。普段そこまで映画を観ない人や、マッチングアプリをよく利用する人には、ほどよい恐怖のエンタメ作品として楽しめるんじゃないかと思いますね。自分も大学生ぐらいだったら、このありそうでなさそうなバランスのよさにハマったかもしれません。
<イマイチハマれなかった理由>
エンタメ性の高いホラー映画として楽しめる部分はありますが、今の自分に刺さるかといったら、正直そうでもなかったです(笑)理由は、背景がわからないままこねくりまわしている設定にお腹いっぱいになってしまったから。よく映画を観る人や勘のいい人は、こういうジャンルの映画は予告で少しミスリードさせようとしていることを知っていると思います。予告で感じる印象と真逆のことが本編ではちょいちょい起こります。これもまさにそうでした。で、最終的には「おまえかーい!」っていうさらに裏をかいた展開だったんですが、「まさか」というよりも「もうええわ」って思っちゃって(笑)だって、犯人の動機がわからないし、その独特な殺し方の理由も謎だしで薄っぺらく感じてしまって。。。もしかしたら、原作小説を読めば詳細がわかったのかもしれませんが。
<不自然すぎる吐夢とその母親>
あと、個人的に気になったのは吐夢のコミュ障っぷりです(笑)マッチングアプリをやっていながら、あのコミュニケーションの取り方はただの異常者ですよ(笑)もっと普通に話せばスムーズに事を進められると思うんですけど、なんでわざわざ労力がかかる方にいくのか。ストーカーって自分で認めちゃってるのも滑稽でしたし、紆余曲折を経てそんな彼に気を許すようになる輪花も相当男を見る目がないと思いました(笑)これはストーカーが願いを成就する話なのか?!って。
そんな吐夢の母親もやっぱりというべきか、まあ変な人ですよ。でも、彼女の場合は実際に似たようなケースを聞いたことがあるからまだ納得はできたかなあ(理解はできませんけどね)。要は、好きだった人が手に入らなかったとき、その恋人(場合によっては奥さん)と仲良くすることで、間接的に好きだった人の愛を感じているみたいな。もう正気じゃないなって。
<そんなわけで>
状況はわかりますけど、背景描写が足りなくて感情移入ができない内容でした。輪花と影山と吐夢による三つ巴のバトルシーンやその影山を演じた金子ノブアキの演技は好きだったんですけどね。この映画、個人的な好みとしては、もっとスプラッター要素を強めるか、途中から3者によるバトルロワイヤルみたいな方向に持って行った方がエンタメとして楽しめたかもしれません。続編はありそうな気がします。